【動画付き】現場作業員を7割削減!ニューヨークで世界一高いモジュラー建物を建設
2020年2月12日

管理人のイエイリです。

米国でも建設業界の人手不足は深刻なようです。そこで、日本と同様に生産性向上に取り組んでいます。

世界的ホテルチェーン「マリオット」は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの新技術を積極的に導入していることで知られています。

同社は2020年秋にニューヨーク市で「ACホテル・ニューヨーク・ノマッド」を開業することになりました。

2020年秋に開業予定の「ACホテル・ニューヨーク・ノマッド」(Design and photo credit: Danny Forster & Architecture)

2020年秋に開業予定の「ACホテル・ニューヨーク・ノマッド」(Design and photo credit: Danny Forster & Architecture)

26階建て、168室からなるこのホテルは、工期短縮とコスト削減を実現するため、各部屋を

ナ、ナ、ナ、ナント、

工場で製作

し、現場で部屋ごと積み上げる「モジュラー・コンストラクション」という手法で建設されているのです。(マリオットの英文プレスリリースはこちら

設計はダニーフォースター&アーキテクチャ社(Danny Forster & Architecture)が担当しました。

ホテルの客室。意匠、構造、設備を含めて丸ごと工場で製作された(Design and photo credit: Danny Forster & Architecture)

ホテルの客室。意匠、構造、設備を含めて丸ごと工場で製作された(Design and photo credit: Danny Forster & Architecture)

では、いったい、どんな手順で建設されたのだろうと思ったら、YouTubeに「The B1M」が「The World’s Tallest Modular Hotel」という動画を公開していましたので、その内容をご紹介しましょう。

YouTubeで公開されている動画。ちょうど22万2222回のキリ番ゲットでした

YouTubeで公開されている動画。ちょうど22万2222回のキリ番ゲットでした

YouTubeに公開されている「The World’s Tallest Modular Hotel」(Movie:B1M)

現場に積み上げてどんどん建設していくわけですので、もちろん、設計はBIMで干渉などを完璧に解決しておくようです。そして建物をモジュールに分割します。

設計はもちろんBIMで(以下の資料:B1M)

設計はもちろんBIMで(以下の資料:B1M)

建物の各部屋はモジュールに分割されている

建物の各部屋はモジュールに分割されている

8個のモジュールでワンフロアが完成するようになっていますが、各階は「回転対称」になっており少ない種類のモジュールで建設されます。また、建物下部のロビー階や、エレベーターや階段などの「コア」部分は、在来工法で建設されるようです。

各階のレイアウト。回転対称になっている

各階のレイアウト。回転対称になっている

そして工場で製作されるモジュールには、外装材や内装材のほかバス・トイレなどの設備もあらかじめ取り付けられています。

工場でのモジュール製作作業

工場でのモジュール製作作業

モジュール内部の完成イメージ

モジュール内部の完成イメージ

工場内に並んだ客室のモジュール。天候に左右されず、高品質で製作されている

工場内に並んだ客室のモジュール。天候に左右されず、高品質で製作されている

ところで、この工場はどこにあるのかというと、

東欧のポーランド

にあるのです。

完成したモジュールは船に積み込まれて、はるばるニューヨークまで航海してくるのだそうです。

建物のモジュールはナント、ポーランドの工場で作られ、ニューヨークまで運ばれてくる

建物のモジュールはナント、ポーランドの工場で作られ、ニューヨークまで運ばれてくる

ニューヨークの建設現場

ニューヨークの建設現場

モジュラー・コンストラクションを使ったことで、現場での積み上げ作業はわずか90日間で終了したそうです。また、建設コストは在来工法の7割に減り、そして現場の作業員も7割削減することが可能になったとのこと。

そしてマリオットは今後、5年間に建設するホテルの25%を、モジュラー・コンストラクションによって建てるそうです。

いよいよ、建築の工業化が本格化してきましたね。

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