管理人のイエイリです。
最近のスマートハウスは、建築と設備の融合が進んできました。HEMS(住宅用エネルギー管理システム)や太陽光発電パネル、住宅用蓄電池などの創エネ、省エネ、蓄エネの装置だけでなく、住宅本体のパッシブ性能を高める取り組みがハウスメーカー各社で行われています。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトや住宅用3次元CADなどを使うと、住宅のエネルギー消費量や通風性能などをシミュレーションすることができますが、実際とどのくらい合っているのかを検証することも必要ですね。
そこで、ミサワホームは新潟市内に建設したスマートハウスの実証住宅で、
ナ、ナ、ナ、ナント、
実生活のデータ1年分
を取得し、設計時のシミュレーションの有効性を確認することになったのです。
完成した実証住宅の街並み(写真・資料:ミサワホーム。以下同じ) |
ミサワホームは、西野中野山土地区画整理組合が新潟市内で開発している「リンクタウン西野中野山」(240区画、全体面積約16.5ヘクタール)内に寒冷多雪地域向けの量産型スマートハウス10棟を建設しました。
これらの住宅にはHEMSや太陽光発電システム、燃料電池などの最新設備を搭載したほか、建物の表面積を小さくすることで熱損失を抑える「エコフォルム」を採用しています。
このほか、プランや外構計画には、自然環境や気候風土を生かした同社独自の「微気候デザイン」を導入し、環境共生住宅の認定も取得しています。
断熱性能が高い樹脂サッシを採用し、1階リビングには温水床暖房、洗面室にはパネルヒーターを設置して室内の気温差による「ヒートショック」が起こりにくいようにしました。
冬の微気候デザインのイメージ |
ミサワホームはこれらの実証住宅の建設に際して、エネルギー消費量の試算や24時間の室温推移や通風シミュレーションを行い、設計に反映しました。
今後、入居が始まると太陽光発電システムの発電量や余剰電力の売電量、電気・ガス・水道の使用量推移、外部の気温や湿度などのデータを1年間取得します。
そのデータに基づいて、シミュレーションや設計の有効性を解析し、寒冷多雪地域向けの量産型スマートハウスのあり方を検証していくとのことです。
まさに、
スマートハウスのPDCA
つまりP(Plan:計画)、D(Do:実施)、C(Check:検討)、A(Action:対策)のループを回すことで、スマートハウスの性能向上を図っていこうという取り組みです。
こうしたデータの積み重ねがあると、設計者はシミュレーションや設計に対しても自信が持てるようになりますね。
同事業地にはコミュニティーハウスも設けられており、太陽光発電システムや蓄電池、EV(電気自動車)用の急速充電器などが設置されています。将来、この施設はスマートタウンの塧寝るキーマネジメントセンターとしても機能する予定です。