夢物語だった3D遠隔施工が現実に! EIZOと大林組が能登半島の地すべり現場で実証
2025年12月19日

管理人のイエイリです。

近年、建設機械メーカー各社は、熟練オペレーター不足や災害現場の復旧作業に対応するため、バックホーなどの遠隔操作システムを実用化しています。

重機に何台もカメラを搭載し、オペレーターは現場から送られてくるリアルタイム映像を複数のモニターで見ながら重機を運転するものです。

従来の遠隔操作では、モニターに2D映像が表示されるため、実機の運転席で運転する場合に比べて、オペレーターがバケットや土砂などの遠近感がつかみにくいということでした。

また対象物までの距離や周囲の状況を判断するため、複数の画面を切り替える手間ひまがかかっていました。

遠隔操作仕様のバックホー(写真:EIZO)

遠隔操作仕様のバックホー(写真:EIZO)

このお困りごとを解決しようと、EIZO(本社:石川県白山市)と大林組(本社:東京都港区)は、新たな遠隔操作ソリューションを開発し、実証を行いました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

3D映像による遠隔操作

を実現したのです。(EIZOのプレスリリースはこちら

3Dモニターに表示されたバックホーからの映像。3D眼鏡をかけると運転席からの眺めが立体的に見える(写真:EIZO)

3Dモニターに表示されたバックホーからの映像。3D眼鏡をかけると運転席からの眺めが立体的に見える(写真:EIZO)

3D映像によって現場の距離や奥行きが立体的に把握できるため、オペレーターは実際の現場と同じ感覚で作業できます。

現場の重機には、ステレオカメラが搭載されており、左右2つのレンズで捉えた映像を左右に並べた「サイドバイサイド」のステレオ映像を作ります。

そのリアルタイム映像をEIZOのストリーミングゲートウェイ技術によって、遠隔地のオペレーターに送り、3Dモニターに映します。

現場の奥行きが直感的にわかるため、従来の2D映像に比べて作業スピードが上がったほか、建機周辺を映す俯瞰カメラを設置する手間が不要となり、災害復旧現場などで対応スピードを上げる効果があることを確認しました。

3D映像表示技術を用いた遠隔操作ソリューションの全体図(資料:EIZO)

3D映像表示技術を用いた遠隔操作ソリューションの全体図(資料:EIZO)

この実証実験は、令和6年能登半島地震で被災した石川県輪島市の

地すべり緊急復旧工事

の現場と、千葉県君津市の遠隔操縦拠点を結んで行われました。

研究室レベルを超えて、実際の災害現場で使えることを確認したのは、大きな意味を持ちますね。

この実証の成果は、2025年10月に開催された「けんせつフェア北陸2025 in 新潟」の大林組ブースで展示され、来場者から高い関心を集めました。

「けんせつフェア北陸2025 in 新潟」の大林組ブースに展示された3D遠隔操作システム(写真:EIZO)

「けんせつフェア北陸2025 in 新潟」の大林組ブースに展示された3D遠隔操作システム(写真:EIZO)

実は3D映像による建機の遠隔操作は、イエイリもつい最近、ラジコン建機と裸眼3Dモニターを使って実験しました。

14分の1スケールのラジコンクローラークレーンの運転席に、4K解像度の3Dカメラを取り付け、その映像をスマートフォンからWi-Fiでパソコンに送り、裸眼3Dモニターに映して立体視しながら「クレーンゲーム」を行ったものです。

その成果は、2025年8月にインテックス大阪、同12月に東京ビッグサイトで開催された「ジャパンビルド」の「建設DX展」(主催:RX Japan)でお披露目しました。(詳しくは「建設ITワールドからのお知らせ」参照

ラジコンクレーンが作業するミニチュア現場(以下の写真、資料:建設ITワールド)

ラジコンクレーンの運転席上に搭載した3Dカメラ

ラジコンクレーンの運転席上に搭載した3Dカメラ

裸眼3Dモニターで立体視しながらのクレーンゲーム

裸眼3Dモニターで立体視しながらのクレーンゲーム

全体のシステム構成

全体のシステム構成

3D映像による建機の遠隔操作は“夢物語”と思っていましたが、EIZOと大林組によって現実となったことで、感慨深い思いです。

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