管理人のイエイリです。
測量機器メーカーのトプコン(本社:東京都板橋区)と言えば、望遠鏡が付いていない工具っぽいトータルステーション「杭ナビ」(LN-150)を発売し、現場の3Dデータ活用を身近にした経緯があります。
そして同社はこのほど、杭ナビにちょっと似た感じの「面トル」(ESN-100)という新製品を、2024年8月に発売することになりました。
「面トル」とは、いったい何なのかと言うと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dレーザースキャナー
なのです。(トプコンのプレスリリースはこちら)
これまでの3Dレーザースキャナーは、専門の測量技術者が現場を計測した後、その点群データを事務所などに持ち帰り、専用ソフトで処理しながら3Dモデル作成や土量計算、デジタルツイン作成などを行うという使い方が一般的でした。
ところがこの「面トル」は、現場での計測からデータ処理、結果の活用までをすべて現場にいながら、リアルタイムに行う「現場完結型」の活用を目指して開発されたのです。
そのため、「誰でも使える」「手戻りなく失敗しない」のが特長です。
例えば、現場で機器を設置するときは、三脚上に大ざっぱに置けば、杭ナビのように自動的に水平に整準し、既知点に設置したプリズムを自動検出して、「後方交会法」によって現在の位置を求めてくれます。
面トルの操作には、7インチディスプレーを備えたAndroid版のフィールドコントローラー「FC-6000A」と専用フィールドソフトウエア「Topcon Raster Scan」によって行います。
その結果、面トルで計測した複数の点群データをフィールドコントローラー上で自動的に結合できます。
さらに前日のデータと比較して土量計算や進ちょく管理を行ったり、設計データと現況データを比較して出来形管理を行ったりする作業を現場にいながら行えます。
フィールドコントローラーに蓄積された点群データは、USBメモリーに書き出してパソコンなどで活用することも簡単です。
面トルのサイズは外径224mm、高さ280.1mmとコンパクトで、質量はバッテリー込みで約4.9kgと軽量です。
そこで、オプションとして、
専用バックパック
も用意されており、山間部などにも簡単・安全に機器の搬入や設置が行えます。
面トルは、先輩格の杭ナビと同じように、「工具として使える3Dレーザースキャナー」として、現場での点群活用を身近なものにしてくれそうです。