BIMをファシリティー・マネジメントに活用するシェルパ
データベース作成作業にHP Z220 SFFワークステーションを活用(日本HP)
2013年4月28日

名古屋に本社を置くシェルパは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)をクラウド上のデータベースと連携させ、複数の建物を統合的に維持管理するファシリティー・マネジメント(FM)用のシステム(ハンガリーのarchifm.net vintoCON社)を活用しFMデータベースを構築している。この作業に日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)の省スペース型ワークステーション「HP Z220 SFF(以下、Z220 SFF)」を使用し、性能を徹底検証した。

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シェルパの東京オフィスに設置した日本HPのZ220 SFFワークステーション。BIMモデルとデータベースを連携させたクラウド型FMシステムの作成作業を行った

   マシンの安定性が求められるFM業務

東京・箱崎にあるシェルパの東京オフィスに設置されたZ220 SFFには、CPUとしてインテル® Xeon® プロセッサー、メモリーは8GBを搭載している。同社はこのマシンを使って、建物の設計時に作成したBIMモデルを生かしたFM用のデータベースを構築する作業を行った。

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Z220 SFFにはBIMソフト「ArchiCAD」をインストールし、いくつもの建物のBIMモデルを同時に開く。BIMモデルにはエアコンなどの設備や、机やイス、パーティション、複合機といった備品のオブジェクトが配置されている。これらのオブジェクトをクラウド上のデータベースをFM用に整備し、一括でFMデータベースに構築する作業だ。

「archifm.netというクラウドサービスを使って、BIMモデルと連動するFM用のデータベースを作っているところです。BIMモデルのサイズはそれほど大きくありませんが、複数のBIMモデルを同時に立ち上げて作業します。途中でフリーズしたりすると大変なので、マシンには安定性が求められます」と伊藤由貴氏は説明する。

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複数の建物のBIMモデルを同時に開き、クラウド上のデータベースに登録していく作業には、マシンの安定性が求められる
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archifm.netのメインメニュー。資産管理やファイナンス、人材管理など、オーナーがFMに求めるニーズを反映したものになっている

「これまでのFMは、紙の図面と一覧表をつき合わせながら管理してきました。しかし、こうした管理手法には大変な手間がかかります。人事異動や引っ越しなどがあると、双方の情報が食い違ってくることもありがちでした。BIMモデルとFMデータベースが連携することで、FMはずっと効率的になり、情報のメンテナンスも楽になります」とシェルパ代表取締役社長の高松稔一氏は説明する。

  BIMとデータベースが双方向で連動

archifm.netの特徴は、複数の建物のBIMモデルを使い、モデルのいろいろな場所にある備品や設備、人などのオブジェクトに属性情報を付けて1つのデータベースで管理できることだ。BIMモデルはオブジェクトの位置を3次元的に表示し、データベースはオブジェクトを部屋ごと、管理者ごとにまとめて一覧表にする機能などがある。

そして、BIMモデル上のオブジェクトをクリックするとデータベースで管理されている管理者名などの情報が表示され、FMデータベースで作った一覧表の中にある備品をクリックするとその備品のありかをBIMモデル上で瞬時に表示する、といった双方向の連動が行える。

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データベースの一覧表にある天井エアコンを選択する(左)と、それがどこにあるのかがBIMモデル上で瞬時に表示される(右)

クラウドならではの機能もある。例えば、電灯が切れたり、エアコンが故障したりした時は、データベース上のオブジェクトをクリックして「修理依頼」の指示を出すと、その情報が自動的に決裁のルートに送られ、修理業者の手配から作業の完了までのプロセスがデータベース上に記録されるようになっているのだ。

「設計事務所や建設会社が考えるFMと建物のオーナーが必要とするFMは、かなり違いがあります。オーナーの立場としては建物自体よりも、法定点検や資産計上、法的届け出が必要な備品や設備の維持管理の方が重要です。そして複数の建物の備品を統合的に管理することで、単体管理していた備品を計画的に一括して大量購入することもできるようになり、維持管理コストを大きく下げられるというメリットもあります」(高松氏)。

