管理人のイエイリです。
BIMやCGを使った建築設計では、設計に使う仕上げ材の「見え方」が重要で、テクスチャーをもった建材データベースは力強い味方になります。
しかししっくいやモルタルなどの左官材料は、それ自体に形がなく、使われる場所や照明条件によって色味や光沢が変化しやすいので、テクスチャー化や完成後の質感を正確に伝えることが難しいのが現状です。
そのため、 設計者と施主、施工者が「イメージが違う」と感じることも少なくありませんでした。
実は、そんな“質感共有のギャップ”を解消しようとSAMURAI ARCHITECTS(本社:東京都港区)と、スタッコ(本社:京都市右京区)「MATERIAL CLUB」という建築素材プラットフォームを共同開発し、このほど公開しました。
左官材料の写真をもとに、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIが3Dテクスチャー
を自動作成し、レンダリングや3Dビジュアライゼーションで使えるようにしてくれるのです。(SAMURAI ARCHITECTSのプレスリリースはこちら)
このプラットフォームは、生成AIが左官材などの建築素材をもとにしたデータベースを「つくる(MAKE)」「ためす(TRY)」「さがす(FIND)」という3つのアプローチで、設計から施工までを一貫してデジタルプラットフォームで行うために開発されました。
「つくる」の段階で3Dテクスチャー化された左官素材のデータは、「ためす」の段階でAIが建物の空間画像に自動的にマッピングし、照明や距離、スケールを補正。設計者や施主、施工者が同じ質感のイメージを共有できます。
続く「さがす」の段階では、AIが空間写真を解析して、各メーカーの建材データベースと照合します。見た目だけでなく、価格、性能、在庫情報に基づいて、
類似素材を探し出し
代替案として提案します。将来的には積算・見積・BIMデータとの連携も視野に、設計からコストマネジメントまでを一貫して支援する予定です。
SAMURAI ARCHITECTSは、「MATERIAL CLUB」の「ためす」の機能を体験できるデモサイト 「PLAY MATERIALS」 を公開しました。
スタッコが提供する実素材データを、SAMURAI ARCHITECTSがAIで生成したオリジナル3Dマテリアルが用意されており、ユーザーがアップロードした室内や外構の写真に対して、AIが素材を自然に“着せ替え”しながら、施工後のリアルなイメージを再現できます。
MATERIAL CLUBはAIと建築素材を中心として、営業・設計・施工・運用をつなぐエコシステムとしての発展を目指しています。
左官材という形のないものを3Dデータとして活用しやすくすることは、コーキング材や塗装材など、これまで単なるテクスチャー画像として扱われてきた素材を3Dデータベース化し、BIMやCGでのリアルな質感再現に広げる可能性を感じますね。





















