管理人のイエイリです。
油圧ショベルは、掘削に使うバケットをブレーカーや草刈り機、転圧器など、様々なアタッチメントに取り換えると、多用途に使えるので、万能建機といっても過言ではありません。
ただ、アタッチメント交換作業には、接続部のピンや油圧配管の着脱、そして油圧の圧力や流量調整などの手間ひまがかかるため、1日に何度もアタッチメントを交換して複数の作業を行うのは現実的ではありませんでした。
そこで日立建機は、ドイツのKTEG社(本社:ヘッセン州シュトックタット・アム・ライン)アタッチメント着脱システム「P-Line」を、2024年10月から受注販売を開始することになりました。
P-Lineを活用することで、建機オペレーターは運転席にいながら、
ナ、ナ、ナ、ナント、
1人でアタッチメント交換
が行えるのです。(日立建機のプレスリリースはこちら)
P-Lineの中核となるのは、旋回機能付きのクイックカプラーです。建機とアタッチメントを機械的につなぐだけでなく、油圧配管も自動的につないでくれるのがポイントです。
そのためオペレーターは、運転席に座ったまま、数十秒ほどでアタッチメントを付け替えることができ、交換作業の時間短縮と労力を軽減します。
鉄道の電車で使われている「密着連結器」(密連)も、ブレーキホース用の空気配管を自動接続する機能が付いていますが、“油圧ショベル版密連”のようなものですね。
また、クイックカプラーには旋回装置が備わっているため、すべてのアタッチメントを360度回転操作できます。
さまざまな角度の施工面の作業に対応できるので、勾配のついた溝など、標準の油圧ショベルよりも広い範囲を施工できます。
P-Lineの対象機種は、1.7~40tクラスの油圧ショベルです。
さらに13t以上のクラスでは、アタッチメントにICタグを取り付けて、最適な油圧の圧力や流量などの情報を登録し、
Bluetoothで運転席
のモニターと接続し、各アタッチメントの油圧・油量調整を自動的に設定できます。
P-Lineによって、油圧ショベルを万能建機として活用する、新たな施工方法も生まれそうですね。