  安定性に優れる日本HPのワークステーション

1999年に設立されたシェルパは、今年で14年目を迎える。名古屋にある本社と東京オフィスで合計25人の社員がいる。顧客は大手設計事務所・建設会社・建物事業主が中心で、各社のBIM・FM関連業務をサポートするのが主な仕事だ。そのため、社員全員がArchiCADの講師資格を取得している。

「仕事は設計から施工、維持管理と、建設ライフサイクルのすべてにわたっています。中には技術的に難しい業務もありますが、様々な知識やスキルを持つ社員がチームとなって解決していきます」(高松氏)。

様々な顧客の仕事に対応できるようにするため、BIMソフトはArchiCADのほかRevitやMicroStation、GLOOBEなど、BIMの業務で使われるものはほとんど保有している。また、マシンもあえて複数メーカーの製品を導入し、実務に使って性能を検証している。

「東京オフィスだけでもデスクトップ型のワークステーションとパソコンだけで6台稼働しています。うち2台は日本HPのZ400です。中でもHPのマシンは一番、安定性に優れているので、BIMでFMを行う当社の業務には適していますね」(高松氏)。

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通常は机の下に設置されているZ220 SFF(左)。ボディーを触っても熱くないので夏場も安心だ(右)

シェルパの東京オフィスでは通常、机の下に移動式のラックを置き、その中にワークステーションなどを収納している。季節が夏に近づくにつれて気になるのは、ワークステーションなどから発生する熱だ。

「机の下にワークステーションを置いておくと、暑く感じることがあり、扇風機を回したりすることもあります。その点、Z220 SFFのボディーは熱くなりませんね」と伊藤氏は言う。

その秘密は、HPのワークステーションが最先端の流体工学を駆使したエアフロー設計を採用していることにある。高負荷時の発熱を効率的に排出し筐体内の温度上昇を防ぐことで、部屋内の温度を上げずに快適に過ごせるだけでなく、システムの安全性を高めることにもつながっているのだ。

  第3金曜日の夜はOPEN BIM café の会場に

シェルパの東京オフィスでは、ワークステーションなどが簡単に片付けられることも重要だ。というのは、毎月第3金曜日の夜にはオフィス全体がBIMユーザーを対象としたセミナー、「OPEN BIM café 」の会場に大変身するからだ。
http://www.sherpa-net.co.jp/cafe/

普段、東京オフィスには机が島形に配置されているが、第3金曜日の夕方になると、ワークステーションやモニターを片付けて机をスクール形に並べ替える。「毎月、やっている作業ですが、女性が片付けるためにはワークステーションは少しでも小型で軽量なものがいいですね」と伊藤氏。

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毎月第3金曜日の夕方には、OPEN BIM café の開催準備のためワークステーションを片付け、会場をセッティングする
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「OPEN BIM café 」の会場に変身したシェルパの東京オフィス

今年5月で2周年を迎えるOPEN BIM café では、毎回、講師として招かれた設計者や技術者などが、“ココだけの話”を交えつつ、BIMを実務で活用する上での工夫や苦労などを本音で語る。その後は名物、「パワーディスカッション」の時間だ。参加者はグラスを傾けつつ、使用ソフトや所属団体、立場の違いを超えてBIMの活用を語り合う。毎回、20人の定員は予約の段階で満員御礼となる。

同社の社名となった「シェルパ」と言う言葉は、ヒマラヤなどの高地登頂に挑む登山家をサポートする案内人や協力スタッフを意味する。同社の社員は顧客の企業がBIMやFMでより高い目標を目指す時、文字通りシェルパとなってサポートする。そして日本HPのワークステーションは、安定性と信頼性でシェルパのスタッフを支えているのだ。

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建設会社のBIM活用やオーナーのFMをサポートするシェルパのスタッフ。そして日本HPのワークステーションは彼らをサポートしている
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【問い合わせ】
 日本ヒューレット・パッカード株式会社
 東京都江東区大島2-2-1
 オンラインストア HP Directplus
 TEL : 03-6416-6161
 ホームページ : http://www.hp.com/jp/directplus/

 HP Z220SFF/CT Workstation 特設ページ

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