BIMの国際展開を可能にするモバイルワークステーション
久米設計の井上宏氏がHP EliteBook 8570wを徹底評価(日本HP)
2012年10月24日

20121025-image01aHP.jpg  

「海外の拠点にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の設計チームごと移動し,コラボレーションするのに最適なマシンです」―――久米設計で20年にわたり意匠設計を手がけてきた井上宏氏は,日本ヒューレット・パッカードが発売した「HP EliteBook 8570w モバイルワークステーション」を使った感想をこう語った。BIMに対応した高速な入出力と高性能グラフィックボードを搭載したこの新型マシンは,久米設計が推進する国際展開をどのようにサポートするのだろうか。

20121025-image01HP.jpg
HP EliteBook 8570w モバイルワークステーション

   BIMソフトもサクサク動き,立ち上がりも早い

 

 久米設計 設計本部建築設計部の井上宏氏が手にする日本ヒューレット・パッカードの「HP EliteBook 8570w モバイルワークステーション(以下,HP EliteBook 8570w)」には,意匠設計用BIMソフト「Revit Architecture」のほか,グラフィックデザインソフト「Illustrator」や「Photoshop」などがインストールされていた。このマシンが,BIMを使った設計業務にどの程度使えるのかをテストするためだ。井上氏の第一印象はどうだったのだろうか。

20121025-image02HP.png
HP EliteBook 8570wモバイルワークステーションの感想を語る久米設計の井上宏氏

 「大きなBIMモデルのレンダリング処理でも,設計室のデスクトップ機にも劣らないスピードで処理できます。Windowsの起動時間が早く,閉じたソフトを再起動する時のスピードも速いと思います」と,井上氏は語る。

20121025-image03HP.png
BIMソフトもサクサク動く。大きなモデルのレンダリングもスピーディーだ
 

 HP EliteBook 8570w上でBIMソフトやグラフィックデザインソフトがサクサク動くのにはいくつか秘密がある。まずはハードディスクドライブ(HDD)とソリッドステートドライブ(SSD)という2種類の記憶装置を搭載しているところだ。HDDは低価格で大量のデータを保存できるがデータの読み書きが遅い。一方,SSDは読み書きが高速だが,高価で容量が少ない。

 そこでインテルが開発した「スマート・レスポンス・テクノロジー」という技術を生かし,SSD(24GB)はデータを一時的に保存するキャッシュ用として使いながら,HDD(500GB)と連携して大容量のデータを保存できるようにした。つまりSSDとHDDの“いいとこ取り”をして大容量と高速アクセスを両立させたのだ。

 また,HP EliteBook 8570wは大容量のBIMモデルの拡大・縮小やウォークスルーなどをスムーズに行えるように,グラフィックボードには「NVIDIA® Quadro® K2000M (2GB DDR3)」を搭載している。

 「15.6インチの高解像度パネルを搭載したHP EliteBook 8570wは,出張先のホテルや空港でもBIMソフトを無理なく使えそうです。マグネシウム合金製の丈夫なボディーはスーツケースに入れて移動する時も安心で,ヘアライン仕上げの高級感あるデザインもいいですね。」と井上氏は言う。

20121025-image04HP.png
マグネシウム合金製の頑丈なボディーに施された高級感あるヘアライン仕上げ

  組織的なBIM活用と海外展開

 井上氏は入社以来,市民プラザなどの公共施設から,民間のオフィスやホテル,海外の大型複合施設などで一貫して意匠設計を手がけてきた。その一方でBIMの組織的導入でもリーダーシップを発揮している。

 同社では2008年にRevitを導入し,徐々に活用を進めてきた。2011年にはBIMにさらに積極的に取り組むため,10人のメンバーからなるBIM運用ワーキンググループを立ち上げ,井上氏をリーダーとしてBIM活用戦略を検討した。

 「BIMの活用当初は設計のビジュアライゼーションやプレゼンテーション,部材の干渉チェックなど3Dツールとしての活用が中心でした。最近は光や風のシミュレーションなど,環境建築を造るツールとしての活用が増えています」と井上氏は言う。

 これまでは設計者の自主的な利用という形でBIMを運用していたが,より組織的にBIM活用を行うため,BIM専門チームとBIM支援チームによる体制整備を始めたところだ。

20121025-image05HP.png
BIMの活用と積極的な海外展開を推進する久米設計のオフィス

 一方,久米設計は中国に「久米デザインチャイナ」,ベトナムに「久米デザインアジア」という現地法人を設立し,上海,北京,ハノイ,ホーチミンに事務所を置いて積極的な海外展開を図っている。

 「設計の初期段階では,設計者が現地に数日間滞在し,施主と打ち合わせやプレゼンを重ねながら集中的な作業で初期の計画案を固めていきますが,これまでのノートパソコンだとBIMソフトを使うには性能が不十分でした。しかし,HP EliteBook 8570wなら出張先でもBIMで業務が行えそうです」(井上氏)。

20121025-image06HP.png
HP EliteBook 8570wなら出張先でもBIMを使った業務が可能になる

  BIM設計チームを丸ごと海外に移動

 久米設計の上海やハノイの事務所などでは,インターネットやLAN環境が整っている。「出張先でパソコンを使う時は,デスクトップ型よりもノート型の方が効率的です。ソフトやデータなどをカスタマイズする必要がなく,いつでも同じ環境ですぐに使い始めることができるからです」(井上氏)。

 「HP EliteBook 8570wは大型の外部モニターも接続でき,性能もデスクトップ型にひけをとらないので,東京のオフィスではメインのマシンとして使い,出張時にはそのまま持って出かけるという使い方ができそうです」(同)。

20121025-image07HP.png
慣れた環境を世界中どこへでも持ち歩き,効率的に業務を行える安心感

 BIMソフトもスムーズに動くHP EliteBook 8570wを導入すると,海外プロジェクトの進め方も変わりそうだ。現地の施主と打ち合わせしながら設計作業を行う時は,BIMの設計チームが日ごろ使っているHP EliteBook 8570wを持って出張。現地の事務所でネットワークを組み,施主や日本にいる設計者とコラボレーションしながら効率的に業務を進められそうだ。

 意匠設計者として井上氏のモットーは「内部の活動とともに建物をつくり出す」ということだ。静岡県内にある市民プラザの設計を担当した時はこの考えに基づき,設計段階において一般市民とのワークショップを開催したり,さまざまな世代を対象としたイベントを開いたりすることで,建物のファンを増やし,オープン後も大盛況となった。そのためには施主や建物利用者とのコミュニケーションやコラボレーションが欠かせない。

 BIMのグラフィカルな表現力は言葉の壁を取り払う。その強みを生かして,海外プロジェクトでも井上氏が目指す設計理念を実現できそうだ。HP EliteBook 8570wはBIMによる国際プロジェクトの遂行を効率と質の両面でサポートするツールになりそうだ。

 

【問い合わせ】
 日本ヒューレット・パッカード株式会社
 東京都江東区大島2-2-1
 カスタマー・インフォメーションセンター
 0120-436-555 (携帯電話・PHS)03-5749-8291
 受付時間:月曜日~金曜日 9:00~19:00 土曜日 10:00~17:00
 ホームページ : http://www.hp.com/jp/directplus/
(Visited 5 times, 1 visits today)

関連記事
Translate »