管理人のイエイリです。
米国でも建設業界の人手不足は深刻なようです。そこで、日本と同様に生産性向上に取り組んでいます。
世界的ホテルチェーン「マリオット」は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの新技術を積極的に導入していることで知られています。
同社は2020年秋にニューヨーク市で「ACホテル・ニューヨーク・ノマッド」を開業することになりました。
26階建て、168室からなるこのホテルは、工期短縮とコスト削減を実現するため、各部屋を
ナ、ナ、ナ、ナント、
工場で製作
し、現場で部屋ごと積み上げる「モジュラー・コンストラクション」という手法で建設されているのです。(マリオットの英文プレスリリースはこちら)
設計はダニーフォースター&アーキテクチャ社(Danny Forster & Architecture)が担当しました。
では、いったい、どんな手順で建設されたのだろうと思ったら、YouTubeに「The B1M」が「The World’s Tallest Modular Hotel」という動画を公開していましたので、その内容をご紹介しましょう。
YouTubeに公開されている「The World’s Tallest Modular Hotel」(Movie:B1M)
現場に積み上げてどんどん建設していくわけですので、もちろん、設計はBIMで干渉などを完璧に解決しておくようです。そして建物をモジュールに分割します。
8個のモジュールでワンフロアが完成するようになっていますが、各階は「回転対称」になっており少ない種類のモジュールで建設されます。また、建物下部のロビー階や、エレベーターや階段などの「コア」部分は、在来工法で建設されるようです。
そして工場で製作されるモジュールには、外装材や内装材のほかバス・トイレなどの設備もあらかじめ取り付けられています。
ところで、この工場はどこにあるのかというと、
東欧のポーランド
にあるのです。
完成したモジュールは船に積み込まれて、はるばるニューヨークまで航海してくるのだそうです。
モジュラー・コンストラクションを使ったことで、現場での積み上げ作業はわずか90日間で終了したそうです。また、建設コストは在来工法の7割に減り、そして現場の作業員も7割削減することが可能になったとのこと。
そしてマリオットは今後、5年間に建設するホテルの25%を、モジュラー・コンストラクションによって建てるそうです。
いよいよ、建築の工業化が本格化してきましたね。