ベテランを“チェック地獄”から解放! 八千代エンジとエムティシーが道路設計照査を自動化
2025年10月31日

管理人のイエイリです。

道路設計の業務では、図面に描かれた平面線形や縦断勾配、法面の角度、そしてクルマから見える距離などの項目が、それぞれ道路構造令などの基準に適合していなければなりません。

しかし、この設計照査業務は長年、ベテラン技術者の経験に頼って行われてきました。基準値を参照しながら手作業で確認し、Excelでチェック表をまとめるアナログな作業は、担当者の負担となっていました。

こうした設計現場のお困りごとを解決しようと、八千代エンジニヤリング(本店:東京都台東区)とエムティシー(本社:東京都豊島区)は、「道路設計照査システム APS-DC」を共同開発しました。

道路業界の標準データフォーマット「J-LandXML」や、エムティシーの「道路・鉄道線形計画システムAPS-MarkⅣ」で作成した3次元設計データを読み込ませると、

ナ、ナ、ナ、ナント、

設計を自動チェック

し、まるで上司のように“ダメ出し”してくれるのです。(エムティシーのプレスリリースはこちら

道路構造令などの基準を満たしていない部分を赤色でチェックした図面の該当部分(以下の資料:エムティシー)

道路構造令などの基準を満たしていない部分を赤色でチェックした図面の該当部分(以下の資料:エムティシー)

視距不足区間を可視化した「視距確認図」

視距不足区間を可視化した「視距確認図」

緩和曲線が入っていない場合のダメ出し例

緩和曲線が入っていない場合のダメ出し例

照査結果一覧表

照査結果一覧表

基準に適合しない項目は赤、注意が必要な項目は黄で表示され、ひと目で確認可能です。人手による照査に比べて、短時間で確実に不適合箇所を把握できます。

指摘された部分は、APS-MarkⅣとのアドオン連携により、照査結果をそのまま設計データに反映し、シームレスに修正作業を行えます。

設計の基準値と採用値を比較できるExcel一覧表や、視距不足区間を可視化した「視距確認図」などの自動出力機能もあり、発注者への説明資料作成も効率化されます。

設計照査の流れ。ユーザーは道路の現場条件を入力するだけで、膨大な照査項目をシステムが自動的にチェックする

設計照査の流れ。ユーザーは道路の現場条件を入力するだけで、膨大な照査項目をシステムが自動的にチェックする

これまでベテラン技術者に頼ってきた若手技術者も、自動判定結果をもとに照査内容を理解できるため、早期育成にもつながります。

一方、ベテラン技術者は設計図書の

“チェック地獄”から解放

され、これまで基準確認に費やしていた時間を、若手への指導や設計方針の検討など、創造的な業務に振り向けることができます。

自動化による効率化と、技術継承の促進を両立するAPS-DCは、ベテラン技術者の働き方改革を実現する新しい設計支援ツールといえそうです。

このシステムは2025年10月31日に発売されます。気になるお値段ですが、1ライセンス22万円(税込み)とリーズナブルです。(2026年10月31までは特別価格16万5000円で提供)

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