写り込んだ人を自動削除!エリジオンが点群処理ツール「InfiPoints」を発売
2013年4月22日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の普及とともに、3Dレーザースキャナーで計測した「点群データ」に対する注目がますます高まっています。

その背景には3Dレーザースキャナーの低価格化とともに、3次元CADやBIM、CIMソフトが大量の点群データを読み込み、現況の構造物や地形などの“3D下絵”として使えるようになってきたこともあります。

建設業界における点群活用機運の高まりは、他業界のソフトベンダーも注目しています。静岡県浜松市に本拠を置くエリジオンは製造業の金型設計などの分野で培ったノウハウを生かした3次元点群処理ソフト「InfiPoints(インフィポインツ)」を今月(2013年4月)に発売しました。

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3次元点群処理ソフト「InfiPoints」の画面(資料:エリジオン。以下同じ)

3Dレーザースキャナーで計測した建物やプラント、船舶などの大容量の点群データを容量の制限なく、軽快に表示、編集が行えるツールです。建設業界ならではの機能もちゃんと盛り込まれています。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

写り込んだ人を自動削除

 

することができるのです。

複数の点群データを重ね合わせることによって計測時に一時的に写り込んだ人やクルマなどの不要な点群を自動認識して「自動ノイズ除去」処理によってクリーニングしてくれる機能です。

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自動ノイズ除去により人影の点群を自動削除

3次元CADやBIMソフトなどで大量の点群データを読み込み、壁面や円柱などを立体トレースして3Dモデルに変換する作業は手作業だと大変ですが、InfiPointsにはこれらを自動認識する「フィーチャ抽出」機能が用意されています。

また、「3Dデジタルモデリング」機能配管の曲がり部の「エルボー」やフランジ形状を半自動で配置したり、配管などの規格に合わせた部材にフィットさせたりすることも可能です。

このほか、建物の機械室に新しい空調機器などを搬入する場合になどに使えそうなのが、「動的干渉チェック」機能です。計測した点群データの中で機器などの3Dモデルを動かすことにより、どこでぶつかるのかが分かります。

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点群から平面や円柱形状を自動認識する「フィーチャ抽出」機能

   

「3Dモデリング」機能(左)と「動的干渉チェック」機能(右)

建設業では、様々な視点から計測した複数の点群データを1つにまとめる作業が付きものです。これまではピンポン球のような「マーカー」をあちこちに配置して点群データを取り、マーカーを基準に点群データを合わせることがよく行われてきました。

その点、InfiPointsは、

 

自動位置合わせ

 

の機能が付いていて、マーカーを使わず、点群に含まれる特徴や形状から点群データ間の位置関係を自動認識して結合することができるのです。

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マーカーレス自動位置合わせ機能

気になるお値段ですが、土木・建築向けの「AECパッケージ」が本体価格200万円(税別)で、年間保守契約が40万円(同)です。また、プラントや自動車工場、造船向けの「Plantパッケージ」もあり、本体価格250万円(同)、年間保守契約が50万円(同)です。

エリジオンはこれまで、自動車業界や電機業界に向けて製品を展開してきましたが、建設業界へのアプローチはこれからです。「現場ではこんなことに困っている」とか「こんなことができたら現場が変わる」といった生の声を聞かせてもらえば、ツールの機能改善に生かしていくとのこと。

ものづくりの本場、浜松の会社ですから日本の建設業ニーズにもすぐに対応してもらえそうですね。既に土木・建築やプラント関連の企業からもInfiPointsには期待の声が寄せられているそうです。

6月5日、6日には川崎市で開催される3Dスキャナー関連イベント「SPAR 2013J」にも出展し、講演も行うそうです。気になる方は、会場に出掛けてみてはいかかでしょうか。

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