ノミネート作品
審査員の方々による厳正な審査の結果、合計8作品をノミネートいたしました。
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有限会社エフテック
土木施設と建築施設を一体化した耐震性能照査
-動的解析による地震時挙動の再現-使用プログラム:Engineer’s Studio®地下の大型貯水槽、地上の多層階の建築施設(上屋)が一体となった大規模な排水機場においては、これまで土木施設、建築施設として別々に耐震性能照査を実施してきた。しかし、構造上も機能上の1つの施設であるにもかかわらず、異なる準拠基準、異なる解析手法、異なる評価指標で照査を行うことに矛盾を感じるとともに、地震時の実際の挙動、被害発生の過程が十分に再現されておらず、対策の方法、規模についても最適化が図れていないのではないかという疑問を持ってきた。そこで、地下土木施設と地上建築施設を一体化した解析モデルを構築し、外力として実際の地震動波形を与える動的解析で、大規模な排水機場の耐震性能を照査する手法を提案した。
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ナレッジフュージョン株式会社
非線形構造解析プログラムによるRCはり部材の耐力検討
-土木・建築の枠を超えて-使用プログラム:Engineer’s Studio®、WCOMD Studio本検討では、最も基本的な部材であるRCはりを対象に、曲げ破壊型・せん断破壊型それぞれの実験結果に基づいた非線形解析を実施し、土木基準・建築基準それぞれの耐力と比較した上で、土木・建築にとらわれない材料損傷に基づく耐力評価を試みた。その結果、曲げ破壊型・せん断破壊型ともに解析結果は実験結果の現象の特徴を良く捉えており、材料損傷を用いて評価することで、土木・建築の枠を超えた合理的な耐力評価ができる可能性を示した。
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株式会社オービット
PC斜材付きπ型ラーメン橋のレベル2地震時耐震検討
-旧基準による設計に対する現行基準による再評価-使用プログラム:Engineer’s Studio®本橋梁は、PC斜材付きπ型ラーメンの新設跨道橋であり、平成14年道路橋⽰⽅書に準拠し設計が完了しているが、平成29年道路橋⽰⽅書で照査した場合、常時及びレベル1地震時設計は制限値を満足するが、レベル2地震時設計においては、制限値を満足できないことが判明した。ここでは、時刻歴応答解析を実施し、平成29年道路橋⽰⽅書・同解説Ⅴ(耐震設計編)に準じた耐震性能を確保する検討を⾏っている。
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株式会社シードコンサルタント
新設5径間連続鋼ペデストリアンデッキ歩道橋の3次元動的非線形解析-限られた境界条件下でのコンパクトな構造検討-
使用プログラム:Engineer’s Studio®本業務は、有名な観光商業施設に向かう人流の回遊性向上と活性化を目的に計画された鋼ペデストリアンデッキ歩道橋の予備設計である。都心部に位置し、近接する建築物もある現況歩道幅内での施工となるなど、施工範囲条件が限られることから、コンパクトな形状設計が要求された。そこで、検討上のコントロールポイントを整理し、それらの条件を満たす上・下部構造寸法を決定して、3次元動的非線形解析を行い部材と基礎の検討を行った。
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富士コンサルタンツ株式会社
橋脚躯体と深礎基礎のモデル化による単柱動的解析
-ランガー橋橋脚のL1、L2地震時の耐荷力照査-使用プログラム:Engineer’s Studio®下路式ランガー橋+合成床版桁の2径間橋梁の耐震補強設計である。全体を3次元モデル化し、動的解析を行った。非線形要素である橋脚については道路橋示方書・同解説Ⅴ.耐震設計編で規定された照査項目を検討するため、別途単柱動的解析を実施した。単柱動的解析では、残存していた竣工図書の地盤データを使用し、深礎基礎までモデル化した。
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九州電力株式会社
地盤の応答震度法
