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2D設計が一般的な建築業界において、先駆けて3Dモデルの作成に取り組んでいる。建築構造における金物を調達するための業務フローには2D化が必須となっており、3Dモデルを活用した業務プロセスの効率化が課題となっていた。
── 業務概要を教えてください
主にデジタルを使った建築設計支援を展開
田村様:株式会社ディックスにて一級建築士として建物の構造設計を行っており、2019年に別会社として株式会社ラムダデジタルエンジニアリングを設立しました。主な業務は建築構造設計支援になります。
構造設計とは、デザイナーが意匠設計した建物を構造という側面から検証し、耐震性やコストなどを考慮し、構造面で設計することをいいますが、弊社ではデジタル技術を使った支援を行っています。
── meviyの活用シーンは?
木材と木材を接合する金物の設計に活用
田村様:木質構造の場合、木材と木材を接合する部分に金物をよく使用しますが、その金物のプロトタイプ(試作)にmeviyを活用しています。金物は構造設計においてはとても重要パーツで、荷重に耐えられるかどうか構造解析で検証し、計算上問題がなければmeviyで発注することになります。
── meviyを使うようになった経緯を教えてください
3D設計を行う中でmeviyの有用性を知った
田村様:建築業界では一般的に設計は2D図面で行われています。ただし、構造が複雑になると2D図面では対応できなくなります。そのため、10年くらい前から、3Dモデルを設計に活用するという流れが生まれています。
3Dモデルは、専門家でなくても構造がわかりやすく把握できるため、デザイナーや建築主様との打ち合わせにも有効です。知人がSNSでmeviyの有用性を発信しており、3Dでの設計に適したツールであることを知り、使うようになりました。
── meviy導入後の効果、業務プロセスに変化を教えてください
およそ1ヶ月の時間削減を実現
田村様:従来は、3Dで構造設計したものを簡易的な2D図面にして金物屋に見積もり依頼していました。金物屋では製作可否を判断した後、詳細設計を行い、見積もりを作成。その内容を施工会社と私で承認してから発注するという流れでした。
これが、meviyだと3Dデータのまま、瞬時に製作可否を確認でき、価格と納期も確認できます。
従来だと構造設計の3Dモデルができてから納品までがおよそ7週間だったものが、meviyだと3週間程度になり、およそ1ヶ月の時間削減につながっています。
── meviyで気に入っているところは?
価格も製作可否もリアルタイムで確認
田村様:3Dデータをアップロードするだけで価格を確認できるところがいいです。また、製作可否がリアルタイムで表示されるところもいいですね。試行錯誤しながら設計をしているので、製作可否がその場でわかるのはとてもありがたいです。設計のアドバイスもわかりやすいです。
人対人ではないので、コミュニケーションでストレスに感じてしまうこともありません。革新的なサービスだと思います。
── 今後meviyに期待することは?
プロジェクトを止めないmeviyに期待
田村様:建築業界では今後さらに3Dの活用が広がっていくでしょう。そうなると、meviyの需要もさらに高まり、さまざまな可能性が見えてくると思います。特に、コロナ禍は人対人のコミュニケーションが難しいときでもあります。
meviyならリモートでの進行が可能ですので、プロジェクトを止めることなく推進することができます。ノウハウを蓄積して新たな事業展開に結びつけたいと考えています。
<インタビュー協力>
株式会社ラムダデジタルエンジニアリング
CEO 田村 尚土様
株式会社ラムダデジタルエンジニアリング 様
コンピュテーショナルデザインやBIMを使ったデジタルエンジニアリングによる建築設計、製造、施工に関するコンサルティング、プログラム開発、ソフトウェア販売などを行っている。3Dモデルの自動化に関するプログラム開発の経験を活かし、設計事務所や建設会社の要望に応えた3Dモデル作成やシステム開発が強みとなっている。