管理人のイエイリです。
ダイテック(本社:東京都品川区)の建築設備専用CAD「CADWe’ll Tfas」(以下、Tfas)の後継BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトとして、「CADWe’ll Linx」(以下、Linx)が発売されたのは2020年のことでした。
発売から早くも4年、2024年4月22日には最新版の「Linx V5」が発売され、ますますBIMソフトとして進化を遂げてきました。
今回のバージョンアップで搭載された機能のうち、注目されるのは配管加工機能です。
Linxで作成した設備モデルから、
ナ、ナ、ナ、ナント、
配管の加工図やユニット図
を作成し、工場製作に直結できるのです。(ダイテックのプレスリリースはこちら)
直管部分を定尺長で分割して、各部材を区別するためのピースNo.を表示できるほか、曲管(エルボ)の間にはさまれる切管の切断長までを記載した単品加工図までを出力できるのです。
配管やバルブがひとまとまりになった配管ユニットには、ユニットNo.を付加した配管ユニット図を出力できます。
防火区画内や壁貫通部に使われる、鋼板厚1.6mmの「1.6tダクト」の作図も、ダクトのモデリング時に行えるようになりました。板厚を変更すると、ハッチ絵柄に変更できます。
BIMソフトらしい進化としては、
属性情報の集計や連携
に関する新機能が搭載されたことが挙げられます。
例えば、「盤リスト機能」は、配線回路ごとに負荷容量を自動集計できるほか、分電盤や動力盤などのリストが標準搭載されており、そのデータをExcelデータなどに書き出して、機器発注などの業務に活用できます。
高圧受電した電気を100Vなどに変圧する「キュービクル式高圧受電設備」は、Linxのデータを河村電器産業(本社:愛知県瀬戸市)の電気設備設計支援サービス「Qrespo」とデータ連携して3Dモデルで設計し、サイズや重量などの属性情報を持ったままLinxに取り込めます。
このほか、BIMソフト「Revit」のネーティブファイル(.rvt)の直接出力機能や、クラウド型施工管理アプリ「SPIDERPLUS」への機器情報連携機能なども搭載されました。
LinxではBIMモデルを「建物データベース」として扱い、オブジェクトの属性情報を帳票作成や発注管理、系統管理などに活用することで業務プロセスを変革する、建設DX(デジタル・トランスフォーメーション)を目指しています。
こうした機能がアプリに搭載されることで、少しずつ、BIMの“I”の有効活用が進んでいきそうですね。