板金加工「ナット取付」サービス開始
2022年10月3日

meviy板金で穴をダブルクリックすることでナット溶接が選択可能に!

2022年10月3日からmeviyFA板金部品サービスにて新規穴選択として「ナット取付」がお選びいただけるようになりました。

こんな方にオススメ 

・板金で選べるタップの呼び径が少なくてお困りの方
・締結箇所の着脱を容易にしたい方
・組み立ての効率を上げたい方

1.ナット取付とは

板金部品上の任意の穴に対して、スポット溶接・アーク溶接で取付する「ナット溶接」、かしめナットを用いて圧入する「圧入ナット」を取付できるサービスの総称です。

2.ナット取付のよくあるご利用シーンとは?

部品を締結する方法としては、タップ穴を切ることによってボルトで固定する方法が多く用いられます。しかし、タップ穴の呼び径が大きいほど母材に厚みが必要であることから特に板金部品では板厚次第で使用できるタップ穴の呼び径に制限があり、希望の呼び径のタップが取り付けられない事が起きます。

この場合、板金部品そのものの板厚を厚くしたり、局所的に厚板を溶接してタップ穴に必要な厚さを確保するなどの対処を行うか、諦めて呼び径を変更するしかありません。

しかし、板厚を厚くしてしまうと他の部品と干渉してしまうことや部品そのものが重くなってしまうデメリットがあり、設計者を悩ませてしまっています。

そこで、板金部品ではナット取付が度々利用されており、当初の板厚のままで大きな呼び径のボルトを用いて部品を締結できるようになります。

3.ナット取付を使用する3大メリット

  1. 薄い板金でも呼び径が大きいボルトを使用可能!
    板金部品にナットを取り付け、ナットで締結することになります。ナットで締結することから、板厚に対して開けることができない呼び径のボルトなどを必要としてもナット取付によって要望を叶えることが出来ます。
  2. 締結した部品を容易に取り外し可能!
    ボルトとナットで板金部品と締結することになるため、繰り返し取り外しを行えます。特にカバーなどの何回も取り外しを必要とする部品にナット取付を利用することで、安全かつ容易に着脱を行えるようになります。
  3. 板厚を厚くするより軽量化!
    ナットを取付けるだけのため、板厚を厚くする方法よりも軽量することができます。

4.基本情報

meviyでのナット取付は、以下の多彩な材質・板厚でご利用いただけます。

表1 既存タップ穴とナット取付対応比較表

材質 板厚 対応穴径
SPCC
SPHC
SECC
SS400(板厚9mm)
0.8 M3 M4 M5 M6  
1.0 M3 M4 M5 M6  
1.2 M3 M4 M5 M6 M8  
1.6 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
2.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
2.3 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
3.2 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
4.5 M3 M4 M5 M6 M8 M10  
6.0 M4 M5 M6 M8 M10  
9.0 M6 M8 M10  
SUS304(2B)
SUS304(片面#400研磨)
SUS304(片面ヘアライン)
SUS430(2B)
0.8 M4 M5 M6 M8 M10 M12
1.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
1.2 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
1.5 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
2.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
2.5 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
3.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
4.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
5.0 M4 M5 M6 M8 M10 M12
6.0     M5 M6 M8 M10 M12
A5052
※圧入のみ
0.8 M3 M4          
1.0 M3 M4 M5 M6  
1.2 M3 M4 M5 M6  
1.5 M3 M4 M5 M6  
1.6 M3 M4 M5 M6  
2.0 M3 M4 M5 M6 M8  
2.5 M3 M4 M5 M6 M8  
3.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
4.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
5.0 M3 M4 M5 M6 M8 M10 M12
6.0   M4 M5 M6 M8 M10 M12

※赤字部分が、ナット取付によって新規に選択可能になる呼び径です。

5.ご利用方法

ナット取付サービスのご利用方法を紹介いたします。

1.設計した板金部品の3DCADデータをmeviyにアップロードします。

※アップロード完了後に、加工方法が選択されていなければ、”板金部品”をお選びください。アップロードされた板金部品のプロジェクトを選択して、3Dビューワーの画面を開きます。そこでナット取付を選択したい穴をダブルクリックし、穴情報指示のダイアログを開きます。

2.ダイアログ内にある穴タイプのリストから「ナット取付」を選択します。

3.取付方法のリストからお好みのナット取付方法を選択します。

4.ナット呼び径のリストから呼び径を選択します。

5.ナット取付方向のボタン押下で取付位置を変更できます。
 

6.以上でナット取付の指示が完了です。

以上で、ナット取付の指示が完了です。

6.納期

ナット取付サービスの納期は以下の通りになります。

  • スポット溶接・アーク溶接

全ての材質・板厚で数量4個以下の場合は+1~2日、5個以上で+2~3日

  • 圧入ナット

全ての材質・板厚で数量4個以下の場合は+1日、5個以上で+2日

7.ご利用時の注意点につきまして

meviyのナット取付のご利用前に、アップロードしていただくモデルの状態をご確認いただくことをオススメします。モデリング次第で、お見積りできないモデルがございます。

モデルの状態 対応可否
①ナット部分をモデリングしていない板金部品モデル
②ナット部分をモデリングしている板金部品モデル
③ナット部品が部品のソリッドと一体化されている板金部品モデル ×

②ナット部分をモデリングしている板金部品モデル

板金とナットがそれぞれ独立した状態のモデル(図1参照)をアップロードしていただくと板金とナットがそれぞれ別のモデルと認識します。(図2参照)

図1 ナットがマージしていない状態のモデルの例

図1 ナットがマージしていない状態のモデルの例

図2 図1のモデルをアップロードした時のプロジェクト画面

図2 図1のモデルをアップロードした時のプロジェクト画面

③ナット部分が部品のソリッドと一体化されている板金部品モデル

板金部品とナット部分が一体化された状態のモデル(図3参照)をアップロードすると、形状認識に失敗しサービス対象外と認識されてしまいます。

図3 ナットをマージした状態のモデルの例

図3 ナットをマージした状態のモデルの例

図4 図3のモデルをアップロードした時のプロジェクト画面

図4 図3のモデルをアップロードした時のプロジェクト画面

 

この場合は、ナット部位をモデルから取り除くか、一体化する前のモデルをアップロードしてください。

8.製作事例

 

・板厚:2mm  サイズ:180×60×60mm

・納期:4日目~

左:SUS304(2B)、スポット溶接、4130円

右:A5052(表面処理なし)、圧入ナット、4,810円

 

meviyFAマニュアルはこちらから

加工限界の範囲について

板厚と対応サイズについて

ナット取付製品の品質管理について

 

そのほかご不明点等がございましたら、meviyサポートまでお問合せ下さい。
皆様のご利用をお待ちしております。

【お問い合わせ先】
meviyサポート 電話:0120-343-626
受付時間:月曜日~金曜日(土日祝日を除く) 9:00~18:00
WEBフォームでのお問合せはこちら

詳しくは、ミスミmeviyのウェブサイトで。

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