管理人のイエイリです。
残業時間に上限が設けられる「建設業の2024年問題」が、ついに本番を迎えました。
これまで、建設業では法律上、残業時間に上限はありませんでしたが、ご存じのように2024年4月以降は1カ月45時間以内、年間360時間以内などと上限が定められ、これを超える残業はできなくなったのです。
そんな中、社員176人(2023年10月現在)の大阪の中小建設会社、三和建設(本社:大阪市淀川区)は、段階的に週休2日制の導入に取り組んできました。
そして、2024年1月から3月までの3カ月間、新築11現場すべてで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
土・日と祝日の閉所
を実現したのです。(三和建設のプレスリリースはこちら)
10年前の同社は、第3・5土曜日が出勤日でしたが、段階的に週休2日制に移行し、2023年10月からの半年間は全社員が週休2日体制を維持しています。
今回、土・日だけでなく祝日までも閉所したことで、週休2日以上の成果を達成したことになりますね。現78期の月平均残業時間は23.6時間なので、2024年問題も軽くクリアしています。
この偉業を実現できた秘密は、建設業として“専門店化”を図ったことです。以前の同社は「どんな要望にもお応えします」という、よくありがちな経営方針でしたが、扱う建物の種類を食品工場、倉庫、社員寮に絞り込みました。
オフィスビルや商業施設といったメジャーな建物から、あえてニッチな建物に特化することで、顧客から選ばれる存在になっていき、案件の早期段階から参画できるようになったのです。
その結果、受注の見通しが立つようになり、余裕をもった工期で工事を請け負えるようになりました。
確かに、施工管理の原則でも、短すぎる工期は突貫工事に陥りやすく、コストが割高になり品質面でも問題が生じやすくなりますから、原理原則にのっとった経営戦略と言えるでしょう。
このほか、土日祝閉所を後押ししたのは、
BIMやフロントローディング
の導入、繰り返し業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)など、IT(情報通信技術)の積極的な活用です。
●土日祝閉所を後押しした他の要因
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2024年問題の解決策として、ITの活用は有効ですが、ただやみくもに導入するのではなく、経営戦略を実現するために経営陣と現場が一体となって働き方改革の実現を目指してきたのが、功を奏したと言えるでしょう。
建設業では若手が入社してこないという嘆きもよく聞かれますが、三和建設では働き方改革に取り組んだ結果、安定的に新入社員を採用できるようになりました。今では、29歳以下の社員が全体の30%を超えています。
生産性向上と働き方改革の実現には、差別化を図った経営戦略とITの積極活用がカギとなるようです。三和建設の成功例は、大いに参考にしたいですね。