72時間先の風速をAIで予測! シスメットが挑む現場環境デジタルツイン
2026年2月20日

管理人のイエイリです。

建設現場は、実は「外の世界」に振り回されています。 強風でクレーン作業が止まる。豪雨で工程が狂う。河川工事では水位の急上昇に神経をとがらせる。さらに都市部では、騒音や振動への配慮も欠かせません。

これらの情報はバラバラに扱われてきました。 天気は天気予報サイト、水位は水位計、騒音は別の計測システムと、異常が出れば電話やチャットで連絡する、といった具合です。

現場の外側の環境情報を集めて判断するのは、人間頼りのため、現場の施工管理者は24時間気が休まりません。

こうした課題に対し、ある企業が動き出しました。

シスメット(本社:福岡県北九州市)が開発し、2026年2月18日にサービスを開始した気象統合プラットフォーム「ZEROSAI X-AI」です。

現場に設置した気象観測装置のデータや気象庁の予測データなどをAIで分析し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

72時間先までの風速

を予測することができるのです。(シスメットのプレスリリースはこちら

72時間先までの風速をAIで予測できる気象統合プラットフォーム「ZEROSAI X-AI」(以下の資料、写真:シスメット)

72時間先までの風速をAIで予測できる気象統合プラットフォーム「ZEROSAI X-AI」(以下の資料、写真:シスメット)

しかも500mメッシュという高解像度なので、市区町村単位ではなく、現場周辺の気象の変化をピンポイントで把握できます。

直近1カ月のデータを学習させると、現場付近の地形や特性を加味した予測を行い、クラウド上で予測データを時系列表示します。

強風が予想されるタイミングを事前に把握できれば、作業計画の見直しも前倒しで検討できますよね。

あらかじめ設定した基準値を超える可能性がある場合には、警報器との連動やビジネスチャットへの自動通知が可能とされています。常に画面を見続けなくても、異常の兆候を把握できるので現場担当者は安心できそうですね。

電源や通信環境が十分でない現場でも、太陽光発電や衛星インターネット回線「Starlink」対応なので使えます。

「ZEROSAI X-AI」のシステム構成。観測データをクラウドに集約してAIが予測、そのデータを現場に知らせる流れになっている

現場に設置した気象などの観測機器

現場に設置した気象などの観測機器

三色回転灯による警報装置

三色回転灯による警報装置

Starlinkのアンテナ(左)と太陽光発電パネル(右)によって通信環境や電源のない現場でも使える

Starlinkのアンテナ(左)と太陽光発電パネル(右)によって通信環境や電源のない現場でも使える

気象のほか様々なセンサーのデータも一元管理できる

気象のほか様々なセンサーのデータも一元管理できる

このシステムは気象だけでなく、騒音、振動、水位、濁度といった様々な環境データをクラウド上で統合管理し、一元的に扱えるのが特徴です。

そして、将来的には、水位データに基づく

水門の自動制御

なども視野に入れているのです。

電池式水位計の例

電池式水位計の例

こうしたことから、もはやこのシステムは「気象予測サービス」にはとどまらず、気象のほか騒音、振動、水位、濁度という、これまで個別に扱われがちだったデータを、一つのプラットフォームで扱う“現場環境デジタルツイン”と言ってもよいでしょう。

現場の外側の環境をデータで可視化し、将来を予測し、場合によっては制御する。 予測 → 通知 → 制御へと進化すれば、現場の意思決定はさらにデータドリブンになります。

BIMが構造物のデジタルツインだとすれば、「ZEROSAI X-AI」は、その外側を担う存在になり得ます。 現場を取り巻く「環境」まで含めてデジタルで扱う時代が、いよいよ始まるのかもしれません。

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