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2014年11月10日

2014年8月22日(金)、東京・大手町サンケイプラザで「第6回 Vectorworks教育シンポジウム 2014」が開催された。「デジタルの力(ちから)」をテーマとした今回は、放送大学教授(東京工業大学名誉教授)の梅干野晁氏と、マウントフジアーキテクツスタジオを主宰する建築家、原田真宏氏が特別講演を行った。

今年6月30日、エーアンドエーの代表取締役社長に就任した川瀬英一は「おかげさまでOASIS加盟校の数も年々増えてきている。みなさまにはVectorworksを使った授業を行っていただいているが、特にここ数年3次元への取り組みが増えてきていると感じている。今日一日イベントにご参加いただき、ぜひ今後の授業の糧となる情報を得て帰っていただきたい」と、あいさつした。

OASIS加盟校の教職員による講演は4件中3件が、九州の大学・短大によるもので注目を集めた。4年目となるOASIS奨学金の研究成果発表や、3Dプリンターで作成したオブジェクトや研究成果パネルの展示も行われ、会場はVectorworksを授業や研究に活用する教育関係者や学生などで1日中熱気に満ちていた。


特別講演 放送大学 教授、東京工業大学 名誉教授 梅干野 晁 先生

「Bioclimatic Design(バイオクライマティックデザイン)のすすめ」  -環境設計の教育手法と授業カリキュラムの提案-

設計に興味を持っている環境工学分野の研究者は皆、「バイオクライマティックデザイン」に対して熱い心を持っている。しかし、設計の実務ではこの手法はあまり普及していない。建物だけを作るのではなく、環境を作るという「地球環境建築」の考え方のアプローチに、バイオクライマティックデザインはぴったりだ。

今日の講演では、バイオクライマティックデザインについて3つの側面からお話しする。併せて、教育シンポジウム2014のテーマは「デジタルの力」なので、これを最大限に生かして、3Dでのコミュニケーションや環境のシミュレーションが行えるソフト「サーモレンダー」を教育ツールとして紹介したいと思う。

バイオクライマティックについて1つ目の話をしよう。これは日本語で「生気候」といい、その起源はハンガリーの建築家ビクター・オルゲイが1963年に出版した「Design with Climate-Bioclimatic Approach to Architectural Regionalism-」という本あたりにあるようだ。地域の特性を生かして、人間が快適な環境を作ろうという考え方だ。

例えば、アリ塚はアリ自身が活動することで生ずるエネルギーを生かした空調システムを内部に持っている。一方、チンパンジーがすんでいる高い木の上は、風がそよそよと流れ、葉っぱに隠れられる最も快適な場所だ。これと似た考え方の建築が「パッシブ建築」や「環境共生建築」だ。建築設計で快適性というと空気の温度ばかりを考えがちだが、湿度や日射、風の影響も大きい。温度が同じでも日射や風の影響で快適範囲が広がったり、狭まったりする。建築設計者は温度や湿度、日射、風などに対する感性は鋭いが、それが数字の問題になると入っていけない人が多い。

続きは、エーアンドエーのウェブサイトで。

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