管理人のイエイリです。
2025年9月24日、ドイツ・ベルリンで開催されたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の国際会議、buildingSMART International Standards Summitの3日目。各国の研究者や企業が見守る中、表彰式のステージに日本からのチームが登壇する場面がありました。
壇上に立つのは、国土交通省や産学官のメンバーたち。彼らの手には、世界のBIM関係者が注目する“ある賞”のトロフィーが輝いていました。
実はこの日、日本の産学官連携プロジェクトが、BIMの優れたプロジェクトを表彰する「openBIM Awards 2025」で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
インフラ設計部門の最優秀賞
に選ばれたのです。(国土交通省のプレスリリースはこちら)
buildingSMART Internationalが主催するこの賞で、日本がインフラ分野の世界一に輝くのは初めての快挙です。
受賞対象となったのは、「openBIMを用いた設計から数量算出までの自動データ連携システムの開発」というプロジェクトです。
国土交通省、国土技術政策総合研究所(NILIM)、日本建設情報総合センター(JACIC)、buildingSMART Japan、そして東京都市大学などが共同で進めてきました。
これまでの積算業務は、設計段階の3Dモデルと切り離されていたため、膨大な手作業が必要でした。そこで今回のプロジェクトでは、IFC形式のBIM/CIMモデルを基盤に、設計データから数量を自動抽出し、積算に連携できる仕組みを構築した点が高く評価されました。
今回の受賞の裏方として活躍したのが、 鳥取市に本社を置くBIM/CIMスタートアップ企業のONESTRUCTIONの若い技術者たちです。
このシステムには、同社が開発したBIM/CIMプラットフォーム「OpenAEC」が採用され、IFCデータに積算用の属性付与やIDS(Information Delivery Specification)準拠の検証処理を実装。
モデル作成のガイドライン
策定にも携わりました。(ONESTRUCTIONのプレスリリースはこちら)
日本のスタートアップが国際舞台の最前線で成果を上げたことからも、日本のBIM/CIM界もすそ野が広がってきたことを感じますね。
国土交通省では、このシステムをもとに「BIM/CIM積算変換ツール」の実証を進めており、2024年度は橋梁下部工を対象に全国11件で試行し、2025年度には砂防堰堤などへ試行を拡大する予定です。
長年、図面と電卓を頼りに人手で行われてきた積算作業ですが、いよいよ国交省の「i-Construction 2.0」が目指す「データ連携のオートメーション化」の時代に突入し始めたようです。






















