モバイルワークステーションであるThinkPad Wシリーズが新しくなった。新登場のThinkPad W540は、従来機種のThinkPad W530と比較して新しい世代のプロセッサーにより処理能力に磨きがかかった、
本体のスリム化や液晶パネルに3K解像度(2880×1620ドット)が選択可能になったことで一段と魅力あるものになっている。もちろん、NVIDIA Quadroシリーズのグラフィックスの搭載やカラーセンサー搭載可能な点は従来どおり。
新しい世代のプロセッサーで性能アップ
ThinkPad W540に搭載するプロセッサーは開発コード名が“Haswell”と呼ばれる最新となる第4世代 インテル® Core™プロセッサー・ファミリー。処理能力のアップはもちろんだが、今回の世代では省電力性もアップしている。たとえば処理に電力を使わなくてもよいシーンがあれば、細かく制御して無駄な電気を使わないようにしている。
また、内蔵グラフィックスの性能もアップしている。その性能アップが顕著に現れるのがノートPC向けのプロセッサーとなるが、ThinkPad Wシリーズに関して言えば、別途ワークステーション向けのグラフィックスを搭載しているため、関係ないかと思えばそうでもない。NVIDIA® Optimus™テクノロジーによって動的に内蔵グラフィックと切り替えて利用しているため、負荷の低いときは消費電力が低い内蔵グラフィックスを使うため、内蔵グラフィックスの高性能化の恩恵も受けられる。
液晶に3K解像度(2880×1620ドット)が選択可能
次にThinkPad W540の特徴は液晶画面。従来よりも大幅に高い解像度となる3K(2880×1620ドット)解像度の液晶がオプションで選択可能になったこと。15型でこの解像度となると、1ドット単位で識別することは難しくなるが、表示している文字や図表がより滑らかに表示されるようになり、表現力という点で従来型を大きく上回る。
場合によっては作成したものを確認する際、拡大・縮小といった操作をせずに、細かな点の確認ができる点も重要。トータルでの作業時間短縮という面でも3K液晶の恩恵はじわじわと効いてくるはずだ。
また、3K解像度以外には1920×1080ドットや、1366×768ドットの液晶もあり、要望に応じて選ぶことができる。グラフィックスはNVIDIA Quadro K1100M、NVIDIA Quadro K2100Mを用意している。
薄型の新ボディでより持ち運びしやすく
新しいThinkPad W540(左)、従来のThinkPad W530(右)
ThinkPad W540では、15型液晶を搭載していることもあり、ThinkPadシリーズの中でも大柄なボディをまとっている。しかし、新型では薄型化を進め、持ち運んで使う人にとってはメリットが多い変更点だ。
従来のThinkPad W530と比べてみると、手前側がさらに薄くなっているがすぐわかる。写真で比べるとあまりサイズが変わっていないようにも見えるが、実際に手に持ってみるとその差は大きく感じられる。底面側が従来よりもすっきりしたことも手に持った印象を変えていると思われる。
また、特に今回の世代からThinkPadの“足”が変わった。以前からThinkPadは衝撃を吸収するために非常に凝ったつくりのゴム足になっているが、今回は思い切って新しい形にリニューアルした。
一見すると従来のような凝った衝撃吸収の仕組みがなくなってしまったようにも見えるが、実は試行錯誤の末、衝撃吸収力はそのままにすっきりとしたデザインに変更したもの。カバンに収納する際もゴム足がひっかかりにくくなくなった。
絶対的な重さという面でも軽量化が進んでいる。そして、電源の点でACアダプターの使用頻度が増してしまうモバイルワークステーションだけに、付属ACアダプターの小型・軽量化も行われた。劇的に進化というほど変わってはいないが、確実にコンパクト化されている。
なお、形状の変更ではもうひとつ大きな変更がある。ThinkPad W540ではテンキーが装備されてキーボード配置が大きく変更されて、これにともなって従来のThinkPad W530では両脇にあったスペースがなくなっている。
新しいThinkPad W540(左)、従来のThinkPad W530(右)
新しいThinkPad W540(左)、従来のThinkPad W530(右)
新しいThinkPad W540(左)、従来のThinkPad W530(右)