管理人のイエイリです。
建設機械の運転の腕を磨くには、現場の片隅などで実機を使って練習が行われてきました。
しかし実際の現場では、ベテラン指導者の立ち会いが必要で、周囲の安全確保や労災リスクにも気を配らなければなりません。さらに、燃料代や騒音、機械の摩耗といったコストもバカになりません。
「気軽に練習したくても、簡単にはいかない」というのが、多くの若手オペレーターの本音だったのではないでしょうか。
そこで、一人で安心して建機の練習ができる次世代トレーニングプラットフォーム「メタトレ」のベータ版がついに完成しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
ゲーム感覚で練習できる
建機シミュレーターなのです。(ワールドエリアネットワークスのプレスリリースはこちら)
実機と同じレバーやペダル操作が再現されており、油圧ショベルの挙動をリアルに体感できます。
開発を手がけたのは、ワールドエリアネットワークス(本社:広島市中区)で、開発パートナーとしてジツタ中国(本社:広島市中区)、田上重機開発(本社:千葉県木更津市)、山口(本社:石川県七尾市)が参画しました。
このシミュレーターの特長は、単なる「ゲーム的な体験」にとどまらないことです。 建機が稼働する建設現場は、360度のデジタルツインで再現され、建機の操作や作業手順を学習できます。
法面走行など危険が伴う場面を繰り返し体験することで、転倒事故などの危険に気づく勘も養われます。
このほか天候や障害物などを自由にカスタマイズできるので、臨機応変な判断力が身に付きます。
燃料を使わず、騒音もゼロ。専用設備は不要で、パソコンやヘッドマウントディスプレイがあれば、どこでも練習できるのが大きなメリットです。
さらに注目したいのが、
習熟度を可視化
する機能が付いていることです。
練習データはクラウド上に記録され、作業時間や操作精度、バケットの稼働効率などを分析し、個人ごとの上達度がグラフやダッシュボードで表示されます。
ベテラン指導者がそばにいなくても客観的にスキルを把握できるので、教育成果を定量的に評価できる仕組みとして期待されています。
「メタトレ」の製品版は、2026年6月17日~20日に、幕張メッセで開催される「CSPI-EXPO 2026」で販売開始の予定です。
最近では、実際の建機を使った遠隔操作大会で、ベテランオペレーターを押しのけて、ゲーム世代の若者が上位に入賞するケースも出てきています。
「まずは建機ゲーム大会で腕試しをし、上位入賞者には本物の建機体験を――」そんなイベントを通じて、若い世代を建設業に引き込む“スカウト戦略”も現実味を帯びてきましたね。



















