徳島・大竹組のi-Constructionの取り組みを直撃取材
2017年6月19日

3次元データの活用が著しく業務を変えた

i-Constructionへの取り組みでさらに成長する老舗の建設会社

徳島県牟岐町の株式会社大竹組様。創立以来ほぼ100年に渡り建設事業を通じて地域の発展に貢献、近年では防災活動にも率先して取り組む地場大手の建設会社だ。若手も女性も最新機種を使いこなし活躍している同社が、i-Constructionの対応に向け3DレーザースキャナーGLS-2000ほかマシンガイダンスシステム3D-MG GNSSショベル 3Dxiなどを導入されたとのことで、お話を伺った。

神戸トレーニングセンタで最新機器を体感。

LN-100

「もともと最新機器への投資は積極的に行ってきましたが、レイアウトナビゲーターLN-100の導入がきっかけで、現場の効率化が加速しました」とお話いただくのは、同社常務取締役の山西公彦(やまにしきみひこ)様。LN-100を使った若手社員が、いとも簡単にキビキビと丁張りを設置している姿を見て、最新機器の導入が作業時間の短縮やコスト削減に繋がることを改めて実感したのだという。それは折しも国土交通省によるi-Constrution推進の発表時期と重なった。「土工現場の効率化を目指すi-Constructionは、まさに我々の目指す姿と重なったのです。そこで、3次元での設計や計測、ICT建機などの知見を広めたくて、社員15名を連れてトプコンの神戸トレーニングセンタで研修を受けさせていただきました。その中で、特に現場の3次元データを簡単に短時間で取得できるGLS-2000に感銘を受けたのです。3Dxiについても同様で、導入することで施工の効率化が図れることが良く理解できました」。神戸トレーニングセンタでの体験が、同社のi-Constructionへの取組みを後押ししただけでなく、機器の導入への強い動機付けとなったのである。

測量作業をガラリと変えたGLS-2000。

早速同社では、i-Construction仕様で施工を取り組まれた。GLS-2000について、実際に現場で使われているお二方へ伺った。同社工事主任の橋本美春(はしもとみはる)様は「横断のピッチを1mでも50cmでも設定できます。短時間で測れて、さらに細かくピッチを設定できるなんて、今までの方法では考えられないこと。本当にすごいと感じました」と計測結果に感心。入社2年目だという中岡利憲(なかおかとしのり)様は「最初は操作に多少の戸惑いはありましたが、慣れてしまえば簡単です。特に器械設置はトータルステーションと同じなので、計測作業は1~2日で覚えてしまいました」と使い勝手に好感触を抱いている。そしてお二方とも言われることが「GLS-2000は観測方法が簡単なところが良いです。やはり我々にとって、慣れているトータルステーションと使い勝手があまり変わらないので、取っ付きやすいレーザースキャナーです」 更に山西常務は、3次元データの処理について今後も勉強を続ける必要があると感じながらも「3次元での設計は、2次元より鮮明にイメージが湧きます。そしてGLS-2000は簡単に現況を3次元化できるので、土量計算や地山との交点の位置出し計算が楽になりました。それに3次元の見える化で、社内外の打ち合わせがスムーズになったことも魅力ですね」

作業効率も安全性も向上させた3Dxi。

3Dxiを搭載したショベル

3Dxiでは、GLS-2000で取得した3次元データを使って設計したパイロット道路を施工したという。使い始めた瞬間から施工が大きく変わったことを感じ取れたとのこと。山西常務は続ける。「完成断面と暫定断面の確認をしながら施工ができますから、切り過ぎたりすることがありません。完成断面を傷つけなくて良いですね。オペレーターから手元確認の依頼も減りましたし、作業効率はずいぶん上がりました。確認のためにショベルへ近づくことも減ったことで、安全性の面からも導入して本当に良かったと感じています」

ユニークな育成方法と自社所有へのこだわり。

GT/HiPer V活用

同社は、ほかにも自動追尾トータルステーションGTや2周波GNSS受信機HiPer Vなど設備投資を続け、しかもこれら全てを、全社員が使いこなしている。秘密はユニークな育成方法にあるようだ。一般的に考えると、作業が1から10あったとして1から積みかさねて順番に教えるのが普通であろう。「我々は違う。10から教えます。例えば道路工事の場合、路線の完成形を覚えてもらうことから始め”どんな施工が必要か、それにはどんな点を落とすのか、設計するための測量は?”など本人に考えさせながら教えています。その方が知識を吸収しやすいと思いますし、実践するにあたっては、最新機器の方が覚えやすいのではないでしょうか」と山西常務は説明する。「それには自社で所有してこそ」とも。「教えるには、我々が率先して使いこなさなくてはいけません。ICT建機などはレンタルする方法もありますが、自社で所有していればいつだって使えます。またこれら最新機器はi-Constructionだけではなく、どんな現場でも有効ですから」

魅力的な職場作りに向けて。

橋本様、中岡様

最後に山西常務は「最新機器を積極的に活用することで、若手のキャリアアップや働き甲斐のある職場環境作りに役立っていると感じています。ベテラン社員はより高度な業務へ就くことができ会社全体としての労務改善にもなり、ひいては会社イメージの向上に繋がっていくと確信しています」
歴史に驕ることなく、常に新しい技術や知識を身につけようとする同社の姿勢。 事実、ベテランから若手、女性社員に至るまで全員明るく活気に満ちていたことが強く印象に残った。

常務取締役 山西公彦様
常務取締役 山西公彦 様

工事主任 橋本美春様
工事主任 橋本美春 様

中岡利憲様
中岡利憲 様

詳しくは、トプコンのウェブサイトで。

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