電動ねこ車による疲労軽減、運搬時間短縮が明らかに! 日本道路とCuboRexが実証実験
2024年2月29日

管理人のイエイリです。

建設業が「キツい」と言われる要因の一つは、重厚長大な建物や構造物を構成する重い資材や工具を、人間が運ぶことにあるでしょう。

一方、建設業界では2024年4月から、時間外労働の上限規制が厳格化される「2024年問題」も控えており、作業の効率化と安全性の両立が求められています。

こうした背景の中、日本道路は、CuboRex(本社:東京都葛飾区)と共同で、建設現場の運搬作業を効率化するための実証実験を行いました。

その運搬手段とは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

電動ねこ車

 

だったのです。(CuboRexのプレスリリースはこちら

斜面で75kgのセメント袋を運搬する実験。人力による運搬はかなりの前傾姿勢で力を入れる必要があった(左)のに対し、電動ねこ車を使用した場合は直立姿勢のまま楽に運搬できた(右)(以下の写真、資料:CuboRex)

斜面で75kgのセメント袋を運搬する実験。人力による運搬はかなりの前傾姿勢で力を入れる必要があった(左)のに対し、電動ねこ車を使用した場合は直立姿勢のまま楽に運搬できた(右)(以下の写真、資料:CuboRex)

実験が行われたのは、茨城県土浦市にこのほど完成した、日本道路の複合施設「土浦テクノBASE」です。

実験に使用したのは、CuboRexが開発した一輪車電動化キット「E-cat kti2」を装着した一輪車(通称、ねこ車)です。

これに重さ75kgのセメント袋を載せて、勾配6.7%、長さ30mの斜路を運搬し、電動化前後での運搬時間を比較しました。

土浦テクノBASEで行われた電動ねこ車の実験イメージ

土浦テクノBASEで行われた電動ねこ車の実験イメージ

その結果、人力での運搬では回を重ねるごとに疲労が蓄積し、所要時間が長くなる傾向が見られたのに対し、電動ねこ車の場合は運搬時間が約30%短縮され、毎回、ほとんど同じ時間で運搬できるという

 

「定時性」も明らかに

 

なったのです。

人力のねこ車と電動ねこ車の運搬時間の比較

人力のねこ車と電動ねこ車の運搬時間の比較

実験の担当者は、75kgの荷物を載せていてもバランスがとりやすく、勾配のある道でもスムーズに走行できたと感想を述べました。

このほか、他の現場で電動ねこ車を使ったことのある8人の作業員にアンケート調査を行ったところ、100%の人が「疲労度が少ない」「作業効率の向上を感じた」「今後も使い続けたい」と回答しました。

CuboRexは2023年12月にも、東京電力パワーグリッドと共同で電動ねこ車による運搬実験を行っており、運搬時間は人力に比べて40%近く短縮できることが分かりました。(詳しくは、2024年2月1日の当ブログ記事を参照

どの現場にもあるねこ車の電動化は、工事現場の生産性をじわじわと押し上げる効果を生みそうですね。

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