複雑、大規模化する建築デザインに対応できるか
梓設計がHP Z220SFFワークステーションを徹底評価(日本HP)
2013年1月29日

最近の建築デザインは、複雑化し、規模の大型化が進む傾向にある。梓設計のような大手設計事務所がこうした傾向に対応しつつ組織力を最大限に生かしていくためには高性能なワークステーションが欠かせない。そこで梓設計情報システム部では、日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)の「HP Z220SFF(以下、Z220SFF)」ワークステーションの性能を検証した。Z220SFFの新しい建築デザインへの対応力はどうだったのか。

 

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HP Z220SFFワークステーションのレンダリング速度をチェックする梓設計情報システム部部長の柴峯一廣氏(奥)と同部主任の膳棚敬一郎氏(手前)

 

   100万円のマシンに圧倒的に差をつけたZ220SFF

「用意、スタート」―――3台のワークステーションが一斉にレンダリングを始めた。1台のマシンは2年前の最上級クラスのもの。もう1台はエントリークラスの機種、そして日本HPの新型ワークステーション「Z220SFF」だ。

レンダリングに使用した3次元モデルは、複雑な3次元形状をデザインできるソフト「ライノセラス(Rhinoceros)」に、数式によって形状を自動発生させるアルゴリズミックデザイン用フリーソフト「グラスホッパー(Grasshopper)」を組み合わせて作った複雑な立体格子形状だ。

レンダリング試験の結果、処理スピードはZ220SFFの“圧勝”だった。Z220SFFがレンダリングを終了した時、2年前の最上級マシンは半分程度が終わっただけだった。そしてエントリークラスの機種はまだ4分の1にも達していなかったのだ。

「2年前の最上級マシンは当時、100万円近くしたものですが、Z220SFFは25万円程度の仕様でも2倍位のスピードが出ました」と、梓設計情報システム部部長兼広報室長の柴峯一廣氏は驚きを隠さない。

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Z220SFF(左)がレンダリングを終えた時、2年前に約100万円した最上級マシン(右)は半分程度しか終わっていなかった。グラフィックボードは同じものを使用した
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レンダリングに使用した3次元モデルは複雑な形状だ(左)。モデル作成に使用したグラスホッパーのアルゴリズム(右)

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日本HPのZ220SFFによるレンダリングがこれだけ速かったのは、CPUが高いパフォーマンスを発揮したためだ。最新のインテル® C216 チップセットと、電力効率と高速処理を両立させたインテル® CoreTM i3 プロセッサーまたはインテル® Xeon® プロセッサーE3-1200 v2ファミリーで最大4コア8スレッドの並列処理による高速な演算処理が行える。

グラフィックボードはBIMによる設計に向いたPCI Express 2.0対応の3Dグラフィックスを選べる。

また、データ入出力が高速なSSDと大容量のHDDを搭載しているため、一度、立ち上げたソフトはSSDにキャッシュされ、高速に起動する。そして大容量データは最大容量2TBのHDDに記録する。SSDとHDDの “いいとこ取り効果”も、高速処理に寄与している。 

  複雑な曲面形状が不可欠の建築デザイン

梓設計が建築物とは一見、無関係にも思える複雑な3次元形状でレンダリングを試験した背景には、最近の建築デザインの潮流がある。

「最近の国際コンペなどでは、従来の紙図面ベースの設計手法と人間による手作業では到底作り出せない複雑な曲面デザインで勝負する例が増えてきました。これからの意匠設計の分野では、アルゴリズミックデザインなどの手法で複雑な曲面形状を作り出し、それを採り入れた建築デザインを実現することがますます求められてくるでしょう」と、柴峯氏は語る。

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アルゴリズミックデザインによる3次元形状のデザイン。組織設計事務所ではレンダリングなどの効率が組織の生産性に直結する

  パソコンからワークステーションへ

梓設計では、こうした建築デザインの潮流を踏まえ、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と並行する形で、デジタルツールを駆使し、高度な意匠性の追求を目指す取り組みを行っている。

これからの建築設計の実務では、複雑な3次元形状を何度もレンダリングしてデザインの検証を繰り返しながら、設計を進めていくような仕事が増えることになる。特に梓設計のように多くの設計者がいる組織設計事務所では、レンダリング速度やソフトの起動速度など、一つ一つの動作が迅速に行えることが、会社全体の生産性を大きく左右することにつながる。

「最近、設計する建物の規模も大型化し、設計データの容量が大きくなっています。また、BIMによる設計が増え、気流シミュレーションなどの数値解析や、3Dレーザースキャナーで計測した点群データの活用も課題となっています。そこで設計者が使うハードウエアも、パソコンからワークステーションが主流になってきました」と言うのは、梓設計情報システム部の膳棚敬一郎氏だ。

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BIMソフトによる設計の例
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3Dレーザースキャナーで計測した梓設計社屋の点群データ

「社内には約500台のマシンがあります。3年リースで1年3回、約50台ずつを入れ替えています。多くの台数を使っているため、1台当たり5万円、10万円といった価格差は機種選定にも大きく影響を与えます」(膳棚氏)。

「100万円のマシンを全設計者に配置することはとてもできませんが、25万円でこれだけの性能が発揮できれば、コスト以上の生産性が期待できるので、検討の余地が出てきそうですね」と柴峯氏が続ける。

  小型だが性能と信頼性は変わらない

10年ほど前、建築設計の現場ではパソコンの小型化がトレンドとなっていたが、BIMの普及などで高性能ワークステーションの導入が進むにつれ、再び筐体が大型化する傾向になっている。

今回、梓設計が使用した「Z220SFF」の筐体は非常にスリムで、一般的なタワー型ワークステーションに比べて体積が3分の1くらいしかない。しかし、多くのPCIスロットやPCI Expressスロットを搭載するなど拡張性にも優れ、電源変換効率 90%以上(負荷率50%時)の電源装置を採用するなど省エネにも考慮した設計になっている。

そのため、通常のオフィス用パソコンでは扱えない大規模で複雑な建築デザインデータを扱える。また、ワークステーションなのでパーツ保障、土日・祝日を含む翌日出張修理の3年間保障が標準で付いているので万一の時も安心だ。サイズは小さくなっても、性能や信頼性は変わらないのだ。

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一般的なタワー型ワークステーションに比べて約3分の1の体積(左)。三角スケールと比べてもこれだけのサイズ(右)。コンパクトになったが、ワークステーションとしての性能や信頼性、安心感には変わりがない

  多様化する建築デザインツールに対応できるZ220SFF

これからの建築デザインにはCADやBIMソフトだけでなく、アルゴリズミックデザインや解析・シミュレーションソフト、プレゼンテーションソフトなど、多種類のソフトを同時に立ち上げて作業する機会が増えてくる。

現在、梓設計の設計業務では8GBのメモリーがあれば、大体の物件に対応できているが、今後は物件の大型化やシミュレーション業務の増大も予想される。Z220SFFならメモリーを最大32GBまで拡張できるので、まだ余裕がある。

「高速な計算能力とリーズナブルな価格、そしてコンパクトな筐体と3拍子そろった日本HPのZ220SFFは、今後の建築デザインのニーズにも合っています。当社のような組織設計事務所でも安心して使え、生産性も上がりそうですね」と柴峯氏は語った。

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