管理人のイエイリです。
内装や設備の施工に先立って、仕切り壁や建具、設備の取り付け位置を現場の床に描いていく「墨出し作業」は、施工や取り付け工事のスキルが売り物の職人さんにとってある意味、“雑用”と言えるでしょう。
これまでの墨出しは、熟練職人と補助作業者が2人一組で行っていました。墨出しの精度やスピードは、職人のスキルによって決まります。
ベテラン職人と言えども、ミスや精度のばらつきはゼロではないので、墨出しミスによる手戻りなどが生じると、作業効率が落ちてしまいます。
そこで、竹中工務店、レンタルのニッケン、未来機械(本社:香川県高松市)の3社は、高精度の自走式墨出しロボット「SUMIDAS」を開発し、日本国内では既に、レンタルのニッケンを通じてレンタル提供を行っています。
このSUMIDASが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
世界市場に進出
することになったのです。(未来機械のプレスリリースはこちら)
未来機械は、2023年10月から11月にかけてシンガポールで開催された東南アジア最大級のイノベーション関連展示会「SWITCH 2023」にSUMIDASを出展しました。
これをきっかけに、現地パートナー企業と共同で、まずは東南アジア地域での販売の足がかりをつかみ、その他の海外市場への販路拡大を目指します。
墨出しロボットによる作業には、必ずしも熟練職人は必要なく、1人で作業できます。夕方に、現場での仕事を終えるときに、墨出しロボをセットしておけば、
夜中に自動墨出し
を行うことも可能です。
作業スピードこそ、熟練の職人には及ばないものの、休みなく、コツコツと連続で作業し、ニューマンエラーや精度のばらつきもほとんどありません。そのため、非熟練作業者でも、熟練職人と同等以上での墨出しが可能になります。
建設業の人手不足は、世界的な問題になっています。少子高齢化の先頭を行く日本で開発させた建設ロボットは、海外からも注目を集めそうですね。
「高精度位置計測機能付き自走式墨出しロボット」の主な仕様
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