九州産業大で建築DX教育! “雑用”はAIに任せ、1カ月間で3D住宅プランを作成
2026年1月16日

管理人のイエイリです。

建築学科の教育現場では、「学生が設計の考え方を身につけるまで時間がかかる」「間取り検討に手間がかかりすぎる」「CADは操作できても、設計の中身が弱い」といったお困りごとをよく耳にします。

一方で、AI(人工知能)やDX(デジタルトランスフォーメーション)が話題になるたびに、「設計はAIに奪われるのでは」「BIM教育に力を入れないと時代から取り残されてしまう」といった不安も広がっています。

こうしたお困りごとや不安を、AIと3DCADで解決する建築教育が、九州産業大学 建築都市工学部 住居・インテリア学科(所在地:福岡市東区)で動き始めました。

1年生を対象にした特別講義で、

ナ、ナ、ナ、ナント、

生成AIと3DCAD

を使い、わずか1カ月のグループワークによって住宅プランを仕上げてしまったのです。(安心計画のプレスリリースはこちら

学生によるチーム作業(以下の写真、資料:安心計画)

学生によるチーム作業(以下の写真、資料:安心計画)

「チーム 西瓜」が作成した室内パース

「チーム 西瓜」が作成した室内パース

「チーム Gentlemen's」による外観パース

「チーム Gentlemen’s」による外観パース

この講義には、安心計画(本社:福岡市博多区)とLib Work(本社:熊本県山鹿市)が協力し、建築生成AIの「タノモシカ」と設計を具現化するツールとして住宅設計用3DCAD「Walk in home」 とを使用しました。

AIと3DCADで設計すると聞けば、「安易にAIにパースを作らせただけじゃないか」と思う人もいるかもしれません。

しかし、AIはあくまでも学生たちの“雑用処理”として活用し、「自分が思っている設計意図を言語化する」「考えを整理し、表現を洗練させる」といったアイデア発想の補助として使いました。

一方、学生は3人1組の計14チームで、建築家の立場からAIが提示した案に取捨選択や修正を行い、最終判断を下しました。その内容をWalk in homeで3Dモデル化し、建築空間として組み立て、検証しました。

Walk in homeに内蔵されている機能によって、意匠デザインだけでなく、

構造や断熱性能も意識

して設計するという実務的な体験もできました。

Walk in homeによる構造計算画面

Walk in homeによる構造計算画面

Walk in homeによるエネルギー計算

Walk in homeによるエネルギー計算

この授業の実施後に、学生を対象にしたアンケートでは「短期間で設計案をまとめられるようになった」「空間把握力が向上した」といった声が多く見られ、建築の基礎を1カ月の間に集中して身につけられたことがうかがえます。

また3人1組のチーム作業により、自分1人の感覚だけでなく、協働力やプレゼンテーション力の向上も得られたようです。

各チームによる発表

各チームによる発表

今回の取り組みは、AIによる自動設計を目指したものではありません。むしろ、AIに任せる部分と人が担う部分を切り分けることで、設計者の思考力を高める試みです。

AIを自分たちの“子分”として時間と手間がかかる雑用的な部分を任せ、人間は設計を決定し、3DCADで形にするというAIとの分業ワークフローを授業の中で再現したわけです。

AIに仕事を奪われるのではなく、AIを使いこなす設計者を育てる。この産学連携による特別授業は、建設DX時代の人材育成のヒントを示しています。

なお、今回の特別授業で作られた各チームの住宅プランを対象に、2026年1月31日まで「一般投票コンテスト」が行われています。ご興味のある方は、プランを見るついでに投票に参加してみてはいかがでしょうか。

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