管理人のイエイリです。
高齢者が住む住宅の設計では、車イスの使用を前提としたバリアフリー化などの配慮がされています。将来は、車イスとは違った視点での設計になるかもしれません。
積水ハウスと本田技研工業(以下、Honda)は、「人の暮らしを豊かにする」という共通理念のもと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ロボティクス技術
を住宅内で活用するために、スマートハウス分野で協力関係を構築したことを発表しました。(PDF資料)
高齢社会を迎えた日本で、人々が生涯を通じて豊かな生活を送れる住まいの新機能としては、車イスだけではなく、歩行や移動をアシストするヒューマノイドロボット研究から生まれたロボティクス技術を活用しようというわけです。
積水ハウスは、人間工学や生活工学に基づいたユニバーサルデザインの研究を40年近く行っているほか、スマートハウスやスマートタウンの開発にも業界に先駆けて取り組んでいます。
一方、Hondaは二本足歩行をするロボット「ASIMO」の開発で有名ですが、この研究の応用として脚力が衰えた人の歩行をサポートする「リズム歩行アシスト」や、体重の一部を機器が支えて脚への負担を低減する「体重支持型歩行アシスト」、前後左右や斜めへの自由自在な動きをコンパクトな一輪車スタイルの移動ロボ「U3-X」や「UNI-CUB」などを開発してきました。
住宅内でのロボティスク技術活用の検証。前後左右や斜めへの移動ができる「UNI-CUB」(左)と体重の一部を機器が支えて歩行しやすくする「体重支持型歩行アシスト」(写真:積水ハウス、Honda) |
両社の共同研究では、ロボティクス技術を住宅内で
ストレスなく活用すること
について検証していくそうです。
研究拠点となるのは、4月26日に積水ハウスがJR大阪駅北地区「うめきた」の「グランフロント大阪」に開設する情報発信・研究開発拠点「SUMUFUMULAB(住ムフムラボ)」や、京都府木津川市にある積水ハウスの総合住宅研究所です。
これらの拠点で、「UNI-CUB」や「体重支持型歩行アシスト」などのロボティクス技術を、居住空間でどのように生かせるかを検証し評価していくとのことです。
車イスだと階段の上り下りや移動方向などにいろいろと制約がありますが、ロボティクス技術を活用することで、高齢者は自由自在に住宅内を歩き回れるようになり、生活が一段と楽しく、QOL(クオリティー・オブ・ライフ)も向上しそうですね。住宅の設計も変わってきそうです。