-導水トンネル1断面応答震度法-使用プログラム:Geo Engineer’s Studio本解析対象は、導水路の地震時における覆工部の断面力を算定した。解析モデルとしては、2通りを想定した。一つは空洞がない応答震度法による地震時慣性力による検討、もう一つはゆるみ領域が発生していることを想定して、ゆるみ土圧として地震時土圧を外力として加えた。断面照査結果では、いずれの場合でも曲げ破壊に至る結果となり、耐震補強が必要とされた。そこで、ロックボルトによる補修により、ロックボルト位置でピン結合とするモデルをすることで、断面力の発生メカニズムを変更して、曲げモーメントが1/10以下に減少する工法を提案した。既設トンネルで補強工法が限られている中、有効な補修工法である。
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株式会社三協技術
パイルベント橋脚のレベル2地震時耐震性能照査
-橋全体系での耐震性の検討-使用プログラム:Engineer’s Studio®パイルベント橋脚は、鋼管またはコンクリート製の杭を支持地盤まで打ち込み、杭をそのまま所定の高さまで立ち上げ、杭頭部を鉄筋コンクリート構造で連結して橋脚とする構造である。経済性や施工性に優れており、1960年から1970年頃にかけて数多く建設された。以降、治水上の問題により廃止となり、現在の設計荷重に対して耐震性が乏しく、耐力が不足することが多いことが確認されている。既設橋脚の耐震性を向上させるために、各種の補強が検討されており、本件においてもパイルベント橋脚に対して、レベル2地震動に対する耐震性能照査を実施した。
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株式会社新日本コンサルタント
既設鋼管アーチ水管橋の耐震検討
-鋼アーチ部材の損傷確認と脚の非線形耐震性能照査-使用プログラム:Engineer’s Studio®本業務は水道施設耐震工法指針に準じて、橋長59mのランガー補剛形式の水管橋の耐震診断調査を実施したものである。耐震補強基本設計では、非線形動的解析にて耐震性を照査し、耐力が不足する箇所ついて補強工法の比較検討を行った。比較検討の結果、橋脚の補強について、可動側は背面側の増厚工法、固定側は炭素繊維巻立ておよびフーチング増し厚工法を採用した。仮設工法としては、河川阻害率等の河川条件を整理して締切り工法を採用した。耐震診断調査では、管厚測定、中性化試験、圧縮強度試験等の詳細調査を実施し、耐震性照査を実施して補強工法を提案した。
ノミネート作品審査会の様子
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フォーラムエイト東京本社セミナールームにて
ノミネート作品審査会を実施 -
ノミネート作品審査中の様子
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審査員 左から吉川弘道氏(審査委員長)、守田優氏、若井明彦氏
概要
開催スケジュール
- 作品応募締め切り
- 2021年10月15日(金)
- ノミネート作品審査会
- 2021年10月26日(火)
フォーラムエイト東京本社
- 受賞作品本審査会
- 2021年11月16日(火)
フォーラムエイト東京本社
- 各賞発表と表彰式
- 2021年11月19日(金)
品川インターシティホールFORUM8デザインフェスティバル2021
第8回ナショナル・レジリエンス・デザインアワード 各賞発表と表彰式
審査員
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審査委員長吉川 弘道 氏
東京都市大学 名誉教授
早稲田大学理工学部卒業、技術士(建設部門)、工学博士。専門は耐震設計、地震リスク、鉄筋コンクリート。土木学会論文賞、土木学会吉田賞他受賞。著書に『都市の地震防災』など7冊を上梓。
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守田 優 氏
芝浦工業大学 名誉教授
芝浦工業大学名誉教授。専門は都市水文学、地下水水文学、洪水リスクマネジメント。著書に『地下水は語る-見えない資源の危機』(岩波新書)。
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若井 明彦 氏
群馬大学大学院 理工学府 教授
群馬大学大学院環境創生理工学科教授。専門は地盤防災、地盤と構造物との相互作用等。コンピュータによる現象予測、極端気象時/巨大地震時のメカニズム解明と減災対策等の研究に取り組む。
詳しくは、フォーラムエイトのウェブサイトで。