今井産業が図面管理、工事写真撮影、仕上げ検査を1台のiPadに集約! クラウド施工管理システム「PRODOUGU」から始める建設DX(建設システム)
2022年6月21日

年々、激しくなる人手不足問題に対応するため、今井産業 東京支店(本社:島根県江津市)は、建設システムのクラウド型施工管理システム「PRODOUGU」(プロドウグ)を導入した。1台のiPadで、図面管理・閲覧、工事写真の撮影、配筋・仕上げ検査、そして帳票の出力までを行えるのだ。導入後、「移動のムダ」「手作業のムダ」が減少し、建設DXへの道を歩み始めた同社の2現場を取材した。

横浜市金沢区内のマンション建設現場で、PRODOUGUで図面を参照する今井産業の施工管理技術者。現場事務所まで紙図面を取りに戻ることもなくなった

横浜市金沢区内のマンション建設現場で、PRODOUGUで図面を参照する今井産業の施工管理技術者。現場事務所まで紙図面を取りに戻ることもなくなった

 3種類のアプリを1台のiPadで活用

「施工管理でよく行う工事写真の撮影や図面の参照、そして配筋検査を1台のiPadで行えるようになり、現場巡視に出掛ける時の準備や持ち物が大幅に減りました」と語るのは、横浜市金沢区内で施工中のマンション現場で作業所長を務める、今井産業の若松雅宏氏だ。

取材で訪れた横浜市金沢区内(左)と、東京都荒川区内(右)のマンション建設現場。それぞれ施工管理にPRODOUGUを導入している

取材で訪れた横浜市金沢区内(左)と、東京都荒川区内(右)のマンション建設現場。それぞれ施工管理にPRODOUGUを導入している

今井産業は2021年2月に建設システムのクラウド型施工管理システム「PRODOUGU」を導入した。

PRODOUGUとは、パソコンと iPad をクラウドでつなぎ、図面管理・閲覧や工事写真の撮影、配筋・仕上検査、そして各種帳票の出力まで行うことができる総合型の建築業向け施工管理アプリだ。

パソコンで使う「クラウドアプリ」(左)は主にデータを持ち出すための設定や帳票の出力を行い、iPadで使う「モバイルアプリ」(右)は現場での写真撮影や、検査データの入力を行う

パソコンで使う「クラウドアプリ」(左)は主にデータを持ち出すための設定や帳票の出力を行い、iPadで使う「モバイルアプリ」(右)は現場での写真撮影や、検査データの入力を行う

「施工管理のデータをクラウド化することで、大幅なペーパーレス化が実現しました。紙の図面や帳票を使っていたときは、現場事務所に戻って図面を打ち出してくることもしばしばでしたが、PRODOUGUを使い始めてからはiPadの画面でいつでも図面を見られます。職人さんにすぐに指示できるようになり、“移動のムダ”や“手待ちのムダ”が減ったことを実感しています」(若松氏)。

PRODOUGUはクラウドとパソコンやiPadをつなぎ、図面や工事写真、検査帳票などのデータを共有し、どこからでも見られるので「移動のムダ」が大幅に減る

PRODOUGUはクラウドとパソコンやiPadをつなぎ、図面や工事写真、検査帳票などのデータを共有し、どこからでも見られるので「移動のムダ」が大幅に減る

横浜市金沢区内のマンション建設現場で現場写真を撮る施工管理者

横浜市金沢区内のマンション建設現場で現場写真を撮る施工管理者

では、工事写真の撮影や図面の参照、検査業務はPRODOUGUでどのように変わったのかを見てみよう。

 PDF図面でも通り芯が生きている

PRODOUGUを導入した現場では、iPadが紙図面に取って代わった。

「以前は現場巡視の際に、分厚い図面の束を持ち歩いていましたが、今はiPadだけを持って現場に出掛け、どこでもクラウドの図面や書類を見られるようになりました」と若松氏は言う。

また西尾直翔氏は「iPad上で図面に手書きでメモ書きしたり、スタンプを押したりと、使い勝手は紙と同様です。紙だとすぐにボロボロになってしまいますが、そんな悩みもなくなりました」と説明する。

iPadに表示した図面には、メモを手書きしたり、スタンプを押したりできる

iPadに表示した図面には、メモを手書きしたり、スタンプを押したりできる

それも紙を写真のようにただスキャンしただけではない。通り芯が「生きている」のだ。

その秘密は、クラウドアプリの「通り芯設定」機能にある。PRODOUGUのサーバーにアップロードされた図面上に「X・Y」や「A・B・C」、「い・ろ・は」などの通り芯を上書きすることにより、図面上の位置を「通り芯データ」として扱えるようになるのだ。

