建設現場では、従来のように人の力に頼る労働集約的な現場作業は、もはや持続が難しくなっています。一方、工場での鋼構造部材の製作作業なども例外ではなく、品質確保のための人手と技術の継承が大きな課題となっていました。
こうしたお困りごとを解消しようと、川田工業は鋼構造部材を製作する工場での、検査工程を自動化するため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
塗膜厚自動検査ロボット
を開発したのです。(川田工業のプレスリリースはこちら)
このロボットは、同社が2024年に富山工場に構築した「ロボット自動塗装ライン」と並行して開発されたもので、塗装後の塗膜厚検査を自動化するシステムです。
移動体には、川田工業が独自開発した自律走行ロボット「EGmobile(商標登録申請中)」を採用しました。SLAM(Simultaneous Localization
and Mapping)技術を用いて工場内の環境をマッピングし、自己位置をリアルタイムで推定しながら、所定の測定ポイントへ正確に到達します。
さらに、搭載された6軸アームロボットの先端には、同社の塗膜厚管理システム「ぬり助」と共通のデジタル膜厚計を装備しています。測定したデータはクラウド上に自動保存され、帳票も自動で作成されます。
測定ポイントの位置決め精度は±10mm以内と高精度で、斜めの面でも距離センサと力センサを組み合わせて正確に測定。ガイドレスで走行できるため、人や障害物を自動的に回避して安全に移動します。防塵防滴構造や安全装置も備え、塗装工場での長時間稼働に対応しています。
また、あらかじめ測定経路や測定開始時間を設定しておくことで、
予約測定も可能
です。
そのため、塗料が乾く時間が深夜になっても、その時間から自動で検査が進むため、検査工程の生産性向上が期待されます。
このロボットは2025年9月より富山工場で試験運転を開始し、2026年の本格稼働を目指しています。
このロボットの移動体として使われている「EGmobile」は、大阪の港大橋で中腰姿勢による点検通路の資材運搬にも使われており、その柔軟な活用範囲の広さが注目されています。
(2025年9月29日付の当ブログ参照)
この塗膜厚自動検査ロボットも同様に、人が中腰で上を向いて計器を当てるといった過酷な姿勢の作業からも、現場の作業員を解放してくれそうですね。




















