耐震補強管理の生産性を10倍にする「削孔Pallete」! iPadのカメラとLiDARで孔径算出
2023年10月26日

管理人のイエイリです。

各種センサーを使い、建設や農業、製造などの分野向けにIoT(モノのインターネット)機器を開発するMomo(本社:神戸市中央区)はこのほど、「削孔Palette」という新製品をリリースしました。

iPadに長い棒状のものが付いた外観が特徴的です。

Momoがリリースした「削孔Palette」(写真、資料:特記以外はMomo)

Momoがリリースした「削孔Palette」(写真、資料:特記以外はMomo)

その用途は、

ナ、ナ、ナ、ナント、

耐震補強工事の削孔

の直径や長さをスピーディーに計測するために作られたのです。(Momoのプレスリリースはこちら

耐震補強工事現場での使用風景。コンクリートドリルで開けた穴の径と長さを測るのに使われる

耐震補強工事現場での使用風景。コンクリートドリルで開けた穴の径と長さを測るのに使われる

棒状の部分には距離センサーが内蔵され、削孔長を測ります。一方、削孔径はiPadのカメラ画像と距離データを連動させ、画像解析用のAI(人工知能)によって計測します。

これらのデータや写真から、Excel形式の出来形管理表が自動的に作られるので、後処理も楽です。

画像解析によって削孔径を算出しているところ

画像解析によって削孔径を算出しているところ

自動作成された出来形管理表

自動作成された出来形管理表

このシステムは西日本高速道路(NEXCO西日本)中国支社発注の「山陽自動車道 第二西藤橋他1橋耐震補強工事」で試行導入されました。

従来は3人一組で写真撮影や計測、出来形管理図や出来形成果表の作成を行っていましたが、このシステムによって1人作業が可能になりました。

その結果、

作業時間の90%が削減

されたのです。つまり、「生産性10倍」が達成されたというわけですね。

このシステムは、Momoと蜂谷工業(本社:岡山市)が、国土交通省が実施した2021年度の「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト(通称「PRISM」)」で共同開発され、見事、「A」評価を獲得したものです。

2021年度(令和3年度)のPRISMで「A」評価を獲得した(資料:国土交通省)

2021年度(令和3年度)のPRISMで「A」評価を獲得した(資料:国土交通省)

耐震補強工事では無数の削孔が行われ、それを一つ一つ、計測・記録し、報告書を作るのは大変な手間ひまがかかります。こうした作業に着目し、10倍もの生産性向上を実現したことは、2024年問題の解決や今後の人手不足対策にも大いに貢献しそうですね。

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