管理人のイエイリです。
住宅建設は、基礎・型枠・壁・内装・設備と、多くの職種と部材が複雑に入り組むため、省人化や工程短縮がなかなか進みません。
そんな中、築(KIZUKI。本社:宮城県栗原市)とオノコム(本社:東京都千代田区)は、3Dプリンターで基礎から構造体までを現場で一体印刷して、
ナ、ナ、ナ、ナント、
日本初の2階建て住宅
を完成させたのです。(築のプレスリリースはこちら)
この建物の延べ床面積は49.92㎡ (1F:30.52㎡ , 2F:19.40㎡)で、採光高さは約6.3mです。施工は2025年3月から10月にわたって行われました。
従来は平屋レベルに限られていた3Dコンクリートプリンターの活用範囲が、ついに2階建て住宅にまで広がったことは、実用的な住宅建設に向けた大きな一歩と言えるでしょう。
このプロジェクトには、国内外20社以上の協賛・協力企業が技術を結集しました。タイの大手建材メーカーSCGが開発した3Dプリント専用モルタルを使用し、デンマークのCOBOD社の大型プリンターによって、鉄筋やRCを除く大部分を連続的に成形しました。
内装にも、樹脂系3Dプリンターによるキッチン(Spacewasp社)やインテリア(積彩社)を採用するというこだわりようです。
| ●プロジェクトに協力した企業やスタッフ 3Dプリンター機械・オペレーション: 築/ 五十嵐
共同研究大学: 東京都立大学/ 國枝・名島
協賛企業: LIXIL, 山口産業, 昭和化学工業, 積水化成品工業、シーカ・ジャパン, フォンテトレーディング, 積彩, |
最大の特徴は、壁を意匠・構造・設備スペースとして一体化した“多機能壁”として印刷した点です。これにより、配管・配線ルートを後から加工する必要が少なくなり、
建物の部材点数を削減
することに成功したことです。
部材点数が減ることで、現場での作業が省力化でき、施工品質のばらつきも抑制されます。デジタルデータに基づいて同じ形を再現できるため、量産化にも大きな利点が生まれます。
今後は住宅だけでなく、商業施設や災害復興住宅などへの応用も期待できそうです。
| 項目 | 既存工法(RC等) | 3DCP工法 |
|---|---|---|
| 施工プロセス | 基礎 → 型枠 → 鉄筋 → コンクリート打設 → 脱型 → 配管・仕上げ
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基礎~構造体~配管空間までを一体で連続印刷
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| 工程数 | 多段階・分業制(複数業者が関与)
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ワンストップ(1台のプリンターで完結)
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| 施工スピード | 数週間~数カ月
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数週間で構造体を出力可能
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| 必要人員・技能 | 熟練職人・多職種が必要
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最小限の技術者とオペレーターで対応可能
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| コスト | 人件費・型枠費・材料ロスが多く割高
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材料ロスが少なく、型枠不要で低コスト化可能
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| 設計自由度 | 直線・平面形状が中心
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曲線・複雑形状にも対応(構造とデザインの融合)
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| 壁構造の機能 | 意匠・構造・設備を別々に施工
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3層構造で同時成形(意匠・構造・設備空間の一体化)
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| 品質のばらつき | 現場・職人に依存(天候・技能で変動)
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機械制御により品質が安定
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| 脱炭素・環境性 | 廃材・型枠材・施工エネルギー負荷が高い
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型枠レス・材料最適化で環境負荷を軽減
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| 将来的応用領域 | 在来建築、一般住宅
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集合住宅、災害仮設、宇宙建築など幅広く展開可能 |





















