管理人のイエイリです。
空調設備工事後に行われる施工管理では、建物内に設置されたすべての空調吹き出し口から、それぞれ設計通りの風量が出ているかを測定・確認し、帳票に記録する必要があります。
しかし、この検査は、建物竣工のギリギリの繁忙期に行われることが多く、測定箇所も非常に多いので検査担当者の大きな負担になっていました。
この作業を省力化するため、鹿島はカジマメカトロエンジニアリング(本社:東京都港区)、イクシス(本社:神奈川県川崎市)とともに、風量測定ロボット「Air-vo」を開発しました。
建物内の吹き出し口を、
ナ、ナ、ナ、ナント、
自動巡回・測定
し、検査帳票まで作ってくれるのです。(鹿島のプレスリリースはこちら)
測定する吹き出し口と壁面の位置は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データをもとに作成した地図によって事前にAir-voに登録できるため、現場での登録作業は不要です。
現場で動作開始を指示すると、ロボットは地図データをもとに壁面との距離を検知しながら自動的に吹き出し口の位置まで移動し、風量を測定します。
オフィスで一般的に使われているアネモ型吹き出し口は、一括自動測定が可能なので効率的です。
測定結果を記録した帳票には、吹き出し口のBIMデータIDが記載されているため、測定箇所と風量データを簡単に照合できます。
給気口と排気口が一体化された吹き出し口の場合は、吹き出し口を画像認識して位置を微調整
し、排気口をふさいで吹き出し風量だけを測定できます。
鹿島は自社が施工する5つの建築現場でAir-voを実証したところ、1回の風量測定業務に必要な技能者を、従来の3人から1.25人(うち0.25人はロボットの準備作業)に削減できました。
延べ床面積3万m2の中規模オフィスビルの場合、測定業務にかかる時間を
240時間から100時間へ
削減できることになります。
Air-voのサイズは幅650mm×奥行き850mm×高さ1850mmで、測定可能な天井高は3.8m。梱包(こんぽう)後の重さは約100kgです。
本体や昇降装置など4つの分割して運搬でき、各部の重さは10.5~48kgとなっています。
鹿島は今後、Air-voを現場業務のサポート会社、OneTeam(本社:東京都港区)や、建設RXコンソーシアムを通じて普及・展開を進めていく予定なので、他社の現場でも使えそうですね。
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