ビデオ映像から河川流速を測る!日本電業工作の「DynaMode」
2014年1月9日

管理人のイエイリです。

台風や大雨などで河川が増水したとき、流速や流量を計測する作業は大変な作業でした。

というのも増水した河川の堤防や橋の上から、「浮子(ふし)」という浮きを水面に投入し、そのスピードをストップウオッチなどで測ることで表面の流速を求める必要があったからです。

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浮子を使った流速計測のイメージ(資料・写真:日本電業計測。以下同じ)

そこで携帯電話のアンテナなどの製造・販売などを行う日本電業工作は、従来の方法に比べて安全で、しかも高精度な流速計測ソフト「DynaMode」を開発しました。

どのような方法かというと、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ビデオ映像を画像解析

 

することによって、河川の各部分の流速・流量・流向を計測するのです。

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ビデオ映像から求めた河川各部の流速

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「DynaMode」の仕組みを解説する日本電業工作マーケティング室の川田めぐみさん

河川の流速は水面上の位置によって複雑に分布していますが、1台のビデオ映像から水面上に分布する無数の流速ベクトルが得られると、高精度な流量計測に使えそうですね。また、このシステムは土石流の計測にも使えます。

気になるのは精度です。同社のデータによると、浮子を使った従来の方法とほぼ同等の値が得られています。

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従来の浮子による流速計測結果(左)とDynaModeによる計測結果(右)はほぼ一致している

ビデオ画像に映った水面の形などを手がかりに、画像を解析して流速や流向などを求める仕組みのようです。風で揺れるカメラの映像を画像解析するのは困難が伴いますが、同社は独自のアルゴリズムによる高精度ノイズフィルターの技術を使って正確に対象物の動きを検出できるようにしました。

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高精度ノイズフィルターの効果。従来の検知方法(左)だと風でカメラが揺れると対象物の動きを検知できないが、同社のアルゴリズムで処理すると、人の動き(右)も捉えられる

このほか、画像解析からは、

 

水位レベルの変化

 

を数段階で測定することもできるのです。

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水位レベルの変化も分かる

つまり、1台のビデオカメラを据え付けておくだけで、その映像から流速、流量、流向から水位まで様々なデータを安全な室内で得ることができるわけです。映像を録画しておけば、後から流速などを測定することもできるので「トレーサビリティー」もしっかりしていますね。

そしてこれらのデータからケータイにアラームを送信するなど、様々な防災システムに生かすことができます。画像解析の技術は、河川の維持管理や防災などの分野で幅広く活用できそうですね。

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