AR(拡張現実)とは
2020年4月20日

ARとは

Augmented Realityの略。
ARは、現実世界からの情報を元にデジタル情報を重ね合わせ、視覚的に現実を拡張した表現可能にします。画像や周辺の空間を認識し、現実の映像とデジタル情報を合成した映像をリアルタイムにディスプレイ上に表示します。ARは、広告・プロモーションでの利用から広がり、近年では産業分野での利用が拡大しています。ARとはコンピュータの力で、見えないものが見えるようになる技術です。

 

様々な分野に広がるAR

これまでになかった表現で広告・プロモーション分野で活用されてきました。近年では、AR技術や実行するスマートフォンの処理能力の向上により、様々な分野、特に産業分野への利用が急速に広がっています。

  • 販促プロモーション

    商品のパッケージ画像を認識して、プロモーション動画や3DCGコンテンツを表示することが可能になります。

  • 設置シミュレーション

    実際の場所で設置確認が難しいアイテム(大型機材、高価な商品)を、ARなら容易にリアルなシミュレーションが可能になります。

  • 物流・在庫管理

    スマートグラスを付けた作業者に、個人別のピッキング指示情報を表示。ピッキングミスをなくします。

  • 保守・メンテナンス

    ベテランや熟練者のノウハウを、現場にデジタル情報として記録。ビギナーでも直感的に分かります。

 

AR(拡張現実)の仕組み

ARとはカメラを通して見える現実世界の情報に、デジタル情報を付加する技術

現実世界をデジタル情報で拡張し、新たな空間を生み出します。

 

AR(拡張現実)には3つのタイプがあります

1

ロケーションベースAR(位置情報型)

GPSや電子コンパス、加速度センサー等を利用し自己位置を特定し、周辺の情報を、スマホ画面上にデジタル情報として合成表示する方式のARです。ナビゲーションサービスや観光情報サービスで多く活用されています。屋外での利用が容易に出来る反面、GPSの精度に依存するため、屋内や正確な位置表示が難しい面があります。

2

ビジョンベースAR

カメラから取得した画像認識、空間認識に関する技術を利用して目の前の環境を解析し、デジタル情報を付加する方式のARです。出版・印刷物や、商品パッケージ画像を活用した商品プロモーションなどに多く使われています。認識率の高いARマーカーや、デザイン性の高い自然画タイプ(マーカーレス)などがあります。画像の特徴点抽出により、必要な位置に正確に付加情報を表示できますが、撮影対象の距離が遠かったり、視認性が落ちる暗所等では動作が不安定になりやすくなります。

  • ARマーカー
  • 自然画マーカー(マーカーレス)

3

SLAM

Simultaneously Localization and Mappingの略。 カメラの映像や様々なセンサーの値をリアルタイムに処理し、自己位置推定と環境地図を作成する技術です。特定のマーカーに頼らずに、床や壁などを検出し、空間を3次元的に処理することが可能になります。

 

ARアプリの開発構成要素

ARアプリは、複数の構成要素を組み合わせて実現しています。
また、これらの要素は、世界中の企業が競争している進化の早い分野であり、次々と新しい技術が生まれているのも特徴の一つです。 従って、利用する環境や目的により、ARアプリの組み合わせは無数に存在します。 また、ARをビジネスなどに応用する場合は、既存業務・システムとの連携も重要なポイントです。

ARエンジンについて

ARを実現するための基本的なソフトウェアになります。 ARエンジンは、現在、複数の会社によって開発されており、それぞれの性能や出来る事が異なります。 また、これらはソフトウェアのライブラリやSDKとして提供されています。 利用範囲により有償・無償まで様々存在しています。

ARKit

ARKitは、Appleが提供する開発者向けのARフレームワークです。このフレームワークを使用したARアプリは、ARCore同様に特別なハードウェアを必要とせず、iOS11以降のiPhoneやiPadで利用が可能です。iOS端末に最適化された空間認識機能により、水平面だけでなく垂直面を認識、キャラクターのCGを配置したり、部屋の長さを計ったりすることができます。 異なる端末同士でもリアルタイムにAR空間情報を共有することが可能になります。(iOS12以降)

ARCore

ARCoreは、Googleが提供する開発者向けのARフレームワークです。このフレームワークを使用したARアプリは、深度センサーなどの追加ハードウェアを必要とせず、一般的なAndroidデバイスで、モーショントラッキングや水平面、垂直面の検出などのARに必要な機能を実現します。現在は限られた端末でのみ利用可能ですが、将来的には全世界で1億を超えるAndroidデバイスに対応予定です。最新Verでは、iOSにも対応し、OSを超えて複数の端末で同時に体験する事を可能としたARクラウドも実現可能になります。

ARToolKit

ARToolKitは、世界初のAR技術として誕生以来、世界中で支持されているAR開発ライブラリです。Android、iOS、Windows、Mac、Unityなど数多くのプラットフォームに対応、現在ではオープンソース*化され、無償で幅広く利用可能です。ARマーカー、マーカーレスいずれにも対応し、現在ではブラウザで動作するWebARとして移植されるなど、独自に進化し続けています。エム・ソフトは、ARToolKitの商用ライセンス販売を経て、豊富な開発実績とノウハウを生かし、現在もARToolKitを使ったARアプリの開発のサポートを行っています。

 

ARアプリの構造

主にカメラからの画像情報や各種センサ情報をリアルタイムで解析し、座標計算や画像認識するARエンジン部分と、その他の機能を制御するアプリやUI部分に分かれます。また、多くのARアプリでは、コンテンツとして動画の再生や3DCGを描画します。これらのコンテンツの取得のためにクラウドサーバとの連携も一般的になっています。

ARエンジンはライブラリやSDKとして提供され、その性能により関連機能の開発範囲が異なります。

 

ARでビジネスが変わる

ARは産業分野で利用される時代へ。 販促・プロモーション、エンタメ・ゲーム業界で広がってきたARは、近年の飛躍的な技術進化により多くの産業分野に注目されています。 ARを利用する事で、業務やビジネスを大きく変革することが可能になります。 特に「現場」での重要性の高い業務については、劇的な変化をもたらす可能性が期待されています。 ARを使ったビジネス革新は始まったばかりです。

ARを使った活用事例を見る

詳しくは、エム・ソフトのウェブサイトで。

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