管理人のイエイリです。
日本のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)も、設計段階でのCGやアニメによるプレゼンや、図面作成などは一通り行われるようになり、その次の展開の仕方を考える段階に入ってきたようです。
その1つは、BIMとものづくりの連携ではないでしょうか。
SNSサイト、「LinkedIn」でデジタルファブリケーションをテーマとするグループ「BIM + Digital Fabrication = Smart Building」で話題となっているのは、オランダの建築設計事務所「1:1 Arkitektur」が、英国の「FACIT HOMES」と共に開発した住宅建設の新工法です。
クレーンや重機などは使わず、主な道具としては、
ナ、ナ、ナ、ナント、
BIMとCNCルーターだけ
で住宅を建てる工法なのです。
BIMとCNCルーターだけで建てた家(写真:Reuters。以下同じ) |
まず、BIMソフトでベニヤ板で作った木材ブロックの配置を決め、展開図を作成します。
そのデータをもとに、コンピューター制御で木材を切断したり削ったりする「CNCルーター」でベニヤ板を加工して部品を作ります。
後はこの部品を組み立てるだけで、家が完成する、というわけです。
材料には北欧産のサステナブルなベニヤ板を使っています。
BIMソフトで設計し展開図を作成。どうやらRevitのようですね |
CNCルーターにベニヤ板をセット |
BIMソフトで作成した展開図通りに切削 |
切り抜かれたベニヤ板を組み立てる |
この新工法の特徴は、コンクリートを使わず、基礎から浮かせて建築するので、基礎の建設による環境への影響を最小限に減らせるということです。必要に応じて、すぐに移築できるというメリットもあります。
この住宅はデンマークのコペンハーゲンの北、60kmのところに建設されたそうですが、
工期はわずか4週間
とのことです。
LinkedInでのディスカッションでは、「米国の建築基準で、このまま建てられるかどうかは疑問」といった声が上がっていますが、BIMとCNCルーターだけで建てられる構造というのは新鮮ですね。
ご興味のある方は、下記のビデオもご覧ください。
ビデオ「The Printable House / 1:1 Arkitektur」(Reuter) |