第5回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード、ノミネート作品発表
2018年10月23日

  第4回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード ノミネート作品

審査員の方々による厳正な審査の結果、合計9作品をノミネートいたしました。

 海岸堤防の耐震照査検討
-液状化判定と構造物の地震時変形解析-
コスモコンサルタンツ株式会社
使用プログラム : 2次元弾塑性地盤解析(GeoFEAS) 2D
九州南部における海岸堤防の地震時の検討を行った。地盤の液状化の判定を行い、L1地震時の構造物の安定および静的照査法による変形量の推定および耐震性能の評価を実施した。その結果、液状化時の変形量としては許容値内として安定性を評価した。
 鋼床版箱桁橋分岐部における局部応力解析
-プレート/シェル要素を用いたFEMモデルによる立体解析-
株式会社片平新日本技研
使用プログラム : FEMLEEG
解析対象の橋梁は先に、フレームによる動的解析を実施している。しかし、中間支点上で分岐する特殊な構造のため、分岐部には応力の集中が予想された。ここに多大な損傷を受けた場合、復旧に相当時間を要し緊急車両の通行へも影響を与える。そのため、プレート/シェル要素を用いた立体解析モデルを作成し、より詳細な解析を実施する事とした。
 L2地震時におけるPCスノーシェッドの耐震性能照査
-大規模地震時にも耐えうるスノーシェッドを目指して-
日本サミコン株式会社
使用プログラム : Engineer’s Studio®
大規模な積雪や雪崩から道路や鉄道を守るもっとも効果的な工法がスノーシェッドである。これまでスノーシェッドの耐震設計はレベル1地震動に対して震度法で行っていたが、諸基準の改定によりレベル2地震動に対する設計の必要性が高まっていることから、条件の厳しくなる横断方向を対象に非線形時刻歴応答解析(動的解析)による耐震性能照査を行い、レベル2地震時においても安全であることを確認した。
 増し杭のレベル2地震動および津波荷重作用時の耐震性能照査
-防潮提の増し杭基礎に対するフレーム解析-
株式会社マリンサポートエンジニアリング
使用プログラム : Engineer’s Studio®
既設防潮堤の基礎(鋼管杭φ1000)において、支持力の不足により増し杭(場所打杭φ1000)を行った。 増し杭により底版長を長くすると、既設底版厚を増し厚出来ないことから、底版を剛体と見なせないため、底版の剛性を考慮したフレーム解析による照査が必要であった。 検討段階において、底版を剛体としたモデルで検討を行い、採用案に対して基礎の照査結果が厳しいケースであるレベル2地震動および津波荷重時における照査をEngineer’s                   Studio®により実施した。
 CFD解析を用いた伝統的な建築手法のシミュレーション
-「二つ家」をモデルにした住宅の外部風速解析-
鹿児島大学
使用プログラム : DesignBuilder
鹿児島市に実際に建設される住宅を対象とし、CFD解析を用いたシミュレーションを行う。この住宅は南九州地方に多く分布した「二つ家」をモデルに設計された。二つ家をモデルにした住宅とその周辺を吹く風に着目し、テクノロジーが未発達の時代に培われた知恵や経験を元に地域の風土に根ざした伝統的な民家が、現代のシミュレーション技術を用いて、どれほど有効であったかについて検証、分析を行う。
 鋼製取水塔の耐震検討
-鋼製塔体と円形多段式扉体の地震時の相互作用の表現-
応用技術株式会社
使用プログラム : Engineer’s Studio®
円形多段式扉体は、主にダムでの取水に採用されるゲート形式であり、ダム水位等に応じて伸縮する扉体構造のため、最上部に設けられる呑口から安定した連続取水が可能である。また、扉体が周囲を取り囲む塔体部とは分離した構造であり、吊下げロープとガイドローラーを介した扉体と塔体の挙動は複雑である。 本検討では、吊下げロープにケーブル要素を、ガイドローラーに非線形バネ要素を用いてモデル化し、扉体と塔体の相互作用を考慮した時刻歴応答解析により、耐震検討を行った。
 レベル2地震時に対する既設橋基礎の損傷度評価
-変位急増点に着目したプッシュオーバー解析による既設基礎の評価法-
株式会社若鈴
使用プログラム : 橋脚の設計・3D配筋、基礎の設計・3D配筋
道路橋示方書(平成24年3月)では基礎の降伏について「全ての杭において杭体が塑性化する」または「一列の杭頭反力が押込み支持力の上限値に達する」のいずれかの状態を目安としている。しかし、これらの状態は実際の上部工慣性力作用位置での変位急増点と必ずしも一致するものではなく、場合によっては前述の状態以降も十分は水平耐力を有する場合もある。 よって、基礎杭について0.01刻みで水平震度を漸増させるプッシュオーバー解析を行い、各モデル毎の変位急増点から基礎の降伏水平震度(khyF)を決定して既設橋脚基礎の塑性率を算出するものである。
 材料の損傷に基づく下水道施設の耐震性能評価
-地下構造物の合理的なせん断耐力評価手法の提案-
ナレッジフュージョン株式会社
使用プログラム : WCOMD Studio
本作品は、要素寸法や材料の力学モデルに依存しない損傷指標を用いて、下水道施設における地下構造物の合理的なせん断耐力評価手法を提案するものである。地下構造物であるボックスカルバートの静的載荷実験を基に損傷指標の適用性を検討した上で、下水道施設の地下壁を対象にせん断耐力の評価を試みた。その結果、従来のせん断耐力式による評価よりも合理的に評価できることを示した。
 劣化度判定結果を活用した残存耐力評価手法の実桟橋への適用
-載荷実験および一般定期点検診断結果を用いた新しい耐力評価手法の提案-
五洋建設株式会社 技術研究所
使用プログラム : Engineer’s Studio®
桟橋は港湾構造物の中でも特に塩害に対して厳しい環境に置かれており、より適切な維持管理を行っていかなければならないが、劣化した桟橋の残存耐力や耐震性能に関する研究は少ない。また桟橋の残存耐力を評価する際には通常は詳細定期点検診断が必要であり多大なコストや時間を要するため、特に民間事業者においては比較的簡易な耐力評価法が求められている。そこで本研究では、各劣化度に応じた試験体の載荷実験を行うことで各劣化度と部材の残存耐力の関係性を明らかにし、その結果を汎用の構造解析ソフトに導入する簡易な残存耐力評価手法を提案する。

 

フォーラムエイト東京本社セミナールームにて
ノミネート作品審査会を実施。
審査員
左から、若井明彦 氏、吉川弘道 氏(審査委員長)、守田優 氏

詳しくは、フォーラムエイトのウェブサイトで。

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