管理人のイエイリです。
安井建築設計事務所で執行役員を務める繁戸和幸氏は、建築分野でのデジタルツインやIoT、VRなど様々なIT(情報通信技術)の活用に、日々、チャレンジし、その成果はFacebookなどで惜しみなく公開しています。
最近は生成AI(人工知能)の「Stable Diffusion」を使って都市画像や建物のファサードを様々なテイストに変化させたり(2023年5月19日の当ブログ)、高層木造ビルの“巨匠的”なデザインを作らせたり(2022年9月6日の当ブログ)しています。
そして繁戸氏はこのほど、新たな方法でテーブルやイスの3Dモデルを自動作成することに成功しました。
テーブルやイスの2D写真を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ChatGPT-4o
に読み込ませて、3Dモデルを自動作成させたのです。
生成AI、ChatGPTの最新版「ChatGPT-4o」(以下、ChatGPT)はテキストのほか、音声や画像を扱える「マルチモーダルAI」に進化しました。
その結果、もととなる2Dイメージを読み込ませて、3Dモデルを作ることができるようになったのです。上記のテーブルの3Dモデルを作った手順は次の通りです。
では、この3DモデルのSTL形式は、ChatGPT-4oが直接、書き出したのでしょうか?
その秘密を探るべく、先ほどの3Dモデルダウンロードリンクの横にある「分析」をクリックしてみました。
すると、出てきたのは、プログラミング言語の
Pythonのコード
だったのです。
つまり、ChatGPTは3Dモデルを自分で手作りする代わりに、3Dモデル作成用のPythonのプログラムを書き、「アルゴリズミックデザイン」の手法で3Dモデルを作成したのです。
さすがChatGPTだけあって、3Dモデルの作成もスマートですね。
繁戸氏は「将来的にはBIMのようなパラメトリックなオブジェクトや属性情報を扱えるようになったり、スケッチや音声、動画、センサー情報など複数の異なる情報から建物の3Dモデルを作ったりできるようになることも期待できる」と展望を語っています。
このほか、もっとシンプルな方法としては、「土星の3Dモデルを作成し、STL形式で出力してください」などとテキストだけのプロンプトでも、3Dモデルを作れるそうです。ChatGPT-4oをお使いの方は、試してみてはいかがでしょうか。