その名もオリガミ!折り曲げ加工までできるレーザーカッターが登場
2013年3月5日

管理人のイエイリです。

最近、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やアルゴリズミックデザインを、ものつくりに生かす「デジタルファブリケーション」が、SNSの世界で盛り上がっています。

ドイツの工学系大学、ハッソ・プラットナー・インスティテュート(Hasso Plattner Institut)のヒューマン・コンピューター・インタラクション・グループはこのほど、レーザーカッターを使った画期的な加工法を開発しました。

材料をレーザーカッターで切断した後に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

折り曲げ加工まで

 

やってくれるのです。

その名も「レーザーオリガミ(LaserOrigami)」。レーザーカッターの内部に昇降式のテーブルを取り付け、宙に浮かせて支持した材料の切断線を切り抜いた後、折り曲げ線のところをゆっくりとレーザー光で加熱して、材料が柔らかくなると自重で90度曲げるという加工法です。

YouTubeに公開されているプロモーションビデオでは、この加工法によりiPadの画面をカメラで撮影するためのスタンドを作るシーンを紹介しています。

これまでは仕口付きの部品として切り出し、人間が組み立てる必要がありましたが、レーザーオリガミを使うことにより、わずか3分で完成させることができます。ちなみに、同じ物を3Dプリンターで造形した場合には4時間もかかるそうです。

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切断線を切り抜いた後、折り曲げ線をレーザー光で加熱し、折り曲げているところ(写真・資料:Hasso Plattner Institut。以下同じ)

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自動折り曲げ加工によって完成したiPad用カメラスタンド
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左からレーザーオリガミ、3Dプリンター、切断と人間による組み立てによって作成したiPad用カメラスタンド

この加工法を利用して、材料の内部をサポートを残すように切り抜き、サポートを加熱して満遍なく折り曲げることで「押し出し加工」のようなこともできます。

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押し出し加工の例。サポートを残すように切り抜き、サポート部を加熱すると自重で中心部が下がる

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完成した植木鉢ホルダー

さらに驚くべきことに、このレーザーオリガミは180度の曲げ加工もできるのです。例えば、カードホルダーです。

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180度の曲げ加工で作ったカードホルダー

いったい、どのようにして180度曲げているのかというと、

 

垂直ロータリーテーブル

 

に材料を保持させて、レーザーオリガミでまず材料を90度曲げた後、今度はロータリーテーブルの軸が90度回転して合計180度の曲げにします。

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カードホルダーの加工例。まず、レーザーオリガミで90度曲げる

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続いて、ロータリーテーブルの軸が90度回転して完成!

デジタルファブリケーションの世界は、すさまじい勢いで進化しているようですね。建築模型の製作も、曲げ加工が自動化できることで相当な効率化につながりそうです。

YouTubeで公開されているプロモーションビデオ
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