
Archicadが効率化ツール
「所員一人ひとりの生産効率が高まり、売り上げにもBIM導入の効果が表れている」と語るのは、安藤設計(宇都宮市)の安藤篤史社長だ。社として基本設計へのBIM導入を位置付けた2018年を境に「成長路線を歩み始めた」と手応えを口にする。今年4月には、愛用するグラフィソフトのBIMソフト『Archicad』を設計担当全員にライセンス付与する体制を確立し、BIM活用の新たなステージに向けて力強い一歩を踏み出した。
BIM導入のきっかけは14年にさかのぼる。当時は、加盟する栃木県建築士事務所協会が「マロニエ学生BIM設計コンペ」を開催したタイミングでもあり、会員間でもBIMが大きな話題になっていた。試しにArchicadを5ライセンス導入したことが出発点となったが、安藤崇之常務は「導入から2、3年は足踏み状態が続いた」と振り返る。
潮目が変わったのは、16年4月に入社した中岡進太郎主任の存在だった。宇都宮大大学院生の時に設計部のアルバイトとして働いていた上、マロニエコンペの優秀賞受賞者でもあった。安藤社長は「彼にBIMの普及を先導してもらいたい」と、入社1年目から推進役としてArchicadの使い方を社内に伝授する役割を位置付けてきた。
中岡主任は「最初はBIMの先生役として先輩に教えることに戸惑いもあったが、当社の伝統でもあるフラットな雰囲気もあり、前向きに取り組むことができた」と振り返る。BIM担当役員を担う安藤常務が「社内で孤立しないような環境をつくるように心掛けてきた」ことも後押しとなった。各設計担当はパースづくりから学び、段階的に一般図まで仕上げる流れでArchicadの操作スキルを向上してきた。
社として基本設計段階のBIM導入を明確に位置付けたのは18年4月からだ。推進役の中岡主任も設計者としての実力を付けてきており、設計担当として実案件を手掛けるようになったタイミングでもあった。安藤社長は「社内のBIMに対する意識は導入当初と比べて大きく変わり、BIMの良さを皆が理解し、効果的に業務で使うようになった」と実感していた。
現在の組織は23人体制。設計部門は室長2人を除く設計担当16人すべてがArchicadを使いこなす。安藤常務は「中岡のように実施設計レベルまでBIMで手掛ける実力者は5人ほど育っている。残りは詳細図の部分でまだ2次元を使ってはいるが、いずれは若手を中心に実施設計まで取り組む担当が増えてくる」と手応えをつかんでいる。








