第10回 NaRDA ナショナル・レジリエンス・デザインアワードのノミネート作品を発表、10作品を選出しました。
ノミネート作品
審査員の方々による厳正な審査の結果、合計10作品をノミネートいたしました。
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株式会社土木技研
跨線橋近接施工影響検討
-既設橋脚補強に伴うライナープレート掘削工事-使用プログラム:弾塑性地盤解析(GeoFEAS) 2D鉄道路線をまたぐ跨線橋の橋脚2基を補強工事する際に、ライナープレートを用いた橋脚まわりの掘削を計画している。本検討ではP2橋脚を対象に、掘削とライナープレート設置の掘削工事について、FEM解析を用いてマルチステージ解析を実施し変形量を求めた。その結果をもとに鉄道の軌道変位および既存の橋台への影響を検討した。本報告は、FEMによる変形解析結果を取りまとめたものである。
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ナレッジフュージョン株式会社
既設農業水利施設のレベル2地震動に対する耐震補強提案
-近年の激甚災害報告を受けて-使用プログラム:Engineer’s Studio®農業用水のための水利施設は、ポンプ設備、樋門、樋管などの構成要素によって、耐震性能照査に用いる地震動レベルが異なる。近年、南海トラフ地震や首都直下地震の切迫性が指摘されるなか、技術基準どおりレベル1地震動で照査して耐震安全性が確認されたとしても、将来起こるかも知れない大規模地震に対し、予め対策を講じておくことは重要である。そこで、レベル1地震動で設計された既設農業水利施設の水門に対し、レベル2地震動に対する耐震性能照査を行った。その結果、モデル化や照査方法を工夫することにより、合理的な耐震補強案を提案できた。
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株式会社片平新日本技研
同一支点上で異なる支点条件となる拡幅一体橋の応力解析
-ソリッド/シェル要素を用いたFEMモデルによる立体解析-使用プログラム:FEMLEEG本橋は本線橋(既設橋)の両サイドを中間支点(Cランプ側:P3橋脚、Dランプ側:P4橋脚)まで一体化して拡幅する橋梁である。拡幅一体後のP3、P4橋脚は既設桁が連続桁の中間支点、ランプ拡幅桁が端支点となり、同一支点上で異なる支点条件となる。既設桁とランプ拡幅桁でたわみの性状が異なるため、その影響が接続部のRC床版や横桁へのねじり変形として影響することが懸念されることから、FEM解析においてその影響を検証した。
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株式会社溝田設計事務所
小規模河川の浸水氾濫解析
-浸水氾濫シミュレーションを用いた水害リスク評価-使用プログラム:xpswmm近年の豪雨被害は大きな河川に限らず小規模河川においても氾濫被害が多数発生しており、小規模河川に対しては水害リスクが十分に把握されておらず情報が空白のため、ハザードマップとして誤解を与える恐れがあることが課題となっている。これに対し、膨大な数の小規模河川を対象に、氾濫形態が特定の形態の場合においては比較的簡易な手法により水害リスクを評価する手法も提示されているが、氾濫形態が対象から外れる場合は他の氾濫解析手法を適用する必要がある。本検討では小規模河川に対し、現況と改修計画後の河川断面に対し、浸水氾濫シミュレーションを用いて水害リスクについて評価を実施した。
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NTCコンサルタンツ株式会社
全面開口を有する水槽構造物の解析手法の比較検証
-従来手法と新手法の適用性の再確認-使用プログラム:Engineer’s Studio®本施設は鉄筋コンクリート製の排水機場の吸水槽である。既設の構造物であることから、特徴として、全体的には3次元の箱型構造であるが、側面一面が吞口になり完全に開口となっている点がある。このような箱型構造の設計は従来では2次元輪切りモデルで行われていたが、流水方向加振時の設計においては開口があるため頂版、底版が片持ち梁となってしまい、実構造との乖離が大きい可能性があった。また前後の壁を考慮できる壁エレメント置換の適用性にも疑問がある。そこで今回は過年度行われた2次元輪切りモデルでの解析に加え、3次元モデルでの解析も実施し、両者の結果を比較することで改めて補強が必要な箇所を精査した。
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株式会社日進技研
既設鋼補剛吊橋の耐震補強検討
