管理人のイエイリです。
建設業の業務で、多くの比重を占めているのが、様々な情報の管理です。
1つの建物を建設するにも、設計から見積もり、調達、運搬、施工、そしてアフターサービスと、同じモノを扱うにもかかわらず、これまでは、それぞれの部署で紙や表計算ソフト、図面、そしてBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの方法で情報管理が行われてきました。
その結果、「二重入力のムダ」や「転記ミス」、「古い情報による手戻り」など、様々な非効率が発生していました。
こうした建設業の問題を解決するため、大林組は日本電気(以下、NEC)と連携し、設計から施工、アフターサービスを通じて一元管理するため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建設PLMシステム
の構築を開始したのです。(大林組のプレスリリースはこちら)
PLM(Product Lifecycle Management)とは、製品の企画・開発から生産、販売、保守までをカバーするライフサイクル全体にわたって発生する、様々な情報を集約して一元管理する手法で、2000年代から製造業に導入されてきました。
PLMの中心となるのが「BOM(Bill Of Materials)」という概念で、1つの製品を構成する「部品表」のことです。
大林組の建設PLMは、建物のBIMモデルを構成する部材データを
「建築BOM」に進化
させて、各種マスターデータと連携させることにより構築しています。
その結果、部署ごとや建設フェーズごとに分断された情報を、1つのプラットフォーム上で統合することで、データの整合性を確保し、業務を迅速かつ正確に行えるようにします。
そのシステムには、製造業で実績のあるNECのPLMソフト「Obbligato(オブリガート)」を使っています。生産の機械化や自動化が進む、製造業の貴重なノウハウも、このソフトを通じて導入されるといいですね。
これまで、長年にわたってBIMの「I」と言われる属性情報を、いかに有効に活用するかがBIMユーザーの課題でした。
この建設PLMは、BIMモデルの属性情報と、予算管理や部材管理などに使われる情報を統合し、会社の基幹システムの歯車として戦略に活用するものと言えるでしょう。