トプコンが誰でも使える3Dスキャナー“面トル”を発売! 現場でリアルタイムに点群活用できる
2024年7月2日

管理人のイエイリです。

測量機器メーカーのトプコン(本社:東京都板橋区)と言えば、望遠鏡が付いていない工具っぽいトータルステーション「杭ナビ」(LN-150)を発売し、現場の3Dデータ活用を身近にした経緯があります。

そして同社はこのほど、杭ナビにちょっと似た感じの「面トル」(ESN-100)という新製品を、2024年8月に発売することになりました。

杭ナビに似た感じの新製品「面トル」(以下の写真、資料:トプコン)

杭ナビに似た感じの新製品「面トル」(以下の写真、資料:トプコン)

「面トル」とは、いったい何なのかと言うと、

ナ、ナ、ナ、ナント、

3Dレーザースキャナー

なのです。(トプコンのプレスリリースはこちら

面トルを使って現場を3D点群計測するイメージ

面トルを使って現場を3D点群計測するイメージ

これまでの3Dレーザースキャナーは、専門の測量技術者が現場を計測した後、その点群データを事務所などに持ち帰り、専用ソフトで処理しながら3Dモデル作成や土量計算、デジタルツイン作成などを行うという使い方が一般的でした。

ところがこの「面トル」は、現場での計測からデータ処理、結果の活用までをすべて現場にいながら、リアルタイムに行う「現場完結型」の活用を目指して開発されたのです。

そのため、「誰でも使える」「手戻りなく失敗しない」のが特長です。

例えば、現場で機器を設置するときは、三脚上に大ざっぱに置けば、杭ナビのように自動的に水平に整準し、既知点に設置したプリズムを自動検出して、「後方交会法」によって現在の位置を求めてくれます。

面トルの操作には、7インチディスプレーを備えたAndroid版のフィールドコントローラー「FC-6000A」と専用フィールドソフトウエア「Topcon Raster Scan」によって行います。

傾いて設置しても自動整準機構によって水平になる(左)。既知点のプリズムを自動的に発見し、自分の位置を出す(右)

傾いて設置しても自動整準機構によって水平になる(左)。既知点のプリズムを自動的に発見し、自分の位置を出す(右)

トルの制御を行うフィールドコントローラー「FC-6000A」(左)。画面上で現場にいながら点群データが見られる(右)

トルの制御を行うフィールドコントローラー「FC-6000A」(左)。画面上で現場にいながら点群データが見られる(右)

その結果、面トルで計測した複数の点群データをフィールドコントローラー上で自動的に結合できます。

さらに前日のデータと比較して土量計算や進ちょく管理を行ったり、設計データと現況データを比較して出来形管理を行ったりする作業を現場にいながら行えます。

進ちょく管理や土量計算の例(左)。設計データと現況データを比較した例(右)

進ちょく管理や土量計算の例(左)。設計データと現況データを比較した例(右)

フィールドコントローラーに蓄積された点群データは、USBメモリーに書き出してパソコンなどで活用することも簡単です。

フィールドコントローラーのデータはUSBメモリーに書き出してパソコンで使える

フィールドコントローラーのデータはUSBメモリーに書き出してパソコンで使える

面トルのサイズは外径224mm、高さ280.1mmとコンパクトで、質量はバッテリー込みで約4.9kgと軽量です。

そこで、オプションとして、

専用バックパック

も用意されており、山間部などにも簡単・安全に機器の搬入や設置が行えます。

オプションの専用バックパック

オプションの専用バックパック

面トルは、先輩格の杭ナビと同じように、「工具として使える3Dレーザースキャナー」として、現場での点群活用を身近なものにしてくれそうです。

「面トル」のスペック

「面トル」のスペック

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