生成AIが左官材料を3D化! 「MATERIAL CLUB」が仕上げ設計や材料選定をDX
2025年11月4日

管理人のイエイリです。

BIMやCGを使った建築設計では、設計に使う仕上げ材の「見え方」が重要で、テクスチャーをもった建材データベースは力強い味方になります。

しかししっくいやモルタルなどの左官材料は、それ自体に形がなく、使われる場所や照明条件によって色味や光沢が変化しやすいので、テクスチャー化や完成後の質感を正確に伝えることが難しいのが現状です。

そのため、 設計者と施主、施工者が「イメージが違う」と感じることも少なくありませんでした。

実は、そんな“質感共有のギャップ”を解消しようとSAMURAI ARCHITECTS(本社:東京都港区)と、スタッコ(本社:京都市右京区)「MATERIAL CLUB(マテリアル クラブ)」という建築素材プラットフォームを共同開発し、このほど公開しました。

左官材料の写真をもとに、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIが3Dテクスチャー

を自動作成し、レンダリングや3Dビジュアライゼーションで使えるようにしてくれるのです。(SAMURAI ARCHITECTSのプレスリリースはこちら

左官素材の写真をもとにAIが3Dテクスチャーを自動作成するイメージ(以下の写真、資料:SAMURAI ARCHITECTS)

左官素材の写真をもとにAIが3Dテクスチャーを自動作成するイメージ(以下の写真、資料:SAMURAI ARCHITECTS)

このプラットフォームは、生成AIが左官材などの建築素材をもとにしたデータベースを「つくる(MAKE)」「ためす(TRY)」「さがす(FIND)」という3つのアプローチで、設計から施工までを一貫してデジタルプラットフォームで行うために開発されました。

「つくる」の段階で3Dテクスチャー化された左官素材のデータは、「ためす」の段階でAIが建物の空間画像に自動的にマッピングし、照明や距離、スケールを補正。設計者や施主、施工者が同じ質感のイメージを共有できます。

空間画像に3Dテクスチャーを自動的にマッピングし、CG画像を作成するイメージ

空間画像に3Dテクスチャーを自動的にマッピングし、CG画像を作成するイメージ

続く「さがす」の段階では、AIが空間写真を解析して、各メーカーの建材データベースと照合します。見た目だけでなく、価格、性能、在庫情報に基づいて、

類似素材を探し出し

代替案として提案します。将来的には積算・見積・BIMデータとの連携も視野に、設計からコストマネジメントまでを一貫して支援する予定です。

AIが各メーカーの建材データベースから類似素材を探し出すイメージ

AIが各メーカーの建材データベースから類似素材を探し出すイメージ

SAMURAI ARCHITECTSは、「MATERIAL CLUB」の「ためす」の機能を体験できるデモサイト 「PLAY MATERIALS」 を公開しました。

スタッコが提供する実素材データを、SAMURAI ARCHITECTSがAIで生成したオリジナル3Dマテリアルが用意されており、ユーザーがアップロードした室内や外構の写真に対して、AIが素材を自然に“着せ替え”しながら、施工後のリアルなイメージを再現できます。

「PLAY MATERIALS」のウェブサイトでは、左官素材を自動マッピングによるCG作成を試せる

「PLAY MATERIALS」のウェブサイトでは、左官素材を自動マッピングによるCG作成を試せる

MATERIAL CLUBはAIと建築素材を中心として、営業・設計・施工・運用をつなぐエコシステムとしての発展を目指しています。

左官材という形のないものを3Dデータとして活用しやすくすることは、コーキング材や塗装材など、これまで単なるテクスチャー画像として扱われてきた素材を3Dデータベース化し、BIMやCGでのリアルな質感再現に広げる可能性を感じますね。

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