ブカレスト西部の地下鉄トンネルの上に建設された9階建て居住用ビル
2022年2月7日

  • SAIDEL Engineering SRL

    ブカレスト西部の地下鉄トンネルの上に建設された9階建て居住用ビル

    ルーマニア、ブカレスト

先駆的なビルディングイニシアチブ

ブカレスト西部で、あるデベロッパーが、既存の地下鉄トンネルの上に地下1階を含む10階建ての住居用ビルを建設する、250万ユーロのプロジェクトを開始しました。このような都市のトンネルの上に構造物を建設するのは初めてのことです。このプロジェクトでは、イレギュラーなフットプリント、複雑な地質工学上の課題、トンネルの変位と構造力に関する地下鉄運営者からの要求がありました。SAIDEL Engineeringは、建物がトンネルのライニングに与える全体的な影響を軽減し、安全でコスト効率の高いソリューションを提供するよう依頼されました。プロジェクトを進めるためには、掘削計画と基礎の概念設計を決定し、地下鉄事業者の承認を得る必要がありました。

変位と構造の要求に対応

建物のフットプリント全体が地下鉄のトンネル保護区域内にあるため、SAIDEL Engineeringは2D解析を行い、地下鉄事業者の変位および構造上の要求に準じた、掘削と基礎の実現可能なソリューションを決定しました。2Dモデルを基に掘削の承認は得ましたが、SAIDEL Engineeringはプロジェクトの重要性を考慮し、基礎の概念設計の安全性を高め、基礎に3Dの地質工学モデルを導入したいと考えました。モデルの大きさのため、また、高い精度と品質を求めたために、110万個以上の要素と150万個以上のノードを持つ杭と橋脚の荷重をモデル化するにあたりさまざまな課題が発生しました。

PLAXISで成功を見いだす

SAIDEL Engineeringは10年近くPLAXISを使用していたため、PLAXISがこのプロジェクトに最適な地質工学アプリケーションであることがわかっていました。PLAXISを使用して平面ひずみ解析を行い、3Dモデルを開発して精度と最適化を向上して、基礎設計の信頼性を高めると同時にトンネルへの影響を低減しました。高度な設計および解析機能により、地盤と構造物の相互作用の評価と、杭に六角柱の使用をサポートできたほか、橋脚荷重のコンバージェントモデリングを確実なものにしました。建設とライフサイクル運用のすべての段階で、Bentleyの地質工学ソフトウェアを使用して、さまざまなソリューションと各ソリューションがトンネルのライニングに与える影響をモデル化して分析した結果、地下鉄事業者に承認される設計コンセプトを作成できました。

3D地質工学モデリングで業界標準を推進

SAIDEL Engineeringは、地下鉄事業者が承認できるソリューションがなかなか見つからず2年間も費やした後に、PLAXISを使用することで、わずか3か月でプロジェクトを再び軌道に乗せました。承認された基礎システムは、変位や構造力にトンネルへの影響を最小限に抑えるという要件を満たしています。解析の結果、階数を10階から9階に減らすことで、トンネルにかかる地震荷重を抑えることができました。また、ラフトの厚さを2メートルから1.5メートルに減らすことができました。このプロジェクトは、市の先駆的な住宅プロジェクトとして、今後のブカレストのトンネル上の開発の可能性を引き出しています。PLAXISに支えられて成功を収めた3D地質工学モデリングソリューションを通じて、SAIDEL Engineeringはプロジェクトの可視性を高め、国内でのSAIDELの手法の再現、競争による地質工学の発展、新しい業界標準を推進しています。

プロジェクトプレイブック: PLAXIS

詳しくは、ベントレー・システムズのウェブサイトで。

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