AI・画像を利用したスランプ管理システムを大林組と共同開発
2024年6月10日

株式会社エム・ソフトと株式会社大林組(本社:東京都港区、代表取締役 社長:蓮輪賢治、以下大林組)は、「AIを利用したコンクリート品質管理」を実現する、画像によるスランプ管理システムを共同開発しました。

課題

コンクリートの状態を示すスランプ(生コンクリートの軟らかさの程度を示す指標のひとつ)は、材料の品質の変動に影響を受けるだけでなく、生コン車での運搬中にも変化します。
スランプの異常なコンクリートを使用すると、構造物の品質不良が発生する可能性があります。

そのため、荷下ろし時の一定量ごとの試験や技術者の目視確認によりスランプの管理を行いますが、

「試験未実施部分の品質変動は定量的に把握できない」
「目視確認には技術者の高度な経験が必要」

といった課題がありました。

システムの特長

本システムは生コン車の荷下ろし時、コンクリートの画像とAI技術の深層学習機能を用いて、コンクリート全量のスランプを管理することが可能です。

測定には人の操作が不要で、全て自動で行うことができます。
スランプの異常が検出されると、直ちに打設、品質管理担当者などに警告メッセージを発信します。

また、測定データはクラウドに送られ、遠隔の事務所や生コンクリート工場などと共有できます。


システムのイメージ


スマートフォンによるスランプ測定の様子


スランプ値測定結果

システムの導入効果

①要員、管理コスト削減

従来、スランプの管理には監視要員となる技術者が必要でしたが、本システムにより人による監視が不要になるため、監視要員および管理コストを削減することができます。

②構造物の構築品質向上

コンクリート全量のスランプを管理し、コンクリートの充てん性を確保できるので、高品質・高耐久な構造物を構築できます。

③工期延長のリスク低減

スランプによる施工のトラブル回避や監視要員のヒューマンミスの防止ができるため、構造物の再施工や補修などの不具合対応による工期延長リスクを低減することができます。

利用、受賞実績

本システムは以下の現場にて試行が行われました。

・株式会社大林組 すさみ串本道路田並川橋P1下部他工事
・株式会社大林組 新丸山ダム本体建設第一期工事

また、本システムは、近畿地方整備局による「令和5年度インフラDXコンペ」において優秀技術賞を受賞しました。

外販について

現在、外販に向けて準備中です。


株式会社エム・ソフトは引き続き、建設・インフラ・設備メンテナンス業界のDXを推進する製品・サービスを提供してまいります。

詳しくは、エム・ソフトのウェブサイトで。

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