管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の普及とともに、プロジェクト関係者が設計や施工管理などを行う際、これまでの図面に代わってBIMモデルで確認するシーンが増えてきます。
しかし、3D空間であるBIMモデルで、チェックしたいところに視点を移動して、さまざまな角度で見るためには、マウスやキーボードの操作に相当、習熟している必要があります。
そこでゲーム制作会社のAREA35(本社:東京都千代田区)と、大和ハウスグループでBIM事業を手掛けるダイスネクスト(本社:東京都渋谷区)は、誰もが直感的にBIMモデルを操作し、チェックや指摘事項の管理が行える新サービス「Paraverse」を開発しました。
BIMモデル内を軽快に移動したり、操作を行ったりに使うのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ゲームコントローラー
なのです。(AREA35のプレスリリースはこちら)
このサービスは、オートデスクのBIMソフト「Revit」や「BIM360」に対応して開発されたものですが、パソコンでの操作だけでなく、ゲーム機「Xbox」用のゲームコントローラーを使って直感的なBIMモデル操作が行えます。
BIMモデル内に自分の分身である「アバター」として入り込み、自分の見たい部分に歩行や早足、ジャンプなどで移動したり、建物を切断して断面を見たりすることができます。
また、日影シミュレーションも可能で、影の位置などを確認するときは、時間を進めたり戻したりすることができます。
さらに、発注者や設計者、施工管理者など複数の人が同時に同じモデル内にアクセスする
メタバース
のようなマルチプレー機能も備えています。チェックがより多角的、スピーディーに行えますね。
BIMモデル上には気になったところや、設計修正の指摘事項などは、BIM360と連携してコメントとして書き込めます。コメントはリストとして管理され、リストからコメントの場所へジャンプすることも可能です。
このサービスは、ゲームエンジンの「Unreal Engine」を使って開発されたため、3Dの建物を鮮明な質感でリアルに表現できます。2024年1月25日に、ダイスネクストからサービスが開始されました。
この二十数年間の間に生まれ育った人の多くにとって、ゲームコントローラーは慣れ親しんだ機器と言っても過言ではありません。このParaverseで、コントローラーからBIMの世界に入ってくる人も期待したいですね。
【訂正】
初出時のタイトルや本文中で「ダイスネクスト」とすべきところ、「ダイワネクスト」と誤記しておりました。訂正してお詫びいたします。(2024年2月2日)