2階建て住宅も“印刷”する時代へ! 築とオノコムが日本初の2階建て3Dプリンター住宅を建設
2025年11月25日

管理人のイエイリです。

住宅建設は、基礎・型枠・壁・内装・設備と、多くの職種と部材が複雑に入り組むため、省人化や工程短縮がなかなか進みません。

そんな中、(KIZUKI。本社:宮城県栗原市)とオノコム(本社:東京都千代田区)は、3Dプリンターで基礎から構造体までを現場で一体印刷して、

ナ、ナ、ナ、ナント、

日本初の2階建て住宅

を完成させたのです。(築のプレスリリースはこちら

宮城県栗原市に完成した2階建て3Dプリンター住宅(以下の写真、資料:築)

宮城県栗原市に完成した2階建て3Dプリンター住宅(以下の写真、資料:築)

建設現場で住宅部材を造形中の3Dプリンター

建設現場で住宅部材を造形中の3Dプリンター

この建物の延べ床面積は49.92㎡ (1F:30.52㎡ , 2F:19.40㎡)で、採光高さは約6.3mです。施工は2025年3月から10月にわたって行われました。

従来は平屋レベルに限られていた3Dコンクリートプリンターの活用範囲が、ついに2階建て住宅にまで広がったことは、実用的な住宅建設に向けた大きな一歩と言えるでしょう。

このプロジェクトには、国内外20社以上の協賛・協力企業が技術を結集しました。タイの大手建材メーカーSCGが開発した3Dプリント専用モルタルを使用し、デンマークのCOBOD社の大型プリンターによって、鉄筋やRCを除く大部分を連続的に成形しました。

内装にも、樹脂系3Dプリンターによるキッチン(Spacewasp社)やインテリア(積彩社)を採用するというこだわりようです。

樹脂系3Dプリンターで造形したキッチン(左)とインテリア(右)

樹脂系3Dプリンターで造形したキッチン(左)とインテリア(右)

3Dプリンター住宅の夜景

3Dプリンター住宅の夜景

●プロジェクトに協力した企業やスタッフ

3Dプリンター機械・オペレーション: / 五十嵐
設計・監理・施工: オノコム/ 那須
設計・ジオメトリエンジニアリング・ビジュアライゼーション: ZKIdesign/ 塩月
構造設計・監理: 構造計画研究所/ 後藤・朴
意匠+設備3D詳細検討・設計 技術協力: 白矩/ 押山・高橋・梅田

 

共同研究大学: 東京都立大学/ 國枝・名島

 

協賛企業: LIXIL, 山口産業, 昭和化学工業, 積水化成品工業、シーカ・ジャパン, フォンテトレーディング, 積彩,
Spacewasp, ウインテック, JFDエンジニアリング, キナン,レンタルのニッケン, セーファ,  Studio55, CUPIX,
SCG  etc.

最大の特徴は、壁を意匠・構造・設備スペースとして一体化した“多機能壁”として印刷した点です。これにより、配管・配線ルートを後から加工する必要が少なくなり、

建物の部材点数を削減

することに成功したことです。

部材点数が減ることで、現場での作業が省力化でき、施工品質のばらつきも抑制されます。デジタルデータに基づいて同じ形を再現できるため、量産化にも大きな利点が生まれます。

今後は住宅だけでなく、商業施設や災害復興住宅などへの応用も期待できそうです。

項目 既存工法(RC等) 3DCP工法
施工プロセス 基礎 → 型枠 → 鉄筋 → コンクリート打設 → 脱型 → 配管・仕上げ

 

基礎~構造体~配管空間までを一体で連続印刷

 

工程数 多段階・分業制(複数業者が関与)

 

ワンストップ(1台のプリンターで完結)

 

施工スピード 数週間~数カ月

 

数週間で構造体を出力可能

 

必要人員・技能 熟練職人・多職種が必要

 

最小限の技術者とオペレーターで対応可能

 

コスト 人件費・型枠費・材料ロスが多く割高

 

材料ロスが少なく、型枠不要で低コスト化可能

 

設計自由度 直線・平面形状が中心

 

曲線・複雑形状にも対応(構造とデザインの融合)

 

壁構造の機能 意匠・構造・設備を別々に施工

 

3層構造で同時成形(意匠・構造・設備空間の一体化)

 

品質のばらつき 現場・職人に依存(天候・技能で変動)

 

機械制御により品質が安定

 

脱炭素・環境性 廃材・型枠材・施工エネルギー負荷が高い

 

型枠レス・材料最適化で環境負荷を軽減

 

将来的応用領域 在来建築、一般住宅

 

集合住宅、災害仮設、宇宙建築など幅広く展開可能
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