「通り芯データが生きていることで、配筋検査や写真撮影を行う位置の指定や、検査結果と図面とのひも付けが楽に行えるようなります」と若松氏は続けた。いったい、どんな風にありがたいのか。工事写真を例に説明しよう。

クラウドアプリの「通り芯設定機能」。PDFなどの図面上で通り芯情報を生きたデータとして使えるようになる

クラウドアプリの「通り芯設定機能」。PDFなどの図面上で通り芯情報を生きたデータとして使えるようになる

 工事写真用の黒板データ準備がとても楽に

どの工事現場でも頻繁に行うのが、工事写真の撮影だ。以前は工事名や撮影場所、日時などをチョークで書く実物の黒板を写し込んでいたが、最近は写真内に黒板の映像を埋め込む「電子小黒板」が主流になった。

電子小黒板の機能を使って配筋検査の写真を撮影する

電子小黒板の機能を使って配筋検査の写真を撮影する

そこで差が付くのは、現場の撮影に出掛ける前に行う黒板データの準備作業だ。

「通り芯設定機能のおかげで、通り芯の記号に従って撮影箇所のデータを自動的に入力してくれます」と、東京都荒川区内のマンション現場で働く坂本大輔氏は言う。

「さらにクラウドアプリには、配筋リストの外形線を自動認識して、バラバラに切り抜いてくれる断面図切り出し機能もあります。これまで手作業で行っていた豆図作成を、一括で行えるので作業時間も減りました」と同じ現場で働く嶋田幸駿氏が続ける。

こうして完成した小黒板データは、クラウドアプリからクラウドにアップするだけだ。配筋写真を撮影するとき、以前、使っていた工事写真管理ソフトと比べて、PRODOUGUは準備作業がぐっと楽になるのだ。

大量の配筋リストの外形線を自動認識する断面図切り出し機能(上)。自動的にバラバラに切り抜かれた豆図(下)

大量の配筋リストの外形線を自動認識する断面図切り出し機能(上)。自動的にバラバラに切り抜かれた豆図(下)

撮影場所と豆図が入った小黒板データ

撮影場所と豆図が入った小黒板データ

 撮影した工事写真は小黒板や通り芯データで自動分類

後は現場を回り、iPadに撮影箇所の小黒板を呼び出して撮影するだけだ。

「あらかじめ撮影箇所が決まっているので、写真の撮り忘れがありません。それは再撮影による“手戻りのムダ”を事前に防ぐだけでなく、品質管理の徹底にもつながります」と若松氏は言う。

撮影後の写真整理も格段に楽になった。撮影箇所は通り芯のデータによって図面と自動的にひも付けられ、撮影日時などのデータも電子小黒板のデータとともに保存すれば自動的に整理される。

iPadで撮影した現場の写真には、電子小黒板のデータが埋め込まれる

iPadで撮影した現場の写真には、電子小黒板のデータが埋め込まれる

発注者に提出する工事写真アルバムも、作成した階や部位を選ぶだけで、Excel形式で出力される。PRODOUGUは建設システムのデキスパートシリーズアプリ「写管屋」にも連携しているので、写真データを写管屋に取り込むと自動的にフォルダに分類することができるのも便利だ。

