管理人のイエイリです。
道路設計の業務では、図面に描かれた平面線形や縦断勾配、法面の角度、そしてクルマから見える距離などの項目が、それぞれ道路構造令などの基準に適合していなければなりません。
しかし、この設計照査業務は長年、ベテラン技術者の経験に頼って行われてきました。基準値を参照しながら手作業で確認し、Excelでチェック表をまとめるアナログな作業は、担当者の負担となっていました。
こうした設計現場のお困りごとを解決しようと、八千代エンジニヤリング(本店:東京都台東区)とエムティシー(本社:東京都豊島区)は、「道路設計照査システム APS-DC」を共同開発しました。
道路業界の標準データフォーマット「J-LandXML」や、エムティシーの「道路・鉄道線形計画システムAPS-MarkⅣ」で作成した3次元設計データを読み込ませると、
ナ、ナ、ナ、ナント、
設計を自動チェック
し、まるで上司のように“ダメ出し”してくれるのです。(エムティシーのプレスリリースはこちら)
基準に適合しない項目は赤、注意が必要な項目は黄で表示され、ひと目で確認可能です。人手による照査に比べて、短時間で確実に不適合箇所を把握できます。
指摘された部分は、APS-MarkⅣとのアドオン連携により、照査結果をそのまま設計データに反映し、シームレスに修正作業を行えます。
設計の基準値と採用値を比較できるExcel一覧表や、視距不足区間を可視化した「視距確認図」などの自動出力機能もあり、発注者への説明資料作成も効率化されます。
これまでベテラン技術者に頼ってきた若手技術者も、自動判定結果をもとに照査内容を理解できるため、早期育成にもつながります。
一方、ベテラン技術者は設計図書の
“チェック地獄”から解放
され、これまで基準確認に費やしていた時間を、若手への指導や設計方針の検討など、創造的な業務に振り向けることができます。
自動化による効率化と、技術継承の促進を両立するAPS-DCは、ベテラン技術者の働き方改革を実現する新しい設計支援ツールといえそうです。
このシステムは2025年10月31日に発売されます。気になるお値段ですが、1ライセンス22万円(税込み)とリーズナブルです。(2026年10月31までは特別価格16万5000円で提供)






















