電子部品をコンクリで防護! 三井住友建設が新発想のRFタグ埋込型スペーサーを開発
2025年10月20日

管理人のイエイリです。

プレキャストコンクリート(PCa)部材の管理といえば、製造から出荷、現場搬入までを通じて、どの部材がどこで使われたかを正確に把握する「トレーサビリティー」が鍵となります。

これまでは部材にRFIDタグを貼り付けて管理していましたが、製造工程での張り忘れやはがれ、施工時の破損といったリスクもありました。

こうした課題を背景に、三井住友建設は2023年、RFIDタグをスペーサー(鉄筋と型枠の間隔を保つ部材)と一体化した「RFIDタグ一体型スペーサー」を開発しました。

RFIDタグをスペーサー(鉄筋と型枠の間隔を保つ部材)と一体化した「RFIDタグ一体型スペーサー」(以下の写真、資料:三井住友建設)

RFIDタグをスペーサー(鉄筋と型枠の間隔を保つ部材)と一体化した「RFIDタグ一体型スペーサー」(以下の写真、資料:三井住友建設)

しかし、デリケートな電子部品がむき出しのように見えるので、コンクリート打設時にバイブレーターで締め固めるときには、「壊してしまわないか」と不安を感じそうですね。

そこで同社は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

RFIDをコンクリ巻き

 

にしてしまうという、大胆な発想の新型スペーサーを開発したのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら

RFIDを頑丈なコンクリートでコーティングした「RFタグ埋込型コンクリート製スペーサー」

RFIDを頑丈なコンクリートでコーティングした「RFタグ埋込型コンクリート製スペーサー」

この新型スペーサーは、RFIDチップを完全にコンクリートで包み込んで保護したものです。PCa部材と同じ素材で一体化しているため、部材との親和性が高く、施工時の衝撃や水分、保管時の積載荷重にも耐えられます。

さらに、UHF帯域のRFタグを最適にチューニングすることで、コンクリートに埋め込まれた状態でも約1mの通信距離を確保し、施工現場でのスムーズな読み取りが可能になりました。

PCa部材に埋設されたRFIDタグを読み込む作業

PCa部材に埋設されたRFIDタグを読み込む作業

さらに特筆すべきは、コーティングするコンクリートの強度(~90N/mm²)やかぶり厚さを

 

オーダーメイドで指定

 

できる点です。

用途や構造物の条件に応じて、コンクリの仕様を柔軟に変えられるのは、建設会社らしい技術ですね。

これまで電子部品の保護といえば、プラスチックやゴム、金属で覆うのが常識でした。しかし、「コンクリートで巻く」という発想は極めてユニークで、「新結合」「イノベーション」といっても過言ではありません。

この“コンクリ巻き”の技術が確立されたことで、今後はセンサーや通信モジュールなど、さまざまな電子部品をコンクリート構造物と一体化する道が開けそうです。

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