ICT施工 活用事例●大幸組編
2024年5月13日

生き残りを賭けて踏み込んだICT活用への道

不退転の決意と熱意で、ICT施工の内製化を実現。

福岡県北九州市の株式会社大幸組様。従来は施工管理を業務の主体とされていましたが、自社でICT施工を行うまで、業務を大きく転換されたそうです。この大きな決断をされたきっかけからICT施工を始めるまでの経緯、そして同社のICT施工を軌道に乗せた『杭ナビショベル』をお使いの現場をご紹介いただきつつ、代表取締役の村田大蔵(むらただいぞう)様と、ICT推進担当の髙松一彦(たかまつかずひこ)様にお話しを伺いました。

ICT施工を始められたきっかけをお教えください。

村田社長:従来は、総合評価落札方式における競争力を高めることに重点を置いていました。
ところが2018年に北九州市の総合評価落札方式の発注件数が激減し、管理業務だけでは安定的に受注できなくなってしまいました。利益を確保するため、施工まで自社で行えるように会社の体質改善を迫られたのです。現場施工のノウハウは乏しかったのですが、時流の変化は会社の都合を待ってくれません。“なんとしても会社を変えなければ”と、これまで培った施工管理の経験や強みを活かしつつ、新しい取り組みはあるか?と模索する中で、ICT施工に着目したのです。

当初はご苦労されたと伺いました。

村田社長: 全社員横並びでICT施工の理解度や技術の向上、まず、3次元の起工測量や、3次元設計データを作成できるようになろうと考え、コンサルタント会社から指導を仰ぎつつ、3D Laser Scanner『GLS-2000』(以下、レーザースキャナー)、3D点群処理ソフトウェア『MAGNET Collage』やドローン、3次元設計データ作成ソフトウェアなどを導入しました。しかしながら、個々人の業務もあり全員そろってコンサルタント会社から研修を受けるにもことままなりません。 そのうち、“全社員を同時に”というもくろみに限界を感じるようになったのです。 “時間とお金を浪費していないか?”、“このまま続けて、自分が思い描く姿になるのか?”と。また、3次元の起工測量や3次元設計データが作れるようになっても、最終的にはICT建機を使って施工まで行わないとICT施工を行えるとは言えない、と考えるに至りました。
そこで、“最初に一人ICT施工プロフェッショナルを育てよう。ICT施工に関する専属部署を立ち上げて軸を作り、それから全社へ水平展開しよう。”と考え方を変えました。
大きな投資をしましたので、何が何でも前に進む、後戻りはできない、と必死だったことを覚えています。

そしてICT推進担当に任命されたのが髙松さん。

村田社長: そうです。創意工夫と熱意の塊。そして、まったく妥協しない。そんな人物ですから。

髙松様: 元々CADを触るのは好きでしたし、新しい技術に挑戦することも楽しみでした。でも、投資金額がすごいじゃないですか。絶対に成功させないといけない、というプレッシャーで不安だったのは事実です(笑)。

ここから ICT施工を始められたのですね。

髙松様: 2020年の河川の掘削工事が最初です。レーザースキャナーを使って現況を測り、3次元設計データを作成して施工しました。
また、既に『杭ナビ』は持っていたので、油圧ショベルのバケットにプリズムを取り付けた簡易的なマシンガイダンスも試したりして、人員削減や工期短縮も確認できました。実は、ちょうど『杭ナビショベル』の発売と同時期で、この工事に『杭ナビショベル』が使えたら、もっと効率化できるかもしれないとは思いました。

村田社長: 小さい工事でしたが、この現場でようやく“ICT施工とはこういうことか”と認識できました。

レーザースキャナーや3次元設計データを使用した効果はいかがでしょう?

髙松様: 両方に言えることですが、一番は“現場の見える化”です。現況を3次元モデル化して3次元設計データと重ね合わせれば、安全に作業ができるか、構造物が収まるか、既存物と干渉はないか、設計変更が必要な場所はないかなど、施工を始める前に気付くことができますし、視覚的なので発注者との協議も早くなりました。

村田社長: 加えて、従来ならどうしても大雑把になりがちだった土量計算を、レーザースキャナーの点群データなら正確に行えることで、費用の取りこぼしが防げることもメリットです。

次に『杭ナビショベル』を初めて使用した時の印象をお聞かせください。

髙松様: 河川工事と並行していた治山工事の現場です。掘削工はほぼ終わっていたのですが、GNSSの衛星信号が受信できない現場で、現地の基準点を使って本当にマシンガイダンスができるか検証したかったのです。丁張りとバケットがピッタリ合った時は、感動すら覚えました。その結果を受けて、自治体職員の方々をお招きして見学会を行ったのです。皆さん、上空が開けている現場でICT施工ができることはご存じでしたが、当社なら、『杭ナビショベル』で山間部でもICT施工が行えることをアピールできました。

~ ここから、髙松様に実際の現場をご案内いただき、『杭ナビショベル』の導入効果について伺いました。~

林道工事の現場にて。

髙松様: 最初に使った治山工事と同様に、GNSSの衛星信号が受信し辛い場所です。こんな現場こそ『杭ナビショベル』は有効ですよね。加えて、レーザースキャナーを使ったメリットもありました。現況と設計と合わせてみたところ、当初予定していた線形では施工が難しいことが分かり、発注元と協議して線形を変えてもらいました。まさに“見える化”の恩恵です。
ちなみに、この現場は側溝まで3次元設計データを作って施工していますが、作ったのは現場の経験が無い職員なんですよ。

髙松様: 『杭ナビショベル』は河床掘削に使っています。川の中の作業ですから、目視では目的の高さが分からないので、タブレット画面を見ながら作業できるのは良いですね。
さらに、この現場では『杭ナビショベル』の連続測定機能を使ってヒートマップを作成、出来形管理を行うといった新しい取り組みを試しています。
従来の河床掘削の出来形管理は、掘削中に何度も作業を止めボートで川の中に入り、標尺を立ててレベルで高さを測っていました。この方法なら、それをしなくても良いので作業時間は短縮できますし、楽にもなりました。作業効率は、相当上がっています。

~ お二方のインタビューへ戻ります。~

最後に、ICT活用について御社の展望をお聞かせください。

髙松様: ICT活用により、外業も内業も仕事の質が変化しました。ですから、建設業界が求める、そして活躍できる人物像は今までのイメージと大きく変わって来たように感じます。新しい技術に関心がある若者には、もっとワクワクして欲しい。そんな思いから、周りの現場で作業している若手へ『杭ナビショベル』を紹介したりしています。
ICTの力で、建設業を盛り上げたいですね。

村田社長: 地域のインフラ整備や、年を追うごとに甚大化している自然災害に対する地域防災能力の維持を担うのは、地場の建設業者です。ICT活用に取り組んでみて、思った以上に小規模工事でも有効であることが実感できました。ICT導入にお悩みの方は、何でもご相談いただければと思います。当社の経験を地域の発展に活かしたいですね。

インタビュー対象者

代表取締役

村田大蔵 様

ICT推進担当

髙松一彦 様

ユーザ名:株式会社大幸組

URL:https://taikou.co.jp/

使用機種:《杭ナビショベル》 3D-MG LPS ショベル X-M3x LN

3D Laser Scanner GLS-2000

3D点群処理ソフトウェア MAGNET Collage

 

取材協力:株式会社水上洋行

URL:https://mizukami-abroad.co.jp/

 

『杭ナビショベル』の詳しい情報はこちらをご覧ください。

3Dレーザースキャナー関連の詳しい情報はこちらをご覧ください。

詳しくは、トプコンのウェブサイトで。

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