ArchiCAD BIM事例レポート 三浦設計
2014年7月7日

ArchiCAD BIM事例レポート 三浦設計

三浦設計

“設計ツールとしてのArchiCAD”を核に進む小規模事務所ならではの設計イノベーション

夕日の美しさで知られる日本最西端の町、長崎市野母町。この町に拠点を置く三浦設計は、一級建築士 三浦豪介氏が主宰する個人設計事務所である。野母を愛しこの土地にこだわる三浦氏は個人住宅の設計を得意とし、施主の思いに的確に応えながら土地の気候風土を巧みに生かした家づくりで知られている。そんな同氏のクリエイティブワークを幅広くサポートしているのがArchiCADだ。小規模事務所にとってそれは最強のツールだ、と断言する三浦氏にArchiCADの活用法について伺った。

3次元そのものがアドバンテージ

三浦豪介 氏

三浦設計 代表 三浦豪介 氏

「事務所がある野母町は、実は台風のメッカ。昔ほどではありませんが、今でもしばしば大きな台風がやってきます」。当然、家づくりでもこの台風対策がきわめて重要視される。木造からS造、RC造まで建築全般に幅広く対応している三浦氏も、主力は独自に研究した頑丈なRC造のローコスト・コンクリート住宅なのだ。だがもちろん、場所により台風対策も少しずつ異なってくる。たとえば長崎半島では厳重な台風対策が必須だが、台風の通路となる南西側を山に囲まれていれば木造でも対応できるのだ。同様に地形の問題も非常に重要だ。長崎は坂が多く傾斜地の土地が多い。施主から見せられて、思わず絶句するような敷地も珍しくないという。

「ですから私の家づくりは、まずそこに家が建てられるかどうか・建てられるならどういう家が可能でどういう家が必要か、詳細にシミュレーションすることから始まります。といっても競合の問題もあり、そればかりに時間はかけられません……。そこで威力を発揮するのがArchiCADなのです」。手描きしたスケッチを元に、いきなりArchiCADで3Dモデルを作り始めるのが三浦氏の基本スタイル。傾斜地のような敷地や日照に問題がある場合などは、先に土地だけを入力して、敷地の3Dモデルを作りあげてしまうことも多い。

「極端な傾斜地など3次元で見なければそもそも発想しにくいし、温熱環境を考えるには日照シミュレーション等も欠かせません。その上で基本計画を進めますが、ラフな3Dなら1~2時間でできるので、最初のプラン提案から3次元で作ってしまうのです。この段階から3Dで提案できるのは、この辺では多分うちだけでしょう」。それだけでも設計事務所として圧倒的なアドバンテージになる、と三浦氏は語る。プレゼン風景を見れば、それは一目瞭然だ。以前だったら2次元の図面で必死に説明しても設計意図を正しく伝えるのは大仕事だったが、ArchiCADを使うようになってそんなトラブルはなくなり、しかも施主の意思決定が段違いに早くなっているのである。

「イメージが的確につかめるし具体的に想像しやすいので、基本計画段階で施主が“この感じ良いです!” “もうこれで作りましょう!”となって、慌ててこちらがブレーキをかけることもあるほどです。特にBIMxやSkypeを駆使したデジタルプレゼンを行うようになって距離に関係なく提案し、より大きな安心感を提供できるようになりました」。

日照シミュレーション(右)と実景(左)日照シミュレーション(右)と実景(左)

傾斜地における設計
傾斜地における設計
傾斜地における設計計画
傾斜地における設計計画

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