管理人のイエイリです。
東日本大震災の原発事故による電力不足をきっかけに、住宅メーカー各社から「スマートハウス」が続々と発売されています。
スマートハウスとは、太陽光発電パネルなどによる「創エネ」、住宅用蓄電池やEV(電気自動車)などによる「蓄エネ」、エコキュートなどによる「省エネ」の各機器を、HEMS(住宅エネルギー管理システム)」でつなぎ、エネルギー使用状況の「見える化」や最適制御するものです。
エネルギー使用量などを見える化するHEMSの画面例(資料:日新システムズ) |
節電や電力のピークカット、非常時の電力自給などを行える住宅として一般ユーザーの注目も高まり、富士経済の調査によると2011年の日本国内のスマートハウス市場規模は1兆2443億円、2020年には3兆4755億円になると予測されています。
このビジネスチャンスを中小の工務店や建設会社、建築設計事務所も生かそうではないかと提唱するのは、住宅ソリューションズの代表取締役、北上義一さんです。
同社は、日新システムズが製造するHEMS関連機器の代理店となっており、中小工務店向けに
というHEMSパッケージを展開しているのです。
「中小工務店もスマートハウスに挑戦しよう」と呼びかける住宅ソリューションズの北上義一代表取締役(写真:家入龍太) |
中小工務店向けの「ビルダーズHEMS」ブランドのウェブサイト(資料:住宅ソリューションズ) |
ビルダーズHEMSでは、日新システムズのHEMSサーバーや家電や機器などの電力を計測するHEMSアダプター、系統電力量や発電電力量、使用電力量などを測定できる適合分電盤などをそろえています。
日新システムズと言えば、スマートハウスの共通規格である「ECHONET Lite」の通信規格に準拠した機器を開発するための「EW-ENET Lite」というツールも2012年3月に発売しており、今後、HEMSのラインナップはますます広がっていきそうです。
ビルダーズHEMSが提供するHEMS関連機器の例(資料:日新システムズ) |
スマートハウスというと、HEMSサーバーやエネルギー計測機器、太陽光発電パネルで作った直流の電気を交流に変えるパワーコンディショナー、電力センサー付きの分電盤など、なじみの少ない装置をセッティングする必要があるので難しいと思われる人も多いでしょう。
しかし、そんなに心配することはありません。北上社長の説明によると、自分で
ネット接続ができる知識
程度があれば、十分とのことです。HEMS機器の弱電系の配線には、特に資格はいらず、パワーコンディショナーや分電盤の工事もいつもの電気工事士に任せればいいからです。
中小工務店では昨年末あたりからスマートハウスのモデルルームなどを建設する例が増えているそうです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を導入してエコ建築を手がけている建築設計事務所や、ITに興味のある工務店の皆さんも、スマートハウスビジネスに乗り出してみてはいかがでしょうか。