-補強が難しい構造への精緻な解析モデルによる挑戦-使用プログラム:Engineer’s Studio®本橋は、昭和30年代に架橋された、鋼トラス桁を有する吊橋である。山間部の集落間を連絡する道路上に位置することから、レベル2地震時に耐震性能2を満足する必要があるが、設計年代が古いことから、現況解析では大幅に損傷が生じる結果となり、補強が必要となった。補強についても、橋梁の構造形式が古く支承の交換やダンパー設置は困難である、山間部の渓谷上にあり、用地確保が困難などの条件下において、最適となる案を検討した。解析モデルについては、主塔、トラス、床組、ケーブルの各部材を精密にモデル化し、L2動的非線形解析と、活荷重影響線解析を実施した。
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株式会社千代田コンサルタント
上路式鋼4径間連続トラス橋の耐震補強設計
-最適な補強方法を見つけるためのパラメトリック解析-使用プログラム:Engineer’s Studio®本橋は、上路式の鋼4径間連続トラス橋である。端支点は両側とも橋台で支持され、中間支点は中空断面を持った高さ40mを超えるRCフレキシブル橋脚で支持されている。40mを超える高橋脚によって揺れやすい構造となっており、さらに橋脚上にはヒンジ支承が設置されていることから、現況照査において上部工鋼部材に多くの降伏部材が発生する結果となった。さらに橋脚についても一部にせん断耐力を超過する箇所が発生することを確認した。そこで、降伏部材に対し鋼板を貼り付ける当て板補強、座屈拘束ブレースを用いた制震補強、支承を免震支承に交換する免震補強など様々な補強案を用意し、最適な補強方法を見つけるためのパラメトリック解析を実施し、結果を比較した。
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熊本県玉名市
3D都市モデルを活用した氾濫シミュレーション
-動くハザードマップを利用した災害リスクの可視化-使用プログラム:UC-win/Road、xpswmm近年、⾃然災害が激甚化・頻発化・広域化する中で、災害リスクを把握し、事前に社会全体で災害に備える必要性が⾼まっている。プロジェクトPLATEAUにおいて日本全国の3D都市モデルの整備・活用が進められている中、災害に関するさまざまな情報を3D都市モデルに重ね合わせ、災害リスクを三次元かつ時系列で可視化すること等により、災害リスクをわかりやすく直感的に理解でき、住⺠等の防災意識の向上や避難計画の⽴案に繋げることができる。そこで3次元VR空間上に3D都市モデル(CityGML)を取り込み玉名市のデジタルツインを構築した上で、3D都市モデルをベースとした氾濫シミュレーションを行い、その結果を3DVR空間上でリアルタイムに再現することにより、災害リスクをわかりやすく可視化し、防災計画や避難路設定への活用を図る。
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鹿島建設株式会社
新名神高速道路 天神川橋の設計
-RC7径間連続二層アーチ橋の構造成立性を確保するために-使用プログラム:Engineer’s Studio®、
UC-BRIDGE・3DCAD(部分係数法・H29道示対応)天神川橋(仮称)(以下、本橋という)は、新名神高速道路の大津JCT~城陽JCT区間(25km)において、滋賀県大津市を流れる一級河川天神川を跨ぐ橋長552.0mのRC7径間連続二層アーチ橋である。下層部分は開腹アーチ、上層部分は一般盛土と変わらない舗装構造が可能な充腹式アーチを採用している。本橋は高速道路橋では例を見ない構造であったことから、設計において高度な解析技術を必要とした。そこで、UC-BRIDGEとEngineer’s Studio®を採用し、解析を実施した。
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株式会社竹中工務店
3階建建造物(S+RC造)エネルギーシミュレーション
-省エネルギー化を目的としたシステム制御の検証-使用プログラム:DesignBuilder2015年に国連サミットでSDGs(Sustainable Development Goals)が採択された。SDGsを達成するために貢献できるポイントがいくつかあり、その中の一つにエネルギー効率の向上があげられる。エネルギー効率を上げた建物は、脱炭素を実現し環境に配慮した建物ということになるため、建物のエネルギーシミュレーションの重要性が増している。建物のエネルギーの最適化を図るためには、自然環境、建築条件、機械設計など様々な項目を考慮した複雑な設定が必要になり、ここでは建物エネルギーシミュレーションソフト「DesignBuilder」を使用したエネルギー消費削減に関するシミュレーションを実行した。
ノミネート作品審査会の様子
フォーラムエイト東京本社セミナールームにて
ノミネート作品審査会を実施
ノミネート作品審査中の様子
審査員 左から若井明彦氏、吉川弘道氏(審査委員長)、守田優氏