これまでのように写真を見ながら、手作業で1枚ずつフォルダや写真帳に整理する必要はなくなったのだ。

撮影した工事写真はクラウド上で日付や棟、工種、施工内容、階などのフォルダに自動的に仕分けられる。事務所に戻ってからの手作業による振り分け作業がなくなった

撮影した工事写真はクラウド上で日付や棟、工種、施工内容、階などのフォルダに自動的に仕分けられる。事務所に戻ってからの手作業による振り分け作業がなくなった

階数や部位を選ぶだけで、Excel形式で工事写真アルバムを作成

階数や部位を選ぶだけで、Excel形式で工事写真アルバムを作成

デキスパートシリーズの「写管屋」ともデータ連携できる

デキスパートシリーズの「写管屋」ともデータ連携できる

 配筋・仕上げ検査と図面が連携

配筋検査や仕上げ検査の結果入力や帳票出力の業務も、iPad上で図面や写真と連動して行えるのでわかりやすい。ミスなく、スピーディーに現場での作業が行える。

例えば配筋検査は階や検査部位、配筋リストなど、検査に必要な情報がiPadの図面上に表示されるので、それを見ながら合否判定や問題点を入力できる。

配筋リストや図面を画面上に表示しながら配筋検査結果を入力できる配筋検査機能

配筋リストや図面を画面上に表示しながら配筋検査結果を入力できる配筋検査機能

仕上げ検査も間取り図を画面に表示しながら、指摘部分の写真や指摘内容を図面上にひも付けて記録できる。指摘事項を効率的入力、確認するために、「初期」「是正済み」「確認済み」で色分けされた旗上げマークで記録する「連続指摘」機能もある。

図面上に指摘事項や写真を入力できる仕上げ検査機能

図面上に指摘事項や写真を入力できる仕上げ検査機能

「初期」「是正済み」「確認済み」で色分けされた旗上げマークで記録する連続指摘機能

「初期」「是正済み」「確認済み」で色分けされた旗上げマークで記録する連続指摘機能

こうして入力した検査データをクラウドにアップすると、配筋検査結果は自動的にExcel形式で出力される。仕上げ検査結果は、指摘事項の一覧出力や、協力会社ごとの指示書が自動的に作られる。

Excel形式で自動的に作られた配筋検査シート

Excel形式で自動的に作られた配筋検査シート

 現場密着型のサポートが建設DXへの道を開く

今井産業がPRODOUGUを導入した目的は、少人数で最大の成果を出し、さらに労働時間を短縮して働き方改革を実現することだ。中でも施工管理業務で最も時間を要している工事写真の撮影や書類の整理を、効率よく行うことを目指した。

現在、PRODOUGUは3つの現場で10代から50代までの社員15人が使い、うち11人はiPadでモバイル版を現場最前線で活用している。

東京都荒川区内のマンション建設現場でPRODOUGUを使用する施工管理者

東京都荒川区内のマンション建設現場でPRODOUGUを使用する施工管理者

使えるようになるまでの時間として、坂本氏は「操作は最初に講習を2時間ほど受け、その後、業務終了後に1週間ほど試しているうちに覚えました」と説明する。

「使い方がわからないときは、建設システムのサポート窓口や担当者に電話すれば、すぐに解決できる安心感もあります」(坂本氏)。

取材に訪れた日にも、「電子マーカー」の機能を新たに使い始めるという場面に遭遇した。

配筋検査の写真を撮影するとき、鉄筋をわかりやすくするために色付きのマグネットを張り付けるのだが、設置や回収作業に手間ひまがかかったり、型枠内にマグネットを落としたりする非効率さがあった。

それを解消するのが、撮影した写真上に「電子マーカー」を描き込める機能だ。これはCADのように複数のレイヤーを備えた写真ファイル形式「SVG」を使うことで可能になる。

SVG形式の別レイヤー(左)を利用して、電子マーカーを後で描き入れることができる(右)

SVG形式の別レイヤー(左)を利用して、電子マーカーを後で描き入れることができる(右)

しかし取材当日まで、今井産業ではこの機能の存在を知らなかった。東京都荒川区の現場取材に立ち会っていた建設システム営業企画部の大津遥樹氏は、その場で電子マーカー機能の使い方を今井産業のスタッフに説明したところ「こんな便利な機能があるなら、今後、ぜひ使いたい」と“新機能”の発見に、現場事務所は驚きの歓声に包まれた。

現場スタッフに電子マーカー機能の使い方を説明する大津氏(右端)

現場スタッフに電子マーカー機能の使い方を説明する大津氏(右端)

今井産業は、PRODOUGUの導入で、「移動のムダ」「手戻りのムダ」「二重入力のムダ」「写真整理のムダ」などをなくしつつ、施工管理の生産性向上を少しずつ実現し始めている。

今後、PRODOUGUは、読み込めるCAD形式の拡充や安全管理など、さらなる機能拡張を予定している。今井産業もPRODOUGUの進化とともに、建設DXへの道を着実に進んでいきそうだ。

【問い合わせ】
株式会社建設システム
〒417-0862 静岡県富士市石坂312-1
TEL 0570-200-787(ガイダンス「1」をお選びください)
PRODOUGUサイト https://prodougu.kentem.jp/landing-page
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