コラム「BIMモデルを施工現場に役立てる」を公開
2022年1月31日

BIMで建築が夢をみる

#121 BIMモデルを施工現場に役立てる

創る設計BIM、建てる施工BIMの3次元モデルを施工現場での資材配送などに再利用する動きが見られるようになりました。ここでは、竹中工務店がカナモト(札幌市)と共同で自社開発した「建設ロボットプラットフォーム」を用いて配送ロボットと本設エレベータをコントロールし、建設期間中に複数階でのロボットによる資材配送を可能とする開発の実証を建設現場で実施し、有用性を確認した事例を報告します。

BIMで経路を設定して本設エレベータとも連動

手動操作による事前の地図作成を行わず、BIMのみでの経路設定と本設エレベータとの連動によって配送ロボットでの複数階自動配送を建設現場内で実施しています。それによって建設期間中の軽材料の配送や熱中症対策のためのドリンク配送など、必要なものを必要な場所へ配送することができると共に、360度カメラを搭載することで工事進捗状況の確認にも利用でき、作業の効率化、建設作業者へのサービス提供への活用が期待できます。

BIMを用いて地図を生成するため走行ルートの手動設定が不要

手動操作による事前の地図作成を行わず、BIMのみでの経路設定に関する実証では、アスラテックが国内で展開する香港Rice Robotics社製の自律走行型配送ロボット「RICE(ライス)」を使用しています。

「RICE」などのサービスロボットでは、一度、手動操作で建物内の地図を読み込ませ、走行可能ルートの調整をする必要がありますが、建設ロボットプラットフォームでは、BIMを用いて地図を生成するため手動操作による走行ルート設定を行う必要がありません。

実証実験では、2階建て建物1階の充電ステーションに設置されたRICEに対して2階の所定位置まで資材を運搬するタスクを与えました。建設ロボットプラットフォームを通じて1階では充電ステーションからエレベータまでを走行し、エレベータに乗り込み2階へ移動、2階ではエレベータから降り所定のエリアまで移動し、資材ボックス内の資材を受け渡しました。

タスク終了後は同ルートで1階の充電ステーションに自律で戻ります。走行ルートに置かれた資材や人をロボットが自ら障害物として判断して避けるルートを自動で生成します。

ロボット本体

詳しくは、福井コンピュータアーキテクトのウェブサイトで。

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