管理人のイエイリです。
最近、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やアルゴリズミックデザインを、ものつくりに生かす「デジタルファブリケーション」が、SNSの世界で盛り上がっています。
ドイツの工学系大学、ハッソ・プラットナー・インスティテュート(Hasso Plattner Institut)のヒューマン・コンピューター・インタラクション・グループはこのほど、レーザーカッターを使った画期的な加工法を開発しました。
材料をレーザーカッターで切断した後に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
折り曲げ加工まで
やってくれるのです。
その名も「レーザーオリガミ(LaserOrigami)」。レーザーカッターの内部に昇降式のテーブルを取り付け、宙に浮かせて支持した材料の切断線を切り抜いた後、折り曲げ線のところをゆっくりとレーザー光で加熱して、材料が柔らかくなると自重で90度曲げるという加工法です。
YouTubeに公開されているプロモーションビデオでは、この加工法によりiPadの画面をカメラで撮影するためのスタンドを作るシーンを紹介しています。
これまでは仕口付きの部品として切り出し、人間が組み立てる必要がありましたが、レーザーオリガミを使うことにより、わずか3分で完成させることができます。ちなみに、同じ物を3Dプリンターで造形した場合には4時間もかかるそうです。
切断線を切り抜いた後、折り曲げ線をレーザー光で加熱し、折り曲げているところ(写真・資料:Hasso Plattner Institut。以下同じ) |
自動折り曲げ加工によって完成したiPad用カメラスタンド |
左からレーザーオリガミ、3Dプリンター、切断と人間による組み立てによって作成したiPad用カメラスタンド |
この加工法を利用して、材料の内部をサポートを残すように切り抜き、サポートを加熱して満遍なく折り曲げることで「押し出し加工」のようなこともできます。
押し出し加工の例。サポートを残すように切り抜き、サポート部を加熱すると自重で中心部が下がる |
完成した植木鉢ホルダー |
さらに驚くべきことに、このレーザーオリガミは180度の曲げ加工もできるのです。例えば、カードホルダーです。
180度の曲げ加工で作ったカードホルダー |
いったい、どのようにして180度曲げているのかというと、
垂直ロータリーテーブル
に材料を保持させて、レーザーオリガミでまず材料を90度曲げた後、今度はロータリーテーブルの軸が90度回転して合計180度の曲げにします。
カードホルダーの加工例。まず、レーザーオリガミで90度曲げる |
続いて、ロータリーテーブルの軸が90度回転して完成! |
デジタルファブリケーションの世界は、すさまじい勢いで進化しているようですね。建築模型の製作も、曲げ加工が自動化できることで相当な効率化につながりそうです。
YouTubeで公開されているプロモーションビデオ |