管理人のイエイリです。
今年のゴールデンウイークは、コロナ禍からかなり解放されたこともあり、いろいろな楽しみ方があったでしょう。
そんな中、安井建築設計事務所の執行役員を務める繁戸和幸氏は、インドアで様々な創作活動を楽しみました。
例えば、無着色の都市画像を、ニューヨーク風の昼間や夜景にペイントしたり、ぐっと趣を変えてアジア風の街並みにしたりと、その変化を楽しんだのです。
これらの作品は、繁戸氏自身が手を動かして作成したのではなく、
ナ、ナ、ナ、ナント、
AIに“呪文”を唱えて
自動作成させたものなのです。
使ったシステムは、生成AIの「Stable Diffusion(AUTOMATIC1111)」を、ゲーミングパソコン(GPUはnVIDIA RTX 3080Ti)にインストールしたものです。
繁戸氏は以前もStable Diffusionを使って、木造の高層ビルを自動デザインしたことがあります。(2022年9月6日の当ブログ参照)
ただ、今回はAIに自由な都市画像を作らせるのではなく、「無着色の都市画像」の上に、“塗り絵”をさせる必要がありました。
そこで活用したのが、Control NetというStable Diffusionの拡張機能です。これを使うことで、同じ都市の形を保ちながら、いろいろとアレンジできます。
続いて繁戸氏は、ゼンリンがUnityアセットストアで無料配布している日本風の都市モデルから作成した都市画像をこのシステムに入力し、プロンプトにいろいろな呪文を唱えてバリーションを作ってみました。
その結果、日本の街を、東南アジア風の夜景に変身させたり、
SF映画風に変身
させたりすることに成功したのです。
ゴールデンウイーク後、仕事モードに戻った繁戸氏は、この手法をより現実的な仕事に応用できないかと、研究を重ねています。その結果、建物の立面図をもとに、様々なファサードデザインを発生させることに成功しました。
この技術の肝は、もとになる画像を保ったまま、様々なテイストで塗り分けることです。もともとは、アニメキャラクターに同じポーズをとらせたまま、いろいろな服装にアレンジするといった用途に使われていたようです。
これを建築界にいち早く導入できたのも、アニメキャラ好きな建築家という、繁戸氏ならではのパーソナリティーがなせる技だったに違いありませんね。