大林組が新型の耐火被覆吹き付けロボットを開発! 2023年度中に施工面積も9000m2超えへ
2024年1月30日

管理人のイエイリです。

ビルの鉄骨に、耐火被覆を吹き付ける作業は、被覆材のロックウールが飛散するため、作業員は防護服や防じんマスクの着用が必要です。そのため、夏場などには苦渋作業となり、吹き付け技能工のなり手が不足しています。

そこで大林組は、この作業を自動化する「耐火被覆吹き付けロボット」を開発し、2019年に発表しました。(2019年7月1日の当ブログ参照

2019年に発表された耐火被覆吹き付けロボット(以下の写真、資料:大林組)

2019年に発表された耐火被覆吹き付けロボット(以下の写真、資料:大林組)

移動する台車に、ロボットアームを取り付けたこのロボットは、中高層オフィスビルを中心に複数の建設現場で使用され、1日当たりの吹き付け面積は、吹き付け技能工による作業と同じ程度となり、省人化や技能者不足解決にも貢献しています。

この実績を踏まえて、同社は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

新型の吹き付けロボット

を開発したのです。(大林組のプレスリリースはこちら

新たに開発された耐火吹き付けロボットの2号機

新たに開発された耐火吹き付けロボットの2号機

初号機と新型機の比較。作業能力は同等でサイズが小型になり、重量も0.5トン軽量化された

初号機と新型機の比較。作業能力は同等でサイズが小型になり、重量も0.5トン軽量化された

新開発の2号機は、初号機と同等の作業性能を持つ一方、サイズは横幅が500mm、奥行きが100mmスリムになり、重量は500kgも軽くなりました。

そのため、施工中の操作性が向上し、仮設エレベーターでの運搬もスムーズなりました。

そして、“賢く”なったのは、自律移動機能です。初号機も、あらかじめ登録した作業データに従って、所定の作業位置に停止する機能を持っていますが、2号機では位置決めに、測量で使われている

「後方公会法」を採用

し、より正確な位置に止まれるようになりました。

ロボットに搭載された計測ユニット(黄枠部)。後方公会法による位置決めに使われる

ロボットに搭載された計測ユニット(黄枠部)。後方公会法による位置決めに使われる

2号機は2023年11月より、東京都内の建設現場に導入され、2023年度内には施工面積が延べ9000m2を超える予定です。

今後、2024年4月には吹き付け対象となる鉄骨梁をセンサーで検知し、ロボットと鉄骨梁の相対誤差を把握して吹き付け作業を行う機能の搭載も予定しています。

都内の建設現場に導入した耐火被覆吹き付けロボットの2号機

都内の建設現場に導入した耐火被覆吹き付けロボットの2号機

多くの建設会社にとって、人手不足解決は共通の課題です。大林組は2022年に建設RXコンソーシアムにも加入しています。将来、このロボットを他社にも広く普及させることも視野にいれつつ、継続的に開発を進めていく予